マルコ・ルビオ共和党上院議員の北朝鮮に対する的確な見識

数日前ですが、アメリカABCニュースにマルコ・ルビオ共和党上院議員が出演し、米朝会談中止から再度開催決定に至るまでのトランプ外交について次のように述べていました。(北朝鮮に対する見方が非常に的確だったので、BS放送の日本語放送を文字起こし)

 

(アナウンサー)あなたは大統領の首脳会談中止の決定を100%支持するとおっしゃっていました。ところが週末、南北首脳会談が電撃的な形で開催され、大統領は米朝首脳会談開催について楽観的な姿勢を示すようになりました。これについてどう思われますか?

(マルコ・ルビオ)最終的な成果として何を求めるかによると思います。まず最初に今回、旧ソビエト連邦や、あるいはイタリアやフランスを相手に交渉しているのではないという点を明確にすべきです。今回の交渉相手は非常に常軌を逸した政権であり、世界に対して妄想と不信感を抱いている相手です。これまで国外と交渉をしたことがなく、常設の外交団もいません。彼らにはそのようことをした実績がないのです。

第二に金正恩委員長は感情面でも個人的な心理面でも核兵器に対する強いこだわりを持っています。核兵器を所有することで名声と権力を得たと感じることができるのです。7年前に金委員長が実権を掌握してからずっと核開発を進めてきました。

第三に、そしてこの点が一番重要なのですが、金委員長は本当に核兵器をすべて廃棄するつもりがあるのかということです。北朝鮮は50年以上もの間、独裁体制を維持しようとしてきましたから、金委員長は核兵器を手放したらいつか誰かに地位を奪われるのではという恐怖心があります。だからこそ外交上の駆け引きが続いているわけです。アメリカからすれば北朝鮮の方が、二週間も連絡を断ちました。連絡はしてこないし、先遣隊が約束の会合にに現れないのに本番の首脳会談はできません。それなのに彼らはそのような態度を取り続けたのです。

(アナウンサー)Twitterのメッセージの中でこう指摘されましたよね。金委員長は武力と欺瞞で権力の座を維持しようとしている。核を保有することで、アメリカから攻撃を受ける可能性を軽減できると信じており、核放棄なしに、出来うる限りの制裁を解除させたいだけだ。残念ながら金委員長への対応は選択肢が限られてきている。これはどういう意味ですか?

(マルコ・ルビオ)北朝鮮がミサイルや核開発の放棄に合意しないと判断するのなら、アメリカも決断を下さなくてはなりません。すなわち金委員長のような人物が核兵器だけでなく、アメリカ本土を攻撃する能力を持った世界に住む覚悟はあるのか? もしその覚悟がないなら、ある時点で彼を追い詰めなくてはなりません。そのようなやり方はできれば避けたいですが、それしか選択肢がない状況になる可能性もあります。

というのも私は今でも金委員長は非核化を望んでいないと確信しているからです。彼は非核化をしないでしょう。しかし、自分がオープンな指導者で平和で愛する理性的な人物であると見せたがっています。だからこそ二週間近くも連絡を断ったあと、トランプ大統領が会談中止の意向を発表すると、今度は急遽韓国の大統領との会談に姿を現しました。彼らは再び和平について話し始め、状況が動きはじめました。

(アナウンサー)しかし、北朝鮮は核実験場を爆破し、三人のアメリカ人を解放しましたよね?

(マルコ・ルビオ)それは見せにすぎません。解放されたアメリカ人三人はもともと無実ですし、爆破した核実験場もすでに使えなくなっていた可能性もあります。それに閉鎖としたのは実験場であって、核実験なら他にどこでもできます。北朝鮮では核実験の場所を決めるのに市民集会を開く必要はありません。どこでも金委員長の思うままに実験ができます。彼は核兵器でなく、長距離ミサイルも手に入れて、それによって国際的な地位を高めたと考えています。アメリカの大統領と面会することで北朝鮮の独裁者は自国民に対して自分を国際的なリーダーに見せています。
おそらく、北朝鮮国内では強い不満があるはずです。

(アナウンサー)あなたは金委員長を独裁者と呼んでいますが、トランプ大統領は違います。大統領の金委員長に対する懐柔策は行き過ぎでしょうか?

(マルコ・ルビオ)大統領はどのようにすれば金委員長を交渉の場に引き出せるのか探っているのだと思います。そして大統領の戦略はアンバランスで、北朝鮮のバランスを崩しました。いつもは北朝鮮の方がドラマチックな言動をして、予測不可能な動きによって各国を惑わすのですが、今回はトランプ大統領が一枚上手です。アメリカの大統領としてはこれまでにない流儀で、少なくとも北朝鮮の足元をすくいました。これまで長い間北朝鮮は従来型の政治家を相手にすることに慣れてきたんですが、その意味ではトランプ大統領を評価します。しかし、最後は取引ですから。取引でなくても、検証な可能な形にしなくてはなりません。これは北朝鮮のような国にとっては難しいことです。外交の経験がなく、交渉の経験もなく、このような交渉の経験者が一人もいないんですから。

これ以降は中国の話しになりました。

実に的確な北朝鮮に対する見方だと思います。

日本では、「独裁者だが馬鹿ではない。冷徹に判断できる相手だ」という人が多い。マルコ・ルビオ議員のように「非常に常軌を逸した政権であり、世界に対して妄想と不信感を抱いている相手」という認識の人はあまりいない。

トランプ大統領が金正恩を褒めちぎってますが、トランプ個人はさておき米国政府総意としてはマルコ・ルビオ議員と同じでしょう。

米国の要求する非核化を飲むなら褒めちぎるし、体制保障という空手形もバンバン切る。

韓国の並みの経済発展だの、素晴らしいポテンシャルを秘めているだの、いい加減なことも言いまくる。

トランプ政権下の米国の面の皮の厚さは北朝鮮もビックリですね。

だいたい北朝鮮の体制が維持されたままで、韓国並みに発展したら恐ろしいことこの上ないでしょう。

経済発展すれば、平和的に民主化・自由化されていくと思っているリベラルが多いですが、私は懐疑的です。

あんなガッチガチ独裁体制化で韓国並みに発展したら、IT技術を駆使して完璧な国民監視体制を構築するでしょう。そこら中に監視カメラがあり、電話はすべて盗聴され、指紋も生体データも全部登録。下手したら体にチップを埋め込んでどこに移動したかGPS追跡できるようにするかもしれません。

個人データと紐づいた電子マネーで、どこで何を買ったかも全部把握され、公共交通機関の利用履歴なんかも全部補足できるようになること間違いなし。

盗聴もAIによる音声解析で反体制言論をチェックできるようになれば、マンパワーの制限で出来なかったような完璧な言論統制も可能です。

南北関係改善や日朝関係改善を願う人たちは、まさか北朝鮮がそんな国家になることを後押しするつもりでしょうか?

体制変革なくして、関係改善など不可能です。経済支援しかりです。

平和も多いに結構ですが、「戦争か?それとも奴隷か?」という究極の選択であることを理解すべきでしょう。

日本や韓国を奴隷化する力などない、という反論もあるでしょうが、北朝鮮国民が奴隷化されていることは間違いないわけです。奴隷制を採用している国家と国交正常化や経済協力をするのか?という問題であることは忘れてはいけないでしょう。

対北朝鮮外交がうまくいったと判断できるのは、非核化と同時に、北朝鮮の閉鎖性を崩したり、収容所・連座制・密告制といった弾圧システムを瓦解させる条件を入れ込むことでしょう。

それがない外交交渉はすべて無意味です。なぜならどこかで必ず破綻するからです。

「凶悪な人権蹂躙を行う韓国並みに発展した独裁国家」、アメリカのリップサービスの通りに事が運べばこうなります。

これが成り立たないことは明々白々です。

北朝鮮の金正恩が信頼できる指導者だというイメージを国際社会に振りまいてますが、米国も負けてませんね。

どっちもよくもまぁ平気で嘘つくなと感心する。

とりあえずトランプ政権が弾劾されたり選挙で大敗でもしない限り、米国ペースで事は進みそうです。