着実に圧迫が強まる対北朝鮮制裁

米朝首脳会談から緩みそうで心配だった対北朝鮮制裁も案外大丈夫そうです。

中国が穴を空けそうで心配でしたが、米中の新冷戦が順調に”常態化”する中、なかなか国連制裁をガン無視することも難しいようで、積極的に制裁逃れに手を貸すようなこともなさそうです。

せいぜい、現場の個人がこっそり密貿易する程度のようです。

中国国内も失業者があふれる中、「中国人失業者をなんとかしないといけないのに北朝鮮人を雇う余裕なんてないよ」ということらしく、結果的に北朝鮮労働者を増やすことも難しそうです。

人権ネタでの批判も徐々に増え、追加制裁も増える中、北朝鮮側の厳しさが報道を通して伝わってきています。

 

朝鮮外務省米国研究所の政策研究室長が米国の対朝鮮敵対行為が絶えず働かされていることに憤激

【平壌12月16日発朝鮮中央通信】

朝鮮外務省米国研究所の政策研究室長は16日、次のような談話を発表した。

去る6月、歴史的なシンガポール朝米首脳会談で朝米両国の首脳が朝米関係の改善を確約したのは地域と世界の平和と安全保障のための意味ある出来事であり、現朝米関係はシンガポール朝米共同声明を誠実に履行していこうとする両首脳の確固たる意志に従って前進している。

しかし、このような情勢の流れに逆行して米国の悪辣(あくらつ)な対朝鮮敵対行為が絶えず働かされていることに対して、私は唖然(あぜん)とし、憤激を禁じ得ない。

シンガポール朝米首脳会談後の6カ月間、国務長官をはじめ米国の高位政客は毎日のようにわれわれを悪意に満ちて謗ったし、米国務省と財務省はマネーロンダリング(資金洗浄)だの、瀬取りだの、サイバー攻撃だのというさまざまな口実を設けて、わが国だけでなくロシア、中国など第3国の会社と個人、船舶におおよそ8回に及ぶ反朝鮮制裁措置を講じた。

最近は、ありもしない「人権問題」まで取り上げて、主権国家であるわが朝鮮政府の責任幹部らを自分らの単独制裁対象リストに追加する挑発的妄動までためらわないなど、反朝鮮人権謀略騒動に熱を上げている。

今、国際社会はわれわれが主動的に取った非核化措置を積極的に歓迎して米国がそれ相応に応えることを一様に要求しており、トランプ大統領自身も機会あるたびに朝米関係改善の意志を披瀝(ひれき)している。

まさにこのような時に、米国務省が大統領の言葉とは違って朝米関係を火と火が飛び交っていた昨年の原点状態に逆戻りさせようとやっきになっている底意が何か疑わざるを得ない。

それでも名ばかりが「唯一超大国」の外交官であるなら、これまでの朝米関係史を通じて制裁・圧迫がわれわれに通じないということくらいは知っておくべきであろう。

積もりに積もった朝米間の対立と不信、敵対関係の中で、相手に対する威嚇と恐喝、圧迫が問題解決の方途になりえないことは自明の理であり、そのような敵対行為が呼び寄せる情勢悪化が朝鮮半島はもちろん、地域と世界の平和と安全にも有益でないことは米国も知らないはずがない。

根深い朝米間の敵対関係が一朝にして解消されないことをあまりにもよく知っているので、われわれは信頼醸成を先立たせてできることから一つずつ段階別にやり遂げていく方式で朝米関係を改善していくことを主張している。

国務省をはじめ米行政府内の高位政客らが、信頼醸成とは全く縁のないわれわれに対する制裁・圧迫と人権騒動の度合いを前例なく強めることでわれわれに核を放棄するように働きかけることができると打算したなら、それより大きな誤算はなく、むしろ朝鮮半島の非核化へ向かう道が永遠に行き詰まりになるような、誰も願わない結果が招かれるかもしれない。

忠告するが、米国は「最大の圧迫」がわれわれには通じないことを今からでも悟ってシンガポール朝米共同声明の履行に誠実に臨むべきであろう。

 

トランプ大統領を批判せず、外務省や財務省、米国の強硬派を批判する手法は相変わらずです。

「ありもしない人権問題」を取り上げて制裁を加えるとはけしからん!と豪語できる鋼鉄の神経はさすがです。

「信頼醸成を先立たせてできることから一つずつ段階別にやり遂げていく方式で朝米関係を改善していくことを主張」しているそうですが、これにまんまと乗ってはいけません。

北朝鮮版サラミ戦術ですね。

経済制裁を解除したが最後、非核化の動きはあっという間に停滞します。

進むにしても亀のごとき歩みで「100年後に完全非核化を目指します」くらいのスケジュール感で進むこと間違いなし。

制裁を解除するにしても、人道支援に限定し、さらにはNGO団体が直接北朝鮮国内に入って自由に移動して、支援相手を好きに選べるような条件でやるべきでしょう。そのくらいしないと意味がない。

それができないなら、領空侵犯して空から物資をバラまく方がよほど北朝鮮国民にとってプラスになります。

韓国の脱北者団体を裏で支援して、物資を入れた風船を飛ばしまくるのも良いでしょう。

北の独裁体制強化にプラスになるような人道支援をするくらいならその方がはるかにマシです。

何はともあれ人権問題で北朝鮮を批判する言論が活発化し、それに北朝鮮が反発するのは良い傾向です。

人権改善なくして制裁解除なし。

これを北朝鮮に分からせる必要があります。