あっさり米朝会談中止

あっさり米朝会談が中止となりました。

ジェットコースターのような情勢変化についていけないです(笑)

いままでの融和ムード全開の写真がもはや過去のことになりました。

4月27日、南北首脳会談で笑い合う両首脳。写真は板門店合同取材班。

 

なんだかんだで米朝会談は行われるだろうと思ってましたが、あっさり中止になりました。まぁ事前の条件調整がうまくいかなかったのでしょう。

文在寅大統領のように、米国が毒だらけの共同宣言を出すほど甘くなかったんだろうと思えます。

米国側の理由を知れば、そりゃ中止になるのも分かります。

米朝首脳会談中止の理由は「北朝鮮側の相次ぐ約束違反」 米政府高官

(中略)

ホワイトハウス(White House)の高官は匿名で「(北朝鮮側の)度重なる約束違反が米国をちゅうちょさせた」と述べた。

(中略)

高官は北朝鮮側がシンガポールで行われる予定だった米国側との準備会合を無断欠席したことに言及し、「信義誠実の深刻な欠如」と指摘した。「米国側はひたすら待ったが北朝鮮側は姿を現さなかった。北朝鮮側は連絡すらよこさず、われわれに待ちぼうけを食らわせたのだ」

ホワイトハウスは北朝鮮の米韓合同軍事演習に対する抗議と、南北閣僚級会談を突然中止したことも、北朝鮮が米朝首脳会談に向けて約束したことの違反とみなしている。

高官は北朝鮮が核実験場の廃棄への国際監視団の立ち会いを認めなかったことで、さらに信頼が損なわれたと指摘している。

「(国際監視団を立ち会わせる)約束はほごにされた。代わりに記者団が招待されたが、(核実験場の廃棄が)完了したという科学的証拠は大して得られなかった」

「(核実験場の廃棄が)事実であれば良いが、真相は分からない」(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3175923

北朝鮮側の韓米合同演習に対する「板門店共同宣言に違反している!」という主張ばかりに目がいきますが、裏でこういう不誠実さがあったわけですね。

シンガポールでの米朝会談事前準備に勝手に欠席。米国側は待ちぼうけ。

会社でいえば、会社間の業務提携や融資の決定といった超重要な会議に向けた事前準備を何の連絡もなく欠席するようなものでしょうか。普通に考えれば激怒して当然です。

なぜトランプ氏が中止を決定したか、ポンペオ国務長官がこう説明しています。

「(金正恩委員長と私(ポンペオ国務長官)が合意したことにもとづき、チームを作り首脳会談に向け入念に準備をしてきましたが、我々の問い合わせに対し、北朝鮮側からなんの応答もありません」

応答がない、ときました。交渉する気がないとしか思えません。

米朝会談決定でこのまま米朝国交正常化と平和協定締結だー!とバラ色の未来を思い描く人たちもいましたが、実態はこんなもんです。

「応答がない」とは驚きます。

核実験場の廃棄も専門家は入れずに、受け入れたのは記者団のみ。

かつて金正日時代に非核化に向けた核査察受け入れで、査察団を騙さそうとして、嘘がバレたことを教訓にしているのでしょう。

専門家を入れていろんな検査装置などでチェックされたら、何か都合の悪いことがバレるかも?と恐れている良い証拠です。

こんな不誠実な対応で、北朝鮮側は譲歩を重ねていると主張されても首肯はしかねます。

核素人の記者団だけ入れて、「自分たちは非核化に向けて行動してます」とアピールする映像と写真だけ一方的に国際社会へ報道。

こんなことでちゃんと施設閉鎖されたのかなんて分かりません。

核物質を検知できる装置や、外部の専門家が自由に移動して検査する以外に本当に核施設を閉鎖して永久に使えなくしたのかは分かりません。

検査してみたら核物質は一切検出されなかった、なんてこともありえます。ただの「坑道爆破」を「核実験場閉鎖」と言われても専門家と専門の装置で検証しなければ分からないわけです。

6/12の米朝首脳会談に向けて事前調整をしようと連絡しても応答なし。核実験場の閉鎖も外部から検証できない形での不誠実な対応。

とくに「応答なし」には驚かされます。

ポンペオ氏が極秘訪朝してたりするくらいだから、事前協議も密にやって水面下で激しい条件交渉が行われているんだろうと思ってましたが、「応答なし」です。

それが事実なら、お互いのメディアでの公式声明の応酬だけだったということになります。

中国がしれっと制裁に穴をあけていますが、今後は米国が中国に対して厳しく北朝鮮への制裁履行を求めれるかに米朝会談の成否が左右されそうです。

口だけでなく、セカンダリーボイコットという実効のある対処を米中貿易戦争を恐れずにやれるかどうか。

北朝鮮に振り回される中国と米国の2大国。

生き残りをかけた金正恩の外交もなかなかしたたかです。

それにしても訪米して「米朝会談が行われることが大事だ」と文大統領が述べた後で、即座に会談中止です。

ちょっとしたピエロですね。気の毒に。

しれっと隠し持てるレベルの非核化をやることで、制裁解除と体制保障を得ようとした北朝鮮と、人権問題の改善や、化学兵器・弾道ミサイルの破棄など、非核化以外にも当然要求すべき条件を加えてハードルを上げてきた米国の熾烈な外交戦争が繰り広げられていますね。

米朝会談の中止はその良い証拠です。

短期間に必ず、永久的で検証可能な非核化をやるという米国の強い意志が見て取れます。

イランの件もありますから中途半端な妥協をする可能性も低い。

北朝鮮をかばって米国側を非難する人たちもいますが、米朝会談の事前協議に「応答なし」だったことと、専門家を入れずに素人の記者団しか入れずに核実験場閉鎖アピールをする不誠実な対応をしっかり認識してもらいたいですね。

これで北朝鮮は誠実に対応しているなんて言われてもまったくもって納得できません。

韓国系米国人の解放や、笑顔で握手し、ユーモアを交えた会話をしたただけで「金正恩信用できる、彼は非核化と改革開放に本気だ」などという幻想を抱くのは過去の過ちを繰り返すだけ。

米国には妥協することなく北朝鮮外交を行ってほしいですね。韓国や日本はこの姿勢を応援して、後押しすべきでしょう。

特に文在寅大統領には邪魔だけはしてくれるなと願うばかりです。