米朝会談終了 評価はこれからの結果次第

米朝会談が終了しました。

あくまで「これから対話開始します宣言」ですから、中身はこれからの交渉次第。

北朝鮮が実質的な行動を起こさない限り、現状の経済制裁が維持できるかが成功のカギを握ることになります。

そして最初の山場は、核査察受け入れと在韓米軍撤退の綱引きになりそうです。

 

米朝会談で合同軍事演習の停止や、在韓米軍縮小への言及がありましたが、この件について韓国でまた保革両陣営の分裂が激化しそうです。

米国内でも北朝鮮の人権問題無視や在韓米軍撤退の件でトランプ批判が炎上することでしょう。

そして北朝鮮は核査察を受け入れて核廃棄をする前に、在韓米軍撤退を要求する可能性大です。

それが実現されない限り、体制維持のために核放棄はできないとゴネそうです。

米国は米国で、米韓合同軍事演習の停止や、在韓米軍撤退をチラつかせながら、北朝鮮に「こっちは行動したんだから早く核査察受け入れろ」と要求することでしょう。

うんざりする交渉の始まりです。

個人的には演習の停止や在韓米軍撤退もカードとしてはアリかと思っています。

それもいきなり一気にやる方が良いでしょう。そして勝手に核査察の期限を切る。「〇〇までに自由にどこでも好きに査察できるようにしろ」と要求し、飲まなければ、すぐに在韓米軍を戻す。それも、ただ戻すのではなく、拡張して戻す。

撤退しても基地はそのまま残しておきいつでも戻ってこれるようにしておきます。

米韓合同軍事演習の停止や、在韓米軍縮小で浮いたお金はプールしておき、北朝鮮が約束を破ったときに、米軍を拡張して韓国に戻すときに使えるようにしておきます。

THAADも増やして配備。

基地も人員も増やして在韓米軍を戻す。

対北朝鮮の風船ビラも、市民団体に資金援助して風船からドローンにバージョンアップ。

まぁこの辺は韓国の覚悟が必要ですが、在韓米軍を撤退させるという政治的に不利な決断のためにはこれくらいの保険を提示して国民の理解を得る必要はあるでしょう。

あと中国も巻き込むと効果的です。

中国側に北朝鮮が誠意ある行動をしなければ石油パイプラインの即時停止や、中朝貿易の完全停止を要求する。

中国が拒否するようなら「台湾に米軍を駐留」「台湾を国家承認」「台湾の核武装容認」などをチラつかせて、中国側に行動を促す。

中国が飲めば、北朝鮮の非核化も可能かもしれません。

今までの失敗は、約束を破ったときの罰則が甘かったから。刑務所にぶち込まれないなら犯罪者はやりたい放題です。

同じことを繰り返さないためにも、約束破ったらこうなるぞ!という脅しは必要です。

在韓米軍撤退というカードを切るなら切るで、北朝鮮から得られる見返りと、その見返りが得られなかった場合の保険は考えておくべきです。まぁトランプ大統領は費用だけしか見てなくて、その辺あまり考えてなさそうで不安ですが、、、。

共同声明も中身がないですし、今回の米朝会談もしょせんはセレモニーです。実質的な中身は、今後の交渉で見えてくるはずです。

北朝鮮側から出ている共同声明はこちら。

金正恩国務委員長とドナルド・トランプ大統領間のシンガポール首脳会談の共同声明

【平壌6月13日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長とアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領が2018年6月12日、シンガポールで初の歴史的な首脳会談を行った。

金正恩委員長とトランプ大統領は、新たな朝米関係の樹立と朝鮮半島における恒久的で強固な平和体制の構築に関する問題について包括的で深く、率直な意見を交換した。

トランプ大統領は、朝鮮民主主義人民共和国に安全保証を提供することを確言し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に対する確固不動の意志を再確認した。

金正恩委員長とトランプ大統領は、新たな朝米関係の樹立が朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると確信しつつ、相互の信頼構築が朝鮮半島の非核化を促すと認めつつ、次のように声明する。

1.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は平和と繁栄を願う両国人民の念願に基づいて新たな朝米関係を樹立していくことにした。

2.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は朝鮮半島で恒久的で強固な平和体制を構築するために共に努力する。

3.朝鮮民主主義人民共和国は2018年4月27日に採択された板門店(パンムンジョム)宣言を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向けて努力することを確約した。

4.朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は、戦争捕虜および行方不明者の遺骨発掘を行い、すでに発掘確認された遺骨を即時送還することを確約した。

金正恩委員長とトランプ大統領は、史上初めてとなる朝米首脳会談が両国間に数十年間持続してきた緊張状態と敵対関係を解消し、新しい未来を開いていくうえで大きな意義を持つ画期的な出来事であるということについて認め、共同声明の条項を完全かつ迅速に履行することにした。

朝鮮民主主義人民共和国とアメリカ合衆国は、朝米首脳会談の結果を履行するために可能な早い時日内に米国のマイク・ポンペオ国務長官と朝鮮の当該高位人士間の後続協商を行うことにした。

朝鮮民主主義人民共和国国務委員会の金正恩委員長とアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領は、新たな朝米関係の発展と朝鮮半島と世界の平和と繁栄、安全を促すために協力することにした。

2018年6月12日
シンガポール・セントーサ島
朝鮮民主主義人民共和国 アメリカ合衆国
国務委員会委員長 大統領
金正恩 ドナルド・トランプ

http://www.uriminzokkiri.com/index.php?lang=jpn&ftype=document&no=11819

ま、基本騙しあいです。

北朝鮮だって、金一族崇拝体制を米国が本気で保障するなんて思ってないでしょう。

米国や韓国も、経済発展すれば「自由化・民主化」して「普通の国」になると期待して笑顔で手を差し出しているわけです。北朝鮮の体制維持という観点からすれば、これも立派な敵対行為です。例えるなら笑顔で毒薬飲ませるようなものでしょうか。

結局、北朝鮮の人権蹂躙体制が改善されない限り必ずどこかで破綻します。

人権蹂躙が必要なのも、現在の金一族崇拝体制を維持するためです。

体制保障のためには人権蹂躙が必須だが、米国が人権蹂躙を容認するはずもない。

実現不可能な約束で外交交渉。これほど欺瞞に満ちた会談もないですね。これが国際政治というものなのでしょう。

まぁ今回の米朝会談はただの「対話開始します宣言」です。

そういう点では評価できるというだけですね。

この米朝会談が茶番だったか、平和と繁栄への第一歩だったかはこれからの結果次第です。