いよいよ本格化してきた米朝決裂

第二回米朝決裂後から半月が過ぎようとしています。

当初は対話を維持するとか言っていましたが、そのムードも順調に瓦解中です。

北朝鮮側が「米国が譲歩するつもりがなければ対話を中断するぞ」と言いだしました。

ロシア・タス通信やAP通信によると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官はこの日、平壌で外国のメディアや外交官を対象に緊急記者会見を開き、米朝首脳会談で米国が絶好の機械を逃したとし、「米国の要求に対し、譲歩するつもりはない」と述べた。

また、ミサイルの発射実験と核実験の中断を継続するかどうかは全面的に金委員長の決定にかかっているとし、「短期間のうちに決定を下すだろう」と語った。金委員長が北朝鮮の今後の対応について、近く声明を発表する計画だとした。

北が非核化交渉中断を示唆 強硬姿勢に緊張高まる=韓国大統領府』 聯合ニュース

 

米朝双方とも、「譲歩する意思なし」と繰り返し言及していますが、いちおう「対話を続けていく、外交交渉を続けていく」とセットになっていました。

この「口だけ対話しまっせ姿勢」も長くは続かなそうです。

北朝鮮がいよいよ17年以前の強硬路線に戻る意思を固めたように見えます。

面白いのは日韓の反応の差。

韓国は「いかなる状況でもわが政府は朝米(米朝)の交渉再開のため努力する」とコメント。

日本は「ノーコメント」です。

韓国は「やめて~!」という気持ちが見え隠れするコメントで、日本は「その時は覚悟しろよ」という意思を沈黙で示しています。

さらに言えば韓国の「いかなる状況でも」という言い方には、北朝鮮が強硬路線に戻っても今の姿勢は変えないという意思の表れが見て取れます。

ミサイル発射や核実験はやらないだろうというのが専門家の意見ですが、だいたいその手の専門家の意見が外れるのが世の常です。

もしかしたら「爽快なる轟音とともに!」とか言いながらミサイルをぶっ放すかもしれません。

その時の言い訳は「ミサイルではない。衛星発射だ!」でしょう。

この言い訳に周辺諸国がどう反応するかが見ものです。

日本は「許しがたい挑発!」と非難するでしょうが、中国や韓国がどうなるか。

もしかしたらトランプも「ミサイルじゃないと言ってるんだから信じよう」的なことを言いだすかもしれません。まぁその時は米国内から非難轟々でしょうけど。

今後、北朝鮮がどうでるか見ものですね。

生き残りをかけてありとあらゆる手段を考える北朝鮮に対し、北朝鮮にはほぼ興味がない米国。はっきり言って、ベネズエラやシリア、アフガニスタンやウクライナの方が気になるでしょう。

抑留されていた米国人も取り返したし、核・ミサイル実験が止まっている限り、現状維持で良しとするでしょう。

金正恩に譲歩する意思がないこともはっきりしたわけですから、下手に交渉しても決裂するだけですからトランプの次期大統領選挙にプラスにはなりません。

選挙が一番大事なトランプ大統領からしたら、選挙にプラスにならない交渉をするメリットはない。

制裁をどんどん強化する形での現状維持・停滞状態が続きそうです。

そうなって困るのは金正恩。

何か行動を起こして状況を変化させなければいけません。

中国もいまいち頼りにならないし、取りえる手段と言えば、核・ミサイル実験による瀬戸際外交くらいしかない。

かと言って、ミサイル発射や核実験でトランプのメンツを潰す手段も、その後の反発を考えればやりづらい。

金正恩はどう出てくるか?

個人的には、衛星発射と言う名のミサイル発射をやると思います。

そしてその結果、軍事攻撃を受けないための保険として南北会談を申しいれたり、日本に対して拉致被害者を返す意思があると伝えてくると思います。

韓国にはソウル訪問をチラつかせ、日本には拉致被害者返還をチラつかせる。

そうすれば米国が軍事攻撃をしようとしても、韓国や日本が「ちょっと待ってくれ」と止めてくれます。

もし米国が北朝鮮へ軍事進攻しようとすれば、少なくとも日韓どちらかの全面的な支援は必須です。

それを北朝鮮はわかっています。

核・ミサイル実験の再開など、強硬路線に切り替える場合、ほぼ確実に日本へ秋波を送ってくるでしょう。

中国と一緒で、米国ともめると日本にすり寄ってきます。

そして、残念ながら拉致被害者返還をチラつかせられたら日本は断ることができません。

来年になれば、オリンピックを控えて東アジアでの戦争勃発は避けたい日本の足元を見た、北朝鮮の瀬戸際外交が行われる可能性大です。

去年は韓国が振り回されましたが、今年と来年は日本も一緒に北朝鮮に振り回されるかもしれません。

北朝鮮が米国を挑発しながら日本には融和姿勢で臨み、日本は拉致被害者返還の餌に食いついて必死に米国をなだめる役割を演じる。

あまり見たくない構図ですが、そうなる可能性は高そうです。

むしろ米朝が没交渉に陥り、米国が北朝鮮に興味を失い、北朝鮮は「自力更生」を叫んで引きこもり、その間に日本はコツコツ瀬取り取り締まりなどの制裁履行をやる。そんな状況の方が日本は楽でしょうね。何も考えなくていいですから。

まぁ北朝鮮がそうはさせないでしょう。

ありとあらゆる手段で引っ掻き回すこと間違いなしです。

米朝決裂はほぼ確定的となり、今後は「ロケットマン」「狂った老いぼれ」と罵り合っていた時代が戻ってくるかもしれません。

去年は燃え上がる融和ムードに、米朝で罵り合っていた時代が遠い昔のようだ、と思っていましたが、今年は「恋に落ちた」とか言ってた去年が遠い昔のようだ、と思う1年になりそうです。

北朝鮮情勢はさながらジェットコースターのようです。