自縄自縛に陥る米軍慰安婦問題 今後韓米分断のツールとして活用されそう

旧日本軍の従軍慰安婦問題。日本相手だと都合の悪い情報は徹底して遮断して神格化に邁進してしまう悪い病気が、対米関係にも影を落としています。

順調に北朝鮮のシナリオ通りに進んでいるなと思わされたのが次の記事。

名称から反発を受けた「米軍慰安婦条例」(韓国語)

 

日本軍慰安婦問題で韓国側の主張を正当化するなら、米軍慰安婦問題についても米国に謝罪と賠償を求めないと二重基準になるようになっています。

日本軍慰安婦でゲットした裁判所の判例や、歴史認識がそのまま利用できるようになっています。

見事な論理構築ですわ。北朝鮮の対南工作は実に素晴らしいです。

その内容を見てみましょう。

▲先月24日平沢市基地村女性(米軍隊慰安婦)支援条例制定のための市民討論会。平沢市民財団提供

先月24日、京畿道(キョンギド)平沢市(ピョンテクシ)彭城(ペンソン)国際交流センターで「平沢市米軍慰安婦支援などに関する条例案」制定のための市民討論会が開かれた。京畿道議会と市民社会団体が高齢の基地村女性たちを助けるために推進する「米軍慰安婦支援条例」が米軍基地周辺商人と一部住民の反発で産みの苦しみを味わっている。

これに先立って今年3月、京畿道議会共に民主党議員が同僚議員20人余りの署名を受けて「京畿道米軍慰安婦支援などに関する条例案」を発議したが、「条例の根拠になる上位法がない」という京畿道の反対で失敗に終わった。

この平沢市条例には地方政府が立ち上がって米軍慰安婦女性たちの名誉回復を助け、住居と生活安定を支援しなければならないという内容が含まれている。70~80代の高齢になった彼女たちは家族と切れた場合が多く、地域社会でも差別と疎外を経験した。

日本軍の慰安婦おばあさんと一緒ですね。

昔ながら超保守的な貞操観念のせいで差別され、苦しい人生を送ることになってしまったわけです。名誉回復を助け、援助しようという主張は当然でてくるでしょう。

京畿道条例案は「国家が駐韓米軍駐留のために売春を助長・ほう助・黙認し、そのために基地村女性たちが強制検診・拘禁・殴打・人身売買に苦しめられてきた」として「米軍慰安婦問題は国家の責任」という点を明確にした。

当時は米軍が駐留し韓国を守っている状態。韓国政府より上の存在と言っても良い。果たして責任を問う相手が韓国政府だけでおさまるか?

私は収まらないと思います。

まず間違いなく「米国の責任を問え!」という方向に飛び火するでしょう。

最近、裁判所でも同様の意味の判決が下されてきた。ソウル高等法院は去る2月の控訴審でも裁判所は「国家の基地村運営管理過程で売春正当化と助長行為、違法な強制隔離・受け入れ行為があった」として「国家責任を認めて、慰謝料を支給せよ」という判決を出した。

「国家の基地村運営管理過程で売春正当化と助長行為、違法な強制隔離・受け入れ行為があった」

日本軍の慰安所管理も一緒でしょう。日本政府に従軍慰安婦について、国家責任を認めて謝罪と賠償をすべき、と主張しているわけですから、「国家責任を認めて、慰謝料を支給せよ」という判決は当然でしょうね。

しかし、この「国家責任を認めて、慰謝料を支給せよ」という”法的な判決”が正しいとなると、日本軍慰安婦の扱いはおかしなことになります。

日韓基本条約では、経済援助という名目の賠償金で、請求権は「完全かつ最終的に解決された」わけですから、「法的」には日本軍従軍慰安婦の賠償請求は、日本相手ではなく韓国政府に請求すべきとなります。

で、その法律的なやり方で論争すると不利だと思った韓国側が持ち出したのが「普遍的な女性の人権」です。

この「普遍的な女性の人権」、対象が広すぎて非常にあいまい。

韓国のこの「普遍的な人権」という広範囲な主張を認めて法的に「日本政府へ謝罪と賠償を求めるべき」と判断を下したわけです。

2012年以降、韓国の最高裁と憲法裁判所が戦後補償問題について「日韓基本条約で解決済みでない」という見解を出してしまった。

これって当然米軍慰安婦にも適用できてしかるべきなんじゃないの?となります。

南北で慰安婦問題の連携が進んだら、北朝鮮側がうまく韓国側の反米団体を使って今までの日本軍慰安婦問題の論理構成を利用して、米軍慰安婦問題を炎上させようとするでしょう。

Let’s 韓米分断です。

▲基地村の女性たちを国連軍相手の慰安婦と規定する政府事業内容が含まれた当時の記事.中央大イ・ナヨン教授発表資料

しかし、反発の声も大きい。米8軍司令部がある彭城邑アンジョン里一帯の商人と一部住民たちは「苦痛を受けた隣人として基地村ハルモニたちを支援するのに反対しないけれど、条例に明らかになった『米軍慰安婦』という名称を使うことだけは絶対受け入れられない」と声を高めた。24日の討論会でも一部商人と住民たちは「日本軍慰安婦が慰安婦なのか、なぜ米軍を相手にしたあなた方が慰安婦か」と荒々しく抗議した。

▲先月24日、平沢市基地村女性(米軍隊慰安婦)支援条例制定のための市民討論会が一部の参席者らの反発で混乱した。平沢市民財団提供

彭城邑商人会関係者は「貧しい韓国女性たちがうとうとしながらカツラ工場などで金を儲けていた時、彼らは家にテレビを置いて個人家政婦まで置き、米軍を相手に売春した」と強調した。自発的な売春労働者なので強制性が含まれた「慰安婦」という呼称は使えないということだ。

米軍相手に売春してた人は、貧しい人たちの横で、家にテレビ置いて家政婦も雇って良い生活してた。

日本の右翼が「高給もらって良い生活してただろ?ただの売春婦じゃないか!」と暴言を吐いて、韓国側がキレるという光景を見ますが、それと何が違うのでしょうか?

色んなことがブーメランのように返ってくる。

売春婦呼ばわりはいただけませんが、将校以上の高給を受け取り、兵隊さんとテニスをやったり映画を見たりと休日をエンジョイしていた日本軍慰安婦はどうなのよ?となります。

他にも、「慰安婦」という呼称について「強制性」が含まれたものだから使うなと主張。

日本軍従軍慰安婦も、兵士に銃剣を突き付けられて連行されたのではなく、戦地へ行く従軍慰安婦の募集があって、そこに業者が女性を騙して連れて行ったり、親に売られたりして集められたわけです。

これを証明する資料に対しては、朝日をはじめ日韓”慰安婦利権”関係者たちは「広義の強制性」というこれまた定義のあいまいな主張でごり押ししています。

この「広義の強制性」を認めると、米軍慰安婦にも認められるべき、となるでしょう。米軍慰安婦のハルモニたちも、貧乏で体を売るしかない人もいれば、親に売られた人もいたわけですから。

さらに当時の実態としては韓国政府の上に米国がいたわけです。米兵を裁くこともできず、まさに支配者です。

日本の支配下になる朝鮮。米国が韓国政府を通して間接統治する韓国。構図としては似てます。

果たして責める相手が韓国政府だけで良いのか?という疑問は当然わくでしょう。

さらには女性がドラム缶に入れて「第五種補給品」として基地に運ばれていたわけです。かなり屈辱的な扱い。米軍相手に謝罪と賠償を求めたくなるのは当然ですよね。

また「米軍を相手にした女性たちが米軍慰安婦なら韓国軍を相手にした売春女性は国民慰安婦か。米軍と私たちを仲違いさせようとする不純な意図がある」と話した。商人らはまた「彼女たちを『米軍慰安婦』に確定したら米軍将兵らが基地前の酒場に出入りできるか」として営業の困難を心配した。

日本人観光客が来なくなると少女像や徴用工像を拒否するのと似てますね。

「慰安婦」呼称をめぐって産みの苦しみを味わった人権条例は名前を変えて推進することで糸口をつかんでいる。イ・ウンウ平沢市民財団理事長は「地域商人らの反発意見を考慮して『基地村女性支援条例』に名称を変える問題を議論中」と話した。日本軍・米軍・ベトナム駐留韓国軍の慰安婦問題などを研究してきた中央大イ・ナヨン教授は「日本軍慰安婦のように米軍慰安婦も国家が動員した女性たちが人権侵害にあったというのは正確な判断だが、まずこの条例が制定されることが重要なので名称を変えても推進しなければならない」とした。

ホン・ヨンドク記者

ハンギョレ新聞(韓国語) 名称から反発ぶつかった「米軍慰安婦条例」

「日本軍慰安婦のように米軍慰安婦も国家が動員した女性たちが人権侵害にあったというのは正確な判断」

日本軍慰安婦も米軍慰安婦も、どちらも国家が動員した人権侵害とのこと。

おっしゃる通りでしょう。

戦時中は、日本という韓国を支配していた相手に女性を連れていかれ、性の奉仕をさせれた、日本は反省と謝罪と賠償をすべし!という論理構成です。

戦後は、アメリカ軍政を経て1948年に大韓民国建国して独立したわけですが、安保も経済も米国に頼りっきりでほぼ属国状態だったわけです。

果たして、米軍の意向に逆らえたのか?という疑問は沸くでしょう。

米軍兵士のために、売春宿を作ってくれと言われれば作るしかないでしょう。戦後の日本も一緒でしたからね。

こうなると米国の責任は問わなくて良いのか?となります。

文大統領が「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」の政府記念式で、「われわれ自身と日本を含む全世界が、全ての女性たちの性暴力と人権問題について深く反省し、二度と繰り返さないというしっかりした覚醒と教訓につなげるとき、初めて解決される問題」と言ったわけですが、米軍慰安婦も同じ扱いをしなきゃ不公平ですよね?と言いたくなります。

まぁもちろん「そうだ!米軍慰安婦も同じじゃないか!米国に謝罪と反省を要求すべきだ!!」と文在寅大統領が声高に主張したら大統領失格ですから、そんなことは期待していません。

やっかいなのは今後この件を炎上させようとする連中が、北朝鮮や中国と連携し出すことでしょう。

「条例が制定されることが重要なので名称を変えても推進しなければならない」ということで名称変更して条例を通すようですが、一度この手の行政判断が下ると既成事実化します。

こういう実績を積み上げながら、問題をどんどん拡大させていくのが北朝鮮対南工作の手法です。

日韓分断には「慰安婦」「徴用工」「独島」。韓米分断には「ベトナム戦争」「米軍慰安婦」。

北朝鮮が利用できる道具はいくらでもありますね。

この手の運動が南北交流が活発化するのと合わせて、どんどん拡大していきそうです。