中国共産化に大貢献した米国のソ連スパイ、ハリー・デクスター・ホワイト

凄まじいプレミア価格がついている『ヴェノナ』から、中国を共産主義に売り渡すことに大貢献したアメリカのソ連スパイを紹介します。

この『ヴェノナ』ですが、10/12時点で10万円近い価格がついています。2万円で買ったときは高いな~と思っていましたが、この値段を見ると良い決断だったと思わされます。

これだけプレミア価格がついているのですから、文庫版で再販してほしいですね。

第二次世界大戦の時には、あれだけ蒋介石の国民党を支援していたアメリカが、戦勝後にはしごを外して毛沢東率いる中国共産党に中国を売り渡すことに加担します。

まぁアメリカと言ってもアメリカ内のソ連スパイと共産主義者たちの暗躍が実態ですから、実質はソ連です。

自由と民主主義の拡大を国是としてたアメリカが、中国の全体主義化に利用されることになります。

それにしても財務省NO.2のハリー・デクスター・ホワイトがソ連スパイだったことに驚かされます。

 

ホワイトが遅らせた中国国民党への金借款の実施

ここまで見てきたように、その高位の官職によって、ホワイトのスパイ活動はソ連のスパイ・ネットワークに属すその他のエージェントたちと比べて特殊なものであった。うまくいくこともいかないこともあったが、共産主義者の利益になるように、ホワイトはアメリカの政策自体を操ろうともしたのである。ホワイトは戦後復興におけるソ連のアメリカからの借款問題でこれを試みている。

一九四五年一月三日、ソ連はアメリカに対し、利率二・二五パーセントで返済期間三十年という寛大な条件で、総額六〇億ドルの借款を提供するように要請した。

ソ連から要請がなされた一週間後、ホワイトはモーゲンソー財務長官に、ソ連に対してもっと巨額の借款をより寛大な条件で行うようにルーズベルト大統領を説得することを強く求めた。その内容は、総額一〇〇億ドルの借款を利率ニパーセント、返済期間三十五年で提供するというものであった。

ヴェノナ』 P211

結局この借款は国務省の反対でとん挫しますが、これ以外にも武器供与などさんざんやっていたわけですから、アメリカは全体主義をせっせと育てていたことになります。

韓国の太陽政策や、宝船と呼ばれた万景峰号で技術と金がバンバン北朝鮮に流れていた日本を彷彿とさせますね。

ちなみにソ連の核開発にはアメリカの技術スパイが情報を流して助けていました。そんなところも一緒です。

ホワイトが共産勢力のためにアメリカの政策を操ろうとした別の例として、アメリカの中国国民党政府への金借款がある。

アメリカ議会は一九四二年に中国国民党政府への五億ドルの借款提供を承認した。翌年、中国国民党政府はこの五億ドルの借款に加えて、二億ドルの金借款の提供をアメリカに求めた。

戦時下の中国では通貨インフレが急速に進んで経済に大きなダメージを与えていた。この金の供給は通貨を安定させ、危機的なレベルにまで来ていたインフレを抑えるためのものであった。

ルーズベルトは金借款の提供を認め、一九四三年七月にモーゲンソー財務長官は中国への金の提供についての誓約書に署名した。

ところが、ホワイトは、通貨調査部の部長であるフランク・コーと、中国に駐在する財務省代表であったソロモン・アドラーの助けを借りて、中国国民党政府への金の提供に反対し、モーゲンソーの理解を得てその実行を遅らせることに繰り返し成功したのである。

フランク・コーもソロモン・アドラーも全員スパイですね。

ホワイトらの反対の理由は、中国国民党政府における汚職の蔓延と経済改革の失敗をどうにかしない限り、借款は何の意味もなさないというものであった。

結局、二年後の一九四五年七月までに中国へ送られた金は二九〇〇万ドルだけであった。

一方で、この当時、年一〇〇〇パーセント以上のハイパーインフレによって中国経済は壊滅的な痛手を受けていた。一九四五年末に中国共産党との内戦が再開したとき、中国国民党政府はすでに非常に厳しい状態に追い込まれていたのである。

中国国民党政権内の汚職については、ホワイト、コー、アドラーの認識は正しかった。だが、第二次世界大戦の真っ只中、最も生産力のある地域を日本軍に占領されている中国の状態を考慮せずに、中国政府による財政改革の必要性を彼らは主張したのである。

これは金借款反対の合理的根拠といえるものではなく、単なる〝口実〟である。ホワイトらは代替案の提案を検討するふりをして、効果的に金借款の実施を遅らせたのである。

借款の実施を遅らせることを支持したモーゲンソーは、一九四五年中頃までに自分が誤った方向に導かれていたことに気がついた。モーゲンソーは、コーとホワイトらに対し、彼らが自分を非常に不名誉な立場に陥れたことは弁解の余地がない、と述べた。

しかし、モーゲンソーは、ホワイトらは金借款問題に真摯に取り組んだものの、対処を誤ったのだとしか考えず、ホワイトらの思惑が彼のものとは根本的に異なるということに気がつかなかったのである。

ヴェノナ』 P212-213

中国人など金の切れ目が縁の切れ目を忠実に履行する人たちです。給料もらえなくなったらパクれるものパクって田舎に帰るのが中国兵ですから。

その中国人で構成された国民党相手に、「年一〇〇〇パーセント以上のハイパーインフレによって中国経済は壊滅的な痛手」を与えることは、ほぼとどめを刺して毛沢東に中国を売り渡すに等しい行為と言えます。

この『ヴェノナ』の著者はこう述べていますが、中国認識がかなり甘いと言えます。

中国が毛沢東の手に落ちたことの原因は中国自体にあり、借款の妨害は主要な原因ではない。ホワイトとコーとアドラーは中国を共産化する大役を果たしたわけではなかったが、端役をこなしたことは確かである。

ヴェノナ』 P215

端役などとんでもない過小評価です。

主役食い気味の最優秀助演男優賞レベルと言えます。

最初は蒋介石の味方だったはずが、後ろから撃って毛沢東にとどめをさされることに加担したわけですから。

ヴェノナを知れば知るほど、なぜ今の日韓関係がまさに戦前の日米関係と瓜二つだと警笛を鳴らす知識人がいないのかと不思議で仕方ない。

保守の皆さんは、歴史に学べと連呼するわりには全然学んで教訓を活かせていないように思えます。

このヴェノナ文書ですが、それこそ韓国で読まれるべき本に思えます。何せ今まさに北の工作の被害を一番受けているわけですから。

ただすんなり受け入れるのは難しいでしょうね。何と言ってヴェノナ文書の周知徹底を邪魔するか予想がつきます。

右翼が戦前の日本を美化している!
自分たちが被害者面して加害責任をごまさそうとしている!!

間違いなくこういう主張で従北左翼を扇動し、ヴェノナ文書の拡散を邪魔するでしょう。目に浮かぶようです。

ヴェノナから教訓を得て、いい加減北朝鮮の情報扇動に踊らされないよう気を引き締めてもらいたいものです。

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