中国よりも北朝鮮こそ脅威 ~エドワード・ルトワック『米軍攻撃の鍵を握るのは日本だ』より~

要約するとこんな感じ。

  • 一連のトランプ外交、訪日は安倍首相との関係強化、訪韓は文在寅大統領に北朝鮮への資金提供をやめさせるため、訪中は習近平に北朝鮮との距離を保たせるためと経済問題。
  • 中国は米国の先制攻撃を容認している。
  • 米国は今のままでは動かない。米軍はリスクを取ることに非常に消極的。
  • 「すべてのオプションがテーブルの上にある」というのは、むしろ「こちらからは何もしない」という選択肢を選んでいるということ。
  • 日本が動かなければ米国は何もしない。
  • 日本が動くことでリアクションが起き、米中が動くことになる。
  • 「ソウルの脆弱性」がネックになっている。「北朝鮮問題」ではなく攻撃的な北朝鮮と自国の安全保障に無責任な韓国が半島に併存するという「コリア問題」
  • 「ソウルの脆弱性」のせいで、米軍は軍事的選択肢を大幅に失っている。
  • 自分(エドワード・ルトワック)も含め、1970年代後半に「ソウルの脆弱性」を改善する提案をしたが、韓国は40年間何もしてこなかった。
  • それどころか韓国は北に脅されるたびに金を払い続けた
  • 9月上旬にウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでロシア人はエドワード・ルトワック氏にこう明かした。「文大統領から『ハサン(北朝鮮に接するロシアの町)に露韓朝の三国で工業地帯をつくろう』という提案を受けた。さらに韓国の担当者は、『工業団地の運転資金として北朝鮮に資金を流せる』と話していた」
  • 韓国の大統領が一種のマネーロンダリングをしてまで、北にお金を払っている。
  • 北が核を持てば必ず日本を脅して、韓国に対するように日本から金を奪い取ろうとする
  • 日本は米国も中国も頼れず、韓国はあまりにも無責任。日本が動くしかない。
  • 「核ミサイルという北の脅威を除去する先制攻撃」は「攻撃」ではなく「防衛」。日本は防衛として核ミサイル基地を攻撃するか、金正恩に服従して生きるかという岐路に立たされている。
  • 北の核は断じて容認できない。北の核を容認し、日本も核武装する議論があるが無意味。なぜなら核抑止が効く相手ではないから。抑止は分別のある相手にしか効かない。(※これはまったくその通り。田母神氏の「一国のトップが気狂いであるわけがない」や、日本も核武装を検討すべきという主張がいかに無意味化が分かります)
  • 北の核・ミサイル施設の破壊に核兵器は必要ない。戦闘機を爆撃機に改造すれば事足りる。
  • 政府がそういう動きをすることで、中国側が「日本にはやらせたくない」となる。米国も「日本は本気だ。それなら同盟国の俺たちもやるよ」となる。(※本来これを韓国がやるべきだが”ソウルがヤバイんです”と責任放棄してるせいで日本にやらされることになりそう…)
  • 爆撃機を最初から作っては何年もかかるが、F15を爆撃機に変えるだけなら3週間もかからない。これをやって”本気度”を示すべき。
  • (池上)しかし、「敵基地能力の獲得」を日本の世論やメディアが簡単に許すようには思えない。(ルトワック)そんな不可能なことを政治かに求めるべきではない。公に議論すれば国論が二分され、日本が分裂する。そうなればワシントンも北京も「結局日本は何もできない」と判断されるだけ。
  • 日本政府がやることは行政的な手続きを進めること。部品の購入だけでも一つのシグナルになる。「本気だ」とワシントンと北京の専門家だけが分かるようにことを進めるべき。
  • (池上)北朝鮮も日本にやられる前にやろう」と先制攻撃をしてくるのでは?(ルトワック)北朝鮮にその能力はない。(池上)スカッドやノドンミサイルがある。(ルトワック)核弾頭さえなければ北のミサイルは脅威ではない。精度の問題もあるし、大きなリスクではない。湾岸戦争時にイラクからイスラエルに四十発のスカッドミサイルが撃ち込まれたが犠牲になったのは警報を無視してビーチを歩いていたカナダの旅行者と一匹の犬だけ。ミサイルは核弾頭がなければ無駄なもの。
  • 最も重要なのは、核ミサイルをもった金正恩の言いなりになって良いのか?ということ。北の核ミサイルは、ロシアや中国のそれとはまったく意味がことなる。北朝鮮は他国の海岸で人を拉致する。こんな国は他にはない。
  • 中国よりも北朝鮮こそ脅威(※これを理解できない日本人が多すぎる)
  • 習近平は党を完全に掌握した。しかし、その彼が掌握できるのも中国社会のごく一部でしかない。党大会で毛沢東思想、鄧小平理論、習近平思想などの思想が議論されたが「そんな思想なんか死んだネズミよりも使えない」と市民は感じている。
  • 「戦略以外はすべて劣るのに戦略だけは優れている」ロシアに対し、「戦略以外はすべて優れているのに戦略だけは劣る」のが中国。(※中国に対して戦略的だと思っている人がいますがありえないですね。「中国は千年単位で考えている」なんて言う人がいますが「千年後を考えて」など何も考えてないのと同義です。)
  • 中国は外交を分かってない。隣国すら理解できない。そのため周辺国を敵にして「対中包囲網」をが形成された。
  • 習近平は党内の独裁体制を強化したが閉鎖的なシステムほど外からのシグナルが入ってこなくなる。ロシアが立場をやや反中的に変えたことにも気づいていないだろう。
  • 日本に対して「中国はそれほど心配するな」と言いたい。それよりも北朝鮮の方が問題。(※だそうですよ田母神さん)
  • 中国に対峙するにはこれまでの戦後システムで十分だが、北朝鮮に対してはそうではない。従来のメンタリティを変える必要がある。
  • 日本は今ターニングポイントに立っていることを理解すべき。「戦後システム」とは米国の保護の下、軍事より経済が中心となり外交は「対米関係者」というもの。それが戦後七十年うまく機能してきた。
  • しかし、北の核ミサイルには「戦後システム」では不十分。

一部の保守言論人の意見とはだいぶ違いますね。

そりゃ中国も脅威と言えば脅威でしょうが、種類が違います。内ゲバの火の粉が周辺諸国に降りかかってくるタイプのものが中国の脅威です。もちろん予測不可能なので恐怖ではあるのですが、ある意味持ち回りです。今は韓国がもろに火の粉くらってます。

昔から一緒です。昨日はイギリス、今日は日本という感じで色んな国が中国の外国人排斥運動の被害を受けてますからね。

ルトワック氏のおっしゃる通り本物の脅威というのは北朝鮮でしょう。中国がヤクザ同士の抗争(国内の権力闘争)に巻き込まれるタイプの脅威だとしたら、北朝鮮は明確に銃で脅して金品や子供を奪っていくタイプの脅威です。

実際に文在寅大統領が脅迫に負けてせっせと金品を払っています。

まさかマネーロンダリングまがいのことまでして必死に北のご機嫌を取っていたとは驚きました。

個人的に誇りよりも生き延びるのが大事だと思っているますが、それにしてもひどい。

工業団地だって奴隷頭にみかじめ料払って、奴隷が産み出す富のおこぼれを韓国がもらう、みたいなものですからね。ひどいもんです。

これが民主化闘士の残念な姿です。

これを読むとトランプ大統領が「日本は武士の国だ」と言及したのは、日本が動くぞ!それでもいいのか!と中国に動きを促したのだということが分かります。

F35の購入も、その後の動きに注目ですね。予備役扱いになるF15を換装して爆撃機にする、ということをしれっとやりそうです。

F35はポンコツ戦闘機だという人もいますが(参考URL:「ポンコツ戦闘機」F35、こんなに買っちゃって本当に大丈夫?)、こういうのは総合的に見ないとダメでしょう。そもそも最新鋭の機体というのは訓練と一緒に改良しながら優良機へと変化していいくものですから。

それにしてもさすがエドワード・ルトワック氏。情勢分析から日本がやるべきことまで、様々な事例を交えて説明しているのにコンパクトにまとまっていて論理も明快。非常に勉強になりました。今月号はお勧めです。