コリアン・ポリティクスの徐台教氏Yahoo記事『韓国政府が朝鮮半島政策を発表…北との「平和共存、共同繁栄」を前面に』。
文政権の朝鮮半島政策が始まりそれが公開されたと紹介しています。(統一部HPでアップされた原文資料はこちら『★ 『문재인의 한반도정책』 설명자료 발간』)
政府発表の資料は、残念な内容のオンパレードでした。
内容その1:四つの問題意識
まず、今回発表した政策の背景となる問題意識についての説明が四つ出てくる。
一つ目は「国際社会の強い制裁にも関わらず、北朝鮮は核とミサイルによる挑発を続け、朝鮮半島はもちろん、世界の平和と安定の脅威となっている」との認識だ。
(中略)
ではどうするのか。冊子では「挑発と制裁、ふたたび挑発と続く悪循環を克服するためには、朝鮮半島の平和のための根本的な戦略が必要」という問題意識を投げかける。
やはり、誰もが思うところだろう。挑発と制裁の繰り返しが続く姿は、ここ数年の北朝鮮問題のトレンドとしてすっかり定着した印象がある(実際はもう少し複雑だが)。この文面からは、北朝鮮問題を解決する、終わらせるための道筋をつけたい文在寅政権の意気込みが感じられる。
「挑発と制裁、ふたたび挑発と続く悪循環」を断ち切りたいそうです。
まず出たしから事実誤認があります。
中国へのセカンダリーボイコットを含めた制裁で、北朝鮮はミサイル発射も核実験も止めました。制裁は効いています。
おかげ様で北朝鮮は「口だけ番長」と化しています。喜ばしいことに思えますが、どうやら文在寅政権は違うらしい。やはり愛する北韓には生き残ってほしいのでしょうか?
冊子では次いで、「文在寅の朝鮮半島政策」全体を貫く基調である「平和」についての説明が続く。
「平和こそが最優先の価値であり正義だ。繁栄のための土台であり、平和無くして何もできない。強い安全保障を土台に平和を守り、平和を作り上げ、平和を定着させることができれば、南北朝鮮が葛藤なく共存でき、統一の門は自然に開く」というものだ。
「平和が最優先の価値であり正義」とのこと。
北朝鮮からしたらとっても都合の良い主張です。「戦争するぞ!!」と脅せば相手は言う事聞いてくれるわけですから。平和を絶対化すればするほど、戦争になるくらいならお金払いましょう、となる。
何をもって平和と定義するかが問題のはず。核で威嚇され、お金を貢ぐ属国化が文在寅政権の言う平和なのでしょうか?
そして、本当に最悪と言える主張がこれ。
そして「北朝鮮核問題の解決のためには、北朝鮮体制の安全を考慮する包括的で創意的な接近」が必要だと続ける。
具体的には「南北間の相互尊重の精神と信頼に基づき、北朝鮮核問題を根源的・平和的に解決しなければならない」とする。
ここは大切なポイントだ。核問題と体制保持を切り離すという認識だ。「核が無くてもやっていけるよ」という点を北朝鮮の金正恩政権に認めさせ、納得させるということだ。
冊子ではさらに、これを担保するための「相互尊重」の一貫として「3-NO」を提示する。これは「北朝鮮の崩壊を望まず、吸収統一および人為的な統一を追及しない立場」のことだ。金正恩体制の保障だ。
どうやら己の安全のためには、金正恩が朝鮮人を奴隷支配することを認めるそうです。北朝鮮人民は生まれながらの奴隷として生きることを同じ民族国である韓国からも強制されるそうです。
本人たちはそのことに気づいていないのが救えない。要は自分たちの安全が最優先なわけです。そのためには隣人が奴隷として使役されても知ったこっちゃないんでしょうね。
己が一番大事。それが人間と言えば人間ですが、そうれならそうとハッキリ言うべきでしょう。「平和」という美しい看板で誤魔化さずに。
次も理解不能。
三つ目の問題意識は「政権が変わると、北朝鮮政策が断絶し、南北間の合意が守られなくなることで、南北関係も浮き沈みすることを繰り返している」というものだ。
え?韓国の政権交代のせいで南北間の合意が守られなくなるんでしたっけ?北がとれるもんとったら北朝鮮が一方的に合意破棄して挑発繰り返してきたのが原因だと思ってましたが?
この辺は、日本が姿勢を変えれば相手も変わると思っている日本のリベラルと思考回路が似てますね。
他にも、平和共存と共同繁栄という青写真を提示しています。
(次ページに続く)