このまま韓国側が協議にも応じず、徴用工訴訟団の要求通りに日本企業の資産が差し押さえられ、現金化&被害者への清算が実行されたらおそらく日韓関係は破綻するでしょう。
日本は日韓基本条約の一方的破棄と判断するはずです。
反アベの皆さんが、一生懸命韓国を擁護して「仕方ない」「関係悪化は避けよう」と大人の対応を呼びかけるでしょうが、対抗措置と言う名の対韓経済制裁が始まる可能性が高まります。
少なくとも韓国が困った事態になっても、助けようとする行動は一切出なくなるでしょう。
何か起きても国民全体が「ざまあみろ」くらいにしか思わなくなったら、日韓の精神的断交が常態化したと評価できそうです。
まぁ今のところそこまで国民全体で関係が悪化する可能性も低い。
ヤバいヤバイと嘆いているだけでは能がないので、解決策を提言してみたいと思います。
戦略目標は、「司法”積極主義的”な2012年の大法院判決を、司法”消極主義的”な判決に上書きする」ことです。
これが勝ち取れれば韓国の凶悪な市民団体に国家間外交が振り回されることも減るでしょう。
そのプロセスは以下の通り。
- 協議要請をひたすら行う。
- 断らないよう、水面下で「資産差し押さえと清算手続きに進んだら、強力な対抗措置を行う」と最後通牒を突き付ける。(具体的には韓国系企業の資産差し押さえと、代替え不可能な素材・部品・製造装置の禁輸)
- 協議開始。ちんたらちんたら進める。
- おそらく訴訟団がしびれを切らして、裁判所に資産差し押さえと現金化の執行を提訴する。
- その時に文政権が要請し、裁判所で「外交交渉中であり、外交は政府の管轄権なので司法は関与しない」という判決を出してもらう。
ここまでやれたら戦略目標達成です。山を越えたと言えるでしょう。
朴槿恵前大統領の司法介入疑惑で色んな人が捕まってますが、あれは水面下でこっそり裏取引をしていたから問題なわけです。
堂々と「外交は政府の専権事項であり司法が判断を下すことは控えてもらいたい」と意見具申すれば問題にはならなかったはずです。(支持率は落ちたかもしれませんが)
アメリカだって政府から独立している組織に意見を言うことはやっています。
FRBにトランプ大統領が「利上げは狂ってる!やめろ!」と圧力をかけていますが、FRBへの不正介入とは言われていません。
FRBも「うちらは独立した組織だ。政府の介入は受けない」とはねつけています。
しかし、その大統領発言は利上げの判断に影響を与えています。
朴槿恵元大統領の問題は、世論の反発を恐れてこっそり圧力をかけ、言うこと聞いてもらう代わり色んな利益誘導をやっていたことが問題なわけです。
堂々と意見を言う分には問題はないはずです。
それを国民がどう評価するか次第。
政治家を罰するのは国民の投票です。
もし文大統領に日韓関係を管理する意思があるのであれば、この路線に乗るべきでしょう。
徴用工問題の決定権を司法から政府に戻し、日韓協議で落としどころを探る。
司法判断を行政の外交権に介入する、”司法積極主義”的な姿勢から、”司法消極主義”へと転換させます。(※司法積極主義(しほうせっきょくしゅぎ)とは、司法、特に最高裁判所が憲法判断により法令を拡大(過大)解釈することによって事実上の立法や行政の機能を果たすことを言う)
このアグレッシブな司法権の発動のせいで、外交が振り回されたわけですから、司法消極主義に切り替えることには反対しないでしょう。
だいたい法律に書かれている通りに運用したら、北朝鮮と外交交渉すること自体が違法になります。韓国の憲法では半島唯一の政府は韓国のみで、北半部には国土を不法占拠している武装集団がいるだけなわけです。
韓国の保守団体が、「北朝鮮と平和条約を結ぶ=相手を国家承認」することだ!許せん!と憲法裁判所で訴訟を起こし、最高裁判事が憲法に書かれている通りに判決を下したら違憲になるでしょう。
そういう面倒なことにさせないためにも、司法積極主義から司法消極主義への転換は必須です。
この「司法は外交に介入すべきでなはない」という判決が出れば、あとはいくらでももめ続ければいいと思います。10年後に結果が出ればいいね、くらいのノリでちんたらちんたら日韓で外交交渉を続けます。
確実に「被害者が死去する前に保障すべし!」という声が原告団から出てくるでしょう。その時は「協議結果が出るまで時間がかかるので、ひとまずは韓国政府が立て替えます」ということでお金を出します。
支払う相手も、テレビにで良く出ているおじいちゃんやおばあちゃんだけで良いでしょう。「生きている間に」という理由で支払っても良さそうなのはその人くらいですから。
そもそも判決は精神的苦痛に対する慰謝料の扱いなわけですから、当事者でもない遺族に「精神的苦痛に対する慰謝料」を支払う義務はないでしょう。
そういう連中は無視するに限ります。
そこまでやれば、後は元徴用工のおじいちゃん、おばあちゃんたちが死去するまで延々協議を続け、大多数の一般国民が興味を失ったころに「請求権協議で解決済み、韓国政府が支払う」という従来の立場を再確認する判断を下して処理すればこの問題は終了です。
これが一番穏便な解決方法です。
ただ、その可能性は非常に薄い。
もしやるなら、このシナリオで進めるぞと日韓両政府に暗黙の了解と阿吽の呼吸が必要になります。
が、そんな関係性は微塵もない。
一番可能性が高いのは「韓国政府も困っている」「政治問題化は良くない」「日本の政治家は強硬な発言は控えてほしい」と言いながら、対案を出すこともなく、日本政府の協議要請にも応じず、「検討中」で延々時間稼ぎをすることでしょう。
文政権の対日外交は一貫しています。
「放置プレイ」「無関心」「スルー」
これらの言葉で表せます。
これは積極的に「反日」してないから良い、ということではなく「積極的に何もしない=反日市民団体の好きにさせる」ということです。外交関係などまったく気にしない、原理主義的な反日市民団体が大暴れするということです。
訴訟の判決やメディア報道などに好きにやらせ、そのことについて自制を呼びかけることもなく、ほったらかしにする。
これが文政権です。
北朝鮮の過去の数々の蛮行には理解を示すよう国民を必死に説得するのに、日本には冷たいもんです。
よく「文在寅=反日」ではないという意見も聞きますが、それは正確ではなく「積極的に日韓関係を良好に保つよう努力しない」というのが的確で、こういう別の形の「反日」です。
この新たな形の反日の結果、日本の協議要請も無視し、延々「検討中」で韓国側の対案も出てこず、その間に訴訟結果が出て原告側の言う通りにことが進む。こうなる可能性が一番高いです。
そうさせないためにも「全部無視したらこういう対抗措置(=制裁)を本気でやるぞ」と早めにチラつかせることが大事です。
本気の対抗措置=韓国経済を破壊するレベルの経済制裁です。(※具体的には後述します)
本気の対抗措置をチラつかせ、協議に応じてもらい、訴訟の進展も凍結してもらい、司法積極主義から司法消極主義に転換する判決を出してもらう。
これが実現できれば、徴用工問題が沈静化する可能性があります。
しかし、出来なければ本当に制裁の応酬にまで発展するかもしれません。
今のところその可能性が一番高そうです。