徴用工問題:日韓請求権協定に従った協議要請 このまま並行性なら最後は制裁の応酬

徴用工(日本側に言わせれば募集工)裁判で、新日鉄の資産差し押さえ申請が認められました。

それを受けて日本側が日韓請求権協定 第3条に従って、韓国側へ協議を要請。

まずは外交的な解決を模索する模様です。

 

順調に悪化していますね、日韓関係が。

金正恩は笑いが止まらないでしょう。

このまま日韓協議が平行線に終われば、3月1日の「三・一独立運動 100周年」という記念日に資産差し押さえが執行され、南北の反日民族主義者の皆さんが手を取り合い、涙を流して喜び合うことでしょう。

困ったことに、かなりの高確率でそうなりそうです。

去年の10月30日に、文大統領がこの件を李洛淵(イナギョン)首相に丸投げしましたが、ずーっと検討中で何の対策案も出てきていません。

つまり手詰まり状態ということです。

日韓請求権協定に従って協議を要請していますが、韓国政府が受諾しても、日本が譲歩する可能性は少なく、「韓国国内で処理してください。日本企業に迷惑をかけないでください」という要求を日本が韓国に延々と求めるだけの協議になるはずです。

では韓国政府はどうしたいのか?

簡単です。

「この問題が沈静化するなら何でもいい」

これでしょう。

「こうしたい」という主体性は皆無です。

「日本を叩きたい」「日本に復讐したい」「日本相手なら何をしてもいい」という「反日情緒」が根底にあるという説明もよく見受けられますが、もはやそんな気合の入った理由でもありません。

もし被害者団体が、韓国政府と韓国企業からの保障で納得してくれるなら韓国政府は喜んで金を出すでしょう。

しかし、それでは被害者団体は納得しません。

そもそもそれで納得しなかったから訴訟が起きて、今の状態になっているわけですから。

日本からの賠償と謝罪を受けるまで、絶対納得しないでしょう。

仮に日本側が賠償と謝罪に応じたとしても、慰安婦問題の時のように法的には認められず、道義的な対応となります。

慰安婦問題の時と同じように、アジア女性基金の徴用工版ができて、小泉首相の慰安婦への謝罪の手紙と同じようなものを元徴用工の皆さんに出したとしても、彼らは納得しないでしょう。

どうせ日本の保守層からの反発の声を取り上げ「謝罪の真正性がない」「妄言を繰り返している」「反省していない」と言い出し、また元に戻るだけです。

もしかしたらうまくいくかもしれませんが、慰安婦問題での失敗の経験から、同じことを繰り返すだけだと日本国内での反発が強くて実行不可能です。

もめにもめて朴槿恵政権下で慰安婦合意を結んだ結果出来た財団も、今では解散して跡形もありません。

韓国側が「両国の政府と企業で財団を作り、被害者に保障していきましょう」と言ったところで、「あんたら国家間で合意を結んだのに慰安婦財団の解散したでしょ?同じことを繰り返す気ないよ」と日本側は思うでしょう。

もはや日本側に「何かをする」気はまったくなく、韓国側で処理するしかありませんが、それが出来るかというとそれも怪しい。

やれるとすれば、韓国政府と韓国企業が財団をつくって被害者に保障することですが、それで被害者団体が納得するとも思えない。

そうなると、韓国政府が強権を発動して司法判断を変えさ、被害者団体を敗訴させるしかありませんが、そんなことをしたら支持率が急落するでしょう。

司法壟断とさんざん前政権を批判し、積弊清算の名のもとに粛清を繰り返している現政権が同じことなどできません。

残された道は、「流れに身を任せる」しかありません。

なんら有効な手を打てなければ、3月1日に資産が差し押さえられ、現金化され、被害者団体で山分けされるされることでしょう。

韓国政府の理想としては、もしそうなっても日本から文句が出てこず、この問題が収束することとでしょうが、そんなことはありえません。

このまま進展すれば、おそらく「”韓国国内で処理せよ”と言うんだから、韓国国内で商売している新日鉄に賠償を”司法”が命令しているだけだ。文句を言うな。主権侵害だぞ」という論理で韓国は押し切ろうとするでしょう。

韓国国内に対してはそれで通じるでしょうが、日本側が納得することはなく、一般人の対韓感情も悪化します。

日本政府が韓国に経済制裁を実行しても、安倍政権の支持率が下落することもなく、むしろ上がるかもしれません。

日韓協議が破綻し、第三国を交えた仲裁委員会でも合意できず、国際司法裁判所でも解決しなければそうなると思います。

希望があるとすれば、仲裁委員会と国際司法裁判所でしょうか。

二国間の協議はほぼ100%平行線で破綻間違いなしです。しかし、第三者がからめば、韓国政府は責任転嫁できますし、日本側も譲歩する余地が生まれます。

どうも嫌韓ネトウヨの皆さんは、第三国を交えた仲裁委員会や、国際司法裁判所で100%日本の主張通りで勝てると思っているようですが、そううまくはいかないでしょう。

基本日本側の言い分が認められると思いますが「法的な賠償責任はないが、日本の積極的な関与が望ましい」みたいな一言がくっついてくることは間違いありません。

鬼の首を取ったようにその一言を高く掲げ「日本も何かやってくれ」と韓国が要求し、日本の左派の皆さんが「日本も何かすべき」と大合唱を繰り広げます。

その時になって初めて、両国政府と企業による2+2の基金設立はありえるかもしれません。

個人的にはそれでもかまいません。

大事なのは、仲裁委員会や国際司法裁判所という場で徹底して議論し、白黒つけることです。

そのうえでの基金設立&賠償清算なら良いと思います。

問題は、そんな時間的余裕があるかどうかです。

ちんたらやってたら市民団体はどんどん訴訟を起こして圧迫するはずです。

韓国政府が訴訟団や司法を説得できれば良いですが、日韓の外交なぞ無視して、新日鉄や三菱の資産を差し押さえして、清算を始めるかもしれません。

そうなったらお終いですね。

日本から韓国への対抗措置が発動し、対韓経済制裁が行われるでしょう。

そして、これ幸いと文政権は絶不調の韓国経済の責任を日本に転嫁すること間違いなし。

こうなったらマジで日韓断交になるかもしれません。

そうならないことを祈りますが、さてどうなるか。

まずは韓国が協議要請に応じるか?

応じたとして、3月1日の資産差し押さえを被害者団体がいったん止めるかどうか?

それが大きな分かれ道になりそうです。