脱北者の証言 PBSニュースより

アメリカPBSニュースで脱北者の証言が報道されていましたので文字起こしをしました。

(アナウンサー)
先ほどもお伝えしたように、トランプ大統領は北朝鮮の金委員長を称賛しています。
そして核の問題は70年にわたる北朝鮮の人権侵害より重要だと強調しました。外交問題担当のシフリー?記者が、北朝鮮における人権問題について二人の脱北者に尋ねました。ご覧ください。北朝鮮国民2500万人のうち3万人が脱北者となり今も体験談を語っています。SUNGJU LEEさんとJI SEONG-HOさんもそんな体験の持ち主です。

 

(SUNGJU LEE)父は北朝鮮の軍幹部でした。私は平壌で生まれ父は金日成主席のために働いていました。金日成主席の死後、2代目の指導者金正日氏が体制を立て直そうとしました。そんな頃父が北朝鮮には希望がないと発言する政治的なミスを犯してしまい、私達家族は地方に追放されました。

平壌にいる時、北朝鮮は世界有数の素晴らしい国と教えられました。しかし、第二の住まいに向かう貨物列車の中で、多くの物乞いに出会いました。多くの子供が食べ物をねだっていました。そこで父に聞きました。「お父さん、いったい僕たちはどこにいるの?」って、すると父は「これが北朝鮮の現実だ」と言いました。

(JI SEONG-HO) 親愛なる指導者のおかげで幸せなのだから、感謝を忘れるなと常に言われていました。周囲の現実で気づくまで、信じていました。身の回りで多くの人が飢餓に苦しみ死んでいきました。子供の頃祖母が餓死しました。列車の石炭を盗んでは食べ物と交換していましたが、ある日列車から転落し、手と足を失いましたこの通りです。

(SUNGJU LEE)
空腹でも父に学校に行かされました。ある日校長が運動場に子供を集めて、全校で公開処刑場に見学に行くと説明しました。工場から銅を盗んで、中国に密輸していた男が、3人の警官に9発の弾丸を撃ち込まれました。

それから中国で韓国の宣教師と会い、大逆罪?のかどで捕らえられた女性も、同じく9発打たれました。父が食べ物を調達しに中国に行くと言ったので、危険だから行かないでと止めました。公開処刑を見たからです。

(記者)お父さんは帰ってきましたか?

(SUNGJU LEE)いえ、帰りませんでした。母も家を出ました。それが母を見た最後でした。それ以降は一人で生きていくしかありませんでした。一人っ子でしたから。友人を集めて私を入れて7人の集団を作りました。

(記者)ギャングみたいなものですか?

(SUNGJU LEE)そうです。他にもたくさんありました。多くの子供たちが力を合わせて自衛しなくてはならなかったんです。

(解説)祖父がそんなLEEさんを発見し、韓国に逃がしてくれました。一方、体の不自由なJIさんの逃亡の旅は長く苦しいものとなりました。ラオス・ミャンマー・タイを経て6000キロの旅の果てにようやく韓国で保護されました。3ヶ月以上かかりました。松葉杖でラオスのジャングルを歩いていた時、あまりの辛さになんで自分は北朝鮮に生まれなければならなかったんだと泣きました。でも自由を探す旅を始めたのですから、もし安全に韓国までたどり着けたら、私と同じ苦しみを誰にもさせないと誓いました 。

(トランプ)もう一人、証人をお呼びしています。JI SEONG-HOさんです。

(解説)彼の旅は、2017年の一般教書演説の行われた連邦議会まで続いていました。彼はトランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が会談を評価していますが、人権についても協議すべきだと考えています。米朝サミットが一回限りではなく、継続されトランプ大統領が北朝鮮の人権問題も取り上げてくれるように希望しています。

(SUNGJU LEE)核開発と人権を切り離すことはできません。アメリカは自由・民主主義・人権と言う価値に根ざしています。アメリカ国民は、こういう価値観と、同時に義務感を持っていることが、素晴らしいと思います。つまり、それは自由で、民主主義も、人権も守られているということは、同時にその価値を持たない人と、その価値観を分かち合いはなくてはならないということです。

(解説)この数年北朝鮮は、個人事業を認めるなど自由化を進めてきました。SUNGJU LEEさんは、これで国が変わると言います。市場を通じて、新しい世代が台頭してきています。新しい社会階級です。こういう人が増えれば、北朝鮮に変革の時代が訪れるでしょう。

(記者)SUNGJU LEEさんと、JI SEONG-HOさんは、脱北者の保護に尽力し、全米民主主義基金賞を受賞しました。しかしSUNGJU LEEにとって、誰より大事な脱北者がいました。お父さんがご存命だと知ってどう思いましたか?

(SUNGJU LEE)韓国で父に会いました。言葉を失いました。涙が止まりませんでした。文字通り言葉はいりましせんでした。ただ泣くばかりでした。父が歩み寄って手を差し伸べ、「息子よ、悪かった」と言いました。そして二人で泣きました。

(記者)父親と再会を果たした後、今度は南北統一に力を注いでいるのはなぜですか?南北統一はどんな意味があるんですか?

(SUNGJU LEE)家に帰る唯一の方法です。私の個人的な考えですが、統一は政府のためではなく、朝鮮半島に暮らす人々のためです。

(解説)それが実現するまでは、北朝鮮は人権乱用、ミサイル・核開発を進める、閉ざされた独裁国家であり続けるでしょう。

以上、文字起こし終了。

脱北者に一貫した意見として、北朝鮮の人権問題を最重要視していることです。当事者たちの意見を無視すべきではないでしょう。

そもそも核放棄したところで、あの凶悪な体制が維持されていては脅威はなくなりません。

「体制保証」という言い方でお茶を濁していますが、北朝鮮の言う「体制保証」とは「これからも人権蹂躙続けるけど文句言うな」ということ。

そんな要求を飲めるはずもない。

隣国の「管理された虐殺」を「平和」の二文字で黙認するような真似はすべきではないでしょう。

北朝鮮との外交交渉には、相手がどれだけ嫌がろうが必ず人権問題に触れていくべきだろうと思います。それなくして北朝鮮が良くなることはありえません。