金大中の黄長燁に対する扱いとメディアへの言論弾圧『金大中 韓国を破滅に導く男』

過剰なまでの南北和解の演出に、信じたいものを信じるという人間の弱さがモロに出ている状況です。

韓国での金正恩への信頼度が急上昇。金大中と金正日の南北会談後をトレースしているかのようです。

あの時も、金正日に対して気さくだとか、思ったより普通だとか、その手の報道が乱れ飛んでいました。

金正日から金正恩へと人自体が変わってますから、「今度こそ!」という期待を抱きたくなるのは分からんでもない。

大事なのは同じ過ちを繰り返さないことでしょう。

そのためにも、金大中時代の問題点を振り返りたいと思います。

 

金大中の過ちその1は、金正日に騙されるなと言う声を抑えつけたことです。

特に問題なのは脱北者と、反北的なメディアへの言論弾圧でしょう。

金大中 韓国を破滅に導く男』P50-52

〇「黄長燁リスト」「李大成ファイル」に怯える

第十五代大統領選挙を十ヵ月後にひかえた一九九七年二月、北朝鮮指導部の序列二十六位で、朝鮮労働党の国際問題担当書記であった黄長燁が、秘書役の金徳弘〔労働党資料研究室副長〕とともに、日本訪問の帰路、北京で韓国大使館に亡命した。北朝鮮は当初、これを拉致事件としたため紛糾したが、フィリピンを経由して同年四月、黄書記はソウルに入った。

彼がソウルに来るとすぐに、いわゆる「黄長燁リスト」があるとの噂が流れた。彼が北で承知していた韓国内の親北・反韓人物、すなわち韓国の要人のうち北朝鮮に抱き込まれ、それぞれの分野において北の利益のために活動している、固定間諜の名簿である。その人数は二百人以上だ、いやトップレベルの三、四十人ほどだと諸説あった。そしてそのトップに、金大中の名前が記されているというおひれがついた。なぜか日本ではあまり報道されなかったようだが、韓国では十分にありうる話だともちきりとなった。

その六月には、米CIA〔中央情報局〕の要員二十名が来韓し、黄長燁の事情聴取をしたが、その内容がいっさい漏れなかったので、噂が噂を呼ぶことになった。そもそも、そのようなリストがあるのではないかとの噂の出所としては、彼の身柄を押さえていた安企部しか考えられないし、彼らがないものをあるという必要もない。

亡命者が持参したスパイリスト。そこに自分の名前があるかも?などという噂が流れればそりゃあビビるでしょう。

まぁ反朴正煕運動のために、力を貸してくれるから利用しただけで、さすがに金日成に忠誠を誓ったわけではないだろうとは思います。しかし、北朝鮮に政治生命を終わらせることができる色んな証拠を握られている可能性は高い。

私の勝手な予想ですが、文在寅政権に代わってから融和路線に切り替えたのは、文在寅政権や共に民主党を政治的に終わらせることができるネタを握っているからだろうと思っています。

何せ親北スパイが過去にガッツリ入り込んでいた過去があるわけです。人間みんながみんな清廉潔白でもないですから、セクハラ問題で失脚した安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事のような人もゴロゴロいるでしょう(与野党問わず)。

北朝鮮にとって文在寅政権が都合が悪くなれば、その手のネタを暴露して支持率を低下させ、支持率UPのために南北会談で北朝鮮に譲歩しようとさせるだろうと思います。

北にとって韓国ほど与しやすい相手もいませんね。

金大中はこの噂に敏感に反応した。「黄長燁リスト」は本当にあるのか、あるとすればその内容はどういうものかを探るため、彼は在韓アメリカ大使館付CIAのチーフB氏に接近した。金大中はB氏の自宅を訪ねて夕食をともにし、その席でCIAが黄長燁から何を聞いたのかを尋ねたが、むろんB氏は一言も漏らさなかった。

それでもあきらめず、金大中は自宅にB氏を招いて晩餐をともにした。ここでも彼はリストの件を執拗に尋ね、耐えかねたB氏は、「私は何も知らない。ただ、最近の新聞を見ると、貴国の国会情報委員会で權寧海(クォン・ニョンヘ)安全企画部長が『黄長燁リスト』はないと答弁している。私か知っていることはそれ以上でも、それ以下でもない」と述べた。

翌朝、金大中は記者会見をおこない、「アメリカのCIA筋によれば、『黄長燁リスト』なるものはないと確認された」と発表した。B氏は金大中の巧みな歪曲に愛想をつかし、その後韓国の政治家とはいっさい会わなくなったという。

しつこく聞いて、ポロっと言った言質を使って、記者会見で発表。大々的にメディアに報道されてしまえば、いくら反論しても焼け石に水。こういうやり口はいかにも韓国左派って感じです。

たしかに亡命者の証言を評価するにはむずかしいものがあり、黄長燁の場合もさまざまな意見がある。情報関連の元老である金鍾泌は、黄長燁は韓国でいえばソウル大学の総長のような学究の人であり、いくら序列二十六位でもその情報には大きな限界があるとしている。しかし、金大中政権が彼をどう扱ったか、またアメリカが彼に何を望んでいるか、から推察すると、対北協力者リストはさておき、何か重大な情報を抱えているとしか思えない。

金大中政権は黄長燁を軟禁状態におき、彼が北朝鮮に残してきた家族と、電話で話させるという惨いことをして、心理的な圧力を加えた。さらには一緒に亡命してきた金徳弘と切り離した。金徳弘は北朝鮮にたいして強い姿勢を隠さなかったが、女性スキャンダルの噂が流れ、いつのまにか居所すらわからなくなってしまった。

ここが本当に最悪で。軟禁ですよ、軟禁。これが人権を大事にする左派大統領の実態ですよ。「北朝鮮に残したご家族のことが心配でしょう」と善人面して電話で連絡を取らせて圧力をかける。こいつは北の手先か?と言いたくなります。

文在寅大統領も脱北者の人権を無視していませんよ!というポーズのために、離散家族再会事業に脱北者も入れてくるかもしれません。

もちろん再会できるのは北朝鮮が選んだ脱北者のみ。きっと収容所から出れた人や、対北朝鮮強硬派の脱北者家族は除外されることでしょう。

メッセージは明確。「家族に会いたかったら黙れ」「南北融和ムードに水を差すな」ということ。

国際社会から脱北者の人権問題で突き上げくらったら、きっとこれをやるでしょうね、文在寅大統領と金正恩は。

また、度重なるアメリカの訪米要請を、政府は拒否してきた。亡命直後にアメリカは、黄長燁の抱えるすべての情報を入手しているはずだ。にもかかわらず、再三訪米を求めているということは議会なり権威ある研究所で黄長燁に証言させたいのである。それによって北朝鮮を包囲する世界的世論を形成したいと考えているにちがいない。なぜ韓国はそれに抵抗して、黄長燁に出国許可を与えてこなかったのか。これまた金大中政権の謎の一つである。

北朝鮮包囲網を形成するために脱北者に証言させたトランプ大統領と、ダンマリの文在寅政権。本来は同族同胞のために文在寅大統領がやらなければいけないことのはず。

慰安婦ハルモニがトランプと抱き合った韓米の晩餐会に、脱北者が招待されていましたが、あれも招待したのは米国側で韓国政府ではないというオチ。文政権もちゃんとやってるのかと思ったらがっかりですよ、ほんと。

文政権の脱北者への態度は金大中大統領の黄長燁氏への扱いと似たり寄ったりになることでしょう。

金大中政権を怯えさせたもう一つのものが、前述した「李大成ファイル」である。このファイルを作成した李大成は、一九八〇年代から十年ほど在日大使館で参事官、公使をつとめた。帰国してからは、金泳三政権の下で安企部の北韓室長となり、そのとき韓国国内にある北との地下コネクションを調査しまとめたものが、このファイルである。私もふくめて部外者でこれを閲覧した者はいないはずだが、「安企部が金大中を政治的に葬り去るために作ったものがあるそうだ」という噂は流れていた。

一九九七年十二月、金大中が当選すると、安企部の幹部がこのファイルを与党となった新政治国民会議に持ち込んだ。新政権に忠実であることを示したかったのか、それとも何かの取引材料にしようとしたのか、その真意はわからないし、持ち込んだのがいつだったかも謎である。ただし、ファイルに目を通したという与党の顧問の一人は、「驚愕すべき内容」「驚天動地の内容」といって驚きを示した。

やっとこさ大統領になれた金大中からしたら、きっととんでもない内容だったのでしょう。見た人が「驚愕すべき内容」「驚天動地の内容」と驚いたわけですから。

信じがたいのがこの件の扱いです。

この騒動の結末がどうなったかといえば、安企部が国家情報院に改組〔1999年1月〕された直後、李大成をはじめとするファイル作成に関与した七人が機密漏洩と名誉棄損で告発され、李大成は有罪となって服役することとなった。前述のようにこれについて質問した結果、起訴された私は、とばっちりを受けた一人ということになる。国家機関が作成した一七四ページの文書に、なぜ金大中政権はそこまで反応しなければならなかったのか、そこに巨大な闇を感じさせられる。

恐ろしいですね。都合の悪い情報を持ってきた情報組織を組織ごと潰して、関与した連中を牢屋送りです。

これが国家権力の弾圧でなくて何なんでしょうか?

この前例に見ならったのか、二〇〇三年八月十三日、盧武鉉大統領は、野党ハンナラ党の金文洙議員と『朝鮮日報』『東亜日報』『中央日報』『韓国日報』の四紙を相手どった損害賠償請求を、ソウル地方法院〔裁判所〕に提出した。金議員は、大統領、その実兄、前後援会長らが所有する土地や選挙資金の流用をめぐって疑惑があるとしていた。盧大統領はこれにたいして、信憑性のない金議員の主張を報道することによって、自身の名誉に大きな損害が与えられたと主張し、金議員に十億ウォン、四つの新聞社にはそれぞれ五億ウォンの賠償を請求したのである。

ちなみに政府に批判的な「チョ・ジュン・トン」〔『朝鮮日報』『中央日報』『東亜日報』の頭文字の音をとったもの〕三紙は、金議員の提起した疑惑をことごとく報じたが、親政府紙と見られている「ハン・キョン・テ」〔同じく『ハンギョレ新聞』『京郷新聞』『大韓毎日』の頭文字の音をとったもの〕はさほど詳しく報じなかった。

例えるなら、森友加計問題で安倍総理が野党議員と朝日新聞などのメディアを相手に訴訟を起こすようなものでしょうか?

こんなことを日本でやったら弾圧の大合唱が巻き起こること間違いなしです。

それをやったのが盧武鉉大統領です。そして最側近が今の文在寅大統領です。

文在寅大統領も似たようなことやってます。

脱北者は大手メディアから干されだしてますし、野党への圧力も露骨です。朝鮮日報でも2018.03.31に『【社説】韓国警察の野党弾圧、独裁政権下より露骨で暴力的だ』という記事が出ています。

国情院も捜査権ははく奪され、ただの情報収集組織へと改編が進められています。

国家情報院が29日、「対外安保情報院」に名称を変え、職務も「国外」と「北朝鮮」情報の収集に限定する内容の法改正案を出した。人権侵害論議をかもしてきた対共産主義捜査権を廃止し、政治介入と不法査察の余地をなくすために国内の保安情報収集権限まで放棄したことは評価に値する。これまで幾度もの法改正にもかかわらず、政治工作の口実を提供してきた問題条項に大幅に手を加えたという点で、歴代最も進展した改正案と見える。

[社説]国家情報院「捜査権廃止」、政治工作体質も同時に変えるべき

やってることは、金大中時代と一緒。

対北朝鮮防諜体制を無力化して、どうぞ浸透工作仕掛けて韓国を赤化してくださいと言わんばかり。

文在寅大統領も同じ道を歩んでいるようです。

同じ過ちを繰り返さないためにも過去に学んでいると思いたいですが、、、。

北朝鮮が中身のある行動をしない限り、安易な妥協をしないよう祈るばかりです。

 

※下記の書籍を読めば読むほど、今のことを書いているのかと錯覚してしまうこと間違いなし。おすすめです。