いまだに元帥様への忠誠があふれている朝鮮新報ですが、いかにろくでもないメディアなのかよくわかる記述があったので紹介しておきます。
私は一九八五年の平壌公演の後、日本で朝鮮総連の機関紙である「朝鮮新報」の取材を受けたことを思い出していた。
取材に現れた記者は、私の高校時代の同期生だった。
インタビューをする記者が同期生ということもあって私は、記事にする前に内容をチェックするという約束で取材を受け入れた。初めての北朝鮮での公演について、私は正直に感想を述べた。
しかし、事前連絡もないまま新聞に掲載された記事を見て、私は驚愕した。
私の写真と平壌公演を紹介する記事には、私が話したこととは全く違う内容が載っていたのだ。記事は私か「偉大な首領金日成主席と親愛なる指導者金正日同志に忠誠を誓う」という内容になっていた。それだけでなく内容的に全くの捏造と言えるものだった。
記者に文句を言ったが、「ミアナムニダ(すみません)」と笑っているだけだった。怒りが込み上げてきたが、後の祭りだった。
『海峡のアリア』 P140-141
同級生を使って警戒心を解き、あたりまえのように大嘘の捏造記事を書いて、「どうもすみせん、てへっ」で済ませるのが朝鮮新報です。
さすがは、人間を高射砲でひき肉にする相手に朝鮮学校の子供の命を預け、その狂人を褒め称えさせるという蛮行を素晴らしいことだと平気で書くだけあります。
良心が腐っているのでしょう。同級生を陥れることも平気でやりますよね。
『海峡のアリア』は、オペラ歌手の田月仙さんが書いた著書です。これも在日の苦しさがよくあらわれている本です。
お母さんの金甲仙(キム・カプソン)さんや、大物工作員の辛光洙(シン・グァンス)に利用されてしまった朴春仙(パク・チュンソン)さん、そういった人たちの勇気ある証言でできた団体が「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」や、「RENK(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)」です。
そういう活動をず~~~~っと邪魔しているのが、朝鮮総連ですが、貶め方が最悪です。
そのやり口がこれ。
子供がかわいくジャンプする表紙の、朝鮮学校を擁護する本でこう書いています。
また、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」という団体は、当初は脱北者支援を中心に活動していましたが、二〇一〇年以降「朝鮮学校バッシング」に力を注ぐようになりました。高校無償化からの朝鮮学校除外、さらには地方自治体による朝鮮学校補助金のカットを求め、東京、大阪、神奈川、千葉、埼玉、広島などの都府県で現実化しています。
二〇一二年末の総選挙の結果、自民党・公明党による第二次安倍晋三政権が登場すると、早速、「高校無償化」制度からの朝鮮学校除外を断行しました。
「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「朝鮮人首吊レ 毒飲メ 飛ビ降リロ」などのヘイトスピーチが、東京・新大久保や大阪・鶴橋などの街頭で吹き荒れるようになったのも同じ頃です。それらは主に「在日特権を許さない市民の会(在特会)」という団体によるものです。
この辺の印象操作が本当に最悪です。
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は学校バッシングをやりだした。
安倍は無償化に反対した。
その後にすぐ在特会を持ち出してきます。
まるで在特会やヘイトスピーチは「守る会」や「安倍」のせいだ、と言わんばかりです。
こいつらはこういう印象操作を平気でやります。子供を平気で己の利益のために利用するのが信じがたい。
それもかわいい子供を表紙に使った本でこういう外道なことをやってくるわけです。おかげさまで「守る会」はヘイト団体だというデマが流通してますよ。いいようにやってくれます。本当にいまいましい。
そもそも「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は1993年に設立された団体ですが、朝鮮総連が主導して北送した在日同胞9万3千人のためにコツコツ活動してきた団体です。それこそクサレ朝鮮総連の尻ぬぐいをしている団体です。
1995年に姜哲煥(カン・チョルファン)と安赫(アン・ヒョク)両氏を迎えて、日本で最初の講演会を企画した団体でもあります。
この『感動と坩堝の八日間』から、曺幸(チョヘン)さんという在日の方の声を紹介しましょう。
曺幸(チョヘン)さんのあいさつ
この運動を始めて、こんなに大勢の方々が集まって下さったのは、今回が初めてです。私がこの運動に身を投じたのは、両親が亡くなって行く中で、向こうに渡った子供、孫が血の涙を流して死んで行く姿を見て、残った自分が本当にやらなくてはならないと二年考えて、やるからには実名を出してやろうと始めました。そして実名で一昨年始めた時には、生きているのだと、きっと生きて見つけられるのだと信じてやって来たのですが、残念ながら五月にアムネスティーの方から、子供三人、兄嫁さん、兄、皆銃殺されたという連絡が入りました。
絶望のあまり、一箇月余り床につきっぱなしでした。でも、これではいけない、私の民族はこれで終わりにしてはいけないんだと、世界にこの恥を残してはいけない。それには日本の皆様、ジャーナリスト、在日同胞、一致団結して、今こそ一つになって人間愛を盛り上げなれればいけない。私は兄の真相究明を命ある限り、絶対にやっていこうと思います。
どうぞ今回いらした皆様、彼らは今、愛する私の息子です。彼ら二人の苦しい苦しい経験を通じて、私の家族や帰国者十万の家族が今どうなっているのか、その真実を聞いて欲しいと思います。 1962年2月、寒い新潟港から旅立つ時に、兄さんが母に『おかあさ一ん』という絶叫を残し、父は(兄を北へ)渡したくなくて西の空を涙を浮かべ見つめていました。私は母を支えているのがやっとでした。それから長い年月、兄さんに会える事、秀子さんに会える事、子供達三人に会える事。どんなにどんなに、夢見て生きて来たか知りません。
どうか皆さん今日この日を境に、生命と人権がどれ程大切なのか、人間の自由がどんなに大事なのか、政治とか国とか差別とか、そういうものを乗り越えた総ての人々の、平和の為にお力を貸して下さい。そして二人の話を聞いて下さい。
愛する私の、亡くなった兄の子供達の身代わりに、あの国から来てくれたのです。二人の息子の為に、こんなにたくさん集まって頂き有り難うございます。真相究明の為にも、彼らの真実の声を聞いてあげて下さい。
『感動と坩堝の八日間』 P5-6
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」というのはこういう団体です。こういう団体を裏でヘイト団体だとレッテル張りしてきます。自分たちがやってきたありえない悪行の数々の尻拭いをしてきた団体に対して、こういうことを平気でできる神経が理解できません。
曺幸さんは、姜哲煥、安赫両氏を息子だとおっしゃっています。
田月仙さんのお母さんである、金甲仙さんも同じことをおっしゃっています。
なぜなら、姜哲煥さんと安赫さんの二人は、金甲仙さんの息子、つまり田月仙さんのお兄さんたちの家に、脱北する前泊めてもらっていたからです。金甲仙さんが送った服をもらって、とても助かったと二人は感謝していました。
金甲仙さんの息子さんはもう亡くなっていますが、まるで息子が脱北して戻ってきたかのように喜んでいたそうです。
二人が日本に来た時のビデオがありますが、打ち上げの場で息子たちのこと、姜哲煥、安赫両氏に必死に訴える姿は見ていて辛くなります。
こういう団体を在特会と同列扱いして貶めるのが朝鮮総連であり、朝鮮学校擁護者たちです。実にタチが悪い。
田月仙さんをおとしいれた朝鮮新報と同じですね。
それにしてもこれだけ北朝鮮労働党から収奪されまくっているのに、いまだに朝鮮学校の子供を平壌に送り込んで己の仇を称えさせる神経が信じがたい。
いい加減、真の民族意識に目覚めて、抗チュチェ解放闘争を一心団結の熱意で実行してもらいたいものです。
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