北朝鮮の民衆のためにも経済制裁は徹底してやった方が良い

90年代の苦難の行軍で大量の餓死者が出ました。

それについて条件をつけて人道支援を躊躇し、しっかりやらなかったからという有識者もいます。

それはそれで一理あるでしょうが、現在は90年代とは違います。今の状況ならどんどん制裁を強化した方が良いでしょう。

それも北朝鮮の一般民衆のことを考えるならばこそ、やるべきです。

 

理由は簡単。すでに配給制も崩壊しており、一般民衆は自分たち自身の自助努力で生きているから。

ガソリン価格が高騰しているという報道もありますが、車に乗れる人なんてごく一部の特権階級です。むしろ車を走らせられないようになれば、ある日突然保衛部の車に乗せられれて収容所送りにすることもできなくなります。

制裁を徹底し、銃弾一発作れなくなれば暴圧体制で民衆を弾圧することもできなくなります。

強制収容所でも銃が撃てなくなれば、囚人の暴動も抑えられなくなるでしょう。

めでたく北朝鮮政府による人権蹂躙も不可能になります。

一般民衆への影響はもちろんありますが、90年代のような大量の餓死者は出ません。あの時餓死者が出た要因は、失政による凶作にあわせて、配給で生きてきてそれ以外に食い物を得る手段を知らなかったということが非常に大きい。

今では闇市が広がり、自分たちの食い扶持は自分たちでなんとかしています。

ガソリンが高騰したところで、一般人は車なんて乗りません。彼らは徒歩と自転車圏内で移動できる範囲で生きています。

脱北者が北の家族と電話すると「本当に物が入ってこなくなった」と言っているそうです。中国が本腰を入れて禁輸措置を進めていることが伺えます。

北もいよいよ切羽詰まって来たのか沈黙を守っています。ここでミサイルでも発射したら決定的に追い詰められることが分かっているのでしょう。

トランプ訪中のやりとりで「米国は中国に金で篭絡された」という論調もあります。「金正恩と友達になれる」とか北朝鮮批判がえらくトーンダウンしてるように見えますが、あれは中国が本気で北朝鮮をなんとかするとトランプが判断したのでしょう。

もし中国が口だけで何もやらなかったら米国も黙っていない。

以前もこういうことをやってます。

習近平主席は、トランプ大統領に対して、「中国としてできるだけのことをやる」と約束した。秋に控えた5年に一度の中国共産党大会までに米朝開戦となる「悪夢」を避けるためにも、一肌脱ぐことにしたのである。

しかし結局、北朝鮮は中国に対しても態度を強硬化させるばかりで、うまくいかなかった。「中国は本気になっていない」と業を煮やしたトランプ大統領は5月24日、米海軍駆逐艦を南沙諸島ミスチーフ礁(美済礁)の人工島の12海里内に派遣する「航行の自由作戦」を敢行。その後も、7月2日、8月10日、10月10日に「航行の自由作戦」を実施した。

「中国は裏切り者」とみなした金正恩政権は、ロシアを頼った。だがいかんせん、トランプ政権はロシアゲートで窮地に追い詰められていったので、ロシアは米朝の間を取り持てなかった。

焦った北朝鮮は、9月3日に6度目の核実験に踏み切って、正面突破を図る。だが、10月18日から始まる5年に一度の共産党大会を穏便に行いたい中国は、北朝鮮を黙らせるため、強烈なカードを2枚切った。

一枚目は、9月22日に商務部が発布した「第52号公告」。内容は、12月11日から北朝鮮製の繊維製品の輸入禁止、液化天然ガスなどの北朝鮮への輸出禁止、来年の北朝鮮への石油製品の輸出を24万トン以下にすることなどである。

二枚目は、9月28日に商務部が発布した「第55号公告」。内容は、北朝鮮の企業・個人が、中国国内及び国外に設立した中国との合弁企業を、120日以内に閉鎖することである。

この2枚のカードは、北朝鮮の貿易の9割を占める中国が、北朝鮮との貿易・交易を止めると決断したことを意味する。しかも、10月の共産党大会と11月のトランプ大統領訪中に影響が出ないよう、この二つのイベントを終えた時期に設定している。

これらの措置が北朝鮮に与えた影響は、計り知れなかった。ただでさえ今年は、旱魃が続いたせいで秋の収穫が不作で、極寒の冬を乗り切れるかどうかさえおぼつかないのだ。

習近平がトランプに呑ませた「スーパー・ビッグディール」の中身ー中国はカネで平和を買った』の後半あたり

トランプは取引(ディール)を好むと言われています。

取引は信用が第一です。取引を好む人ほど契約不履行を嫌います。商売できませんから。

オバマ大統領のように人権や平和を掲げる人の方が中国はやりやすかったでしょうね。戦争になる!大量の死者が出る!とか言えば譲歩してくれますから。

契約履行の第一歩として3人のアメリカ人を解放。まずはこれが第一歩だろうと近藤大介氏がコラムで書いています。(URL:『習近平がトランプに呑ませた「スーパー・ビッグディール」の中身』)

そして対話の場に北朝鮮を引き出し、非核化について話す。

果たして中国は契約を履行できるか?

かなり厳しいでしょうね。

石油の禁輸をちらつかせて圧迫を続けるでしょう。

中国はとどめを刺すような禁輸にはかなり及び腰です。

しかし、北朝鮮が頑固に拒否し続ければ米国は完全禁輸まで中国に求め、やらなければ「航行の自由作戦」のように対中制裁に乗り出します。

そうなったら中国も厳しい。

北朝鮮を潰すわけにはいかないと米国とぶつかるか、米国との対立は回避して北を崩壊させるか。

中国はこの2択を迫られています。

まぁ習近平が馬鹿でなければ後者を選ぶでしょう。

やらなければ日米韓の事実上の三国同盟にまで発展しますし、そこに台湾まで入ってくれば中国もかなり嫌がります。

逆に言えば、中国に本腰入れさせたいなら、米国後援で日韓台の安保同盟結成するぞ!と脅せばいい。これが一番効きます。

どうやら北朝鮮は本当に追い詰められているようです。

何せ日本の北朝鮮よりと思われる専門家が、日本は独自に対話をすべしという意見をメディア言い続け、一生懸命北の広告塔として頑張っていますから。

「核凍結で対話を開始すべき」「経済制裁は抜け穴があるから効かない」「経済制裁で北朝鮮住民の生活が苦しくなっている」。よく聞くのはこの辺の意見でしょうか。

一度で良いからこういう人たちから「収容所を閉鎖」「公開銃殺の廃止」「連座制の廃止」「移動の自由を認める」「支援団体が北朝鮮国内を自由に移動することを認める」「北朝鮮国民の移動の自由を認める(国内ならびに国外へも)」という条件で日本政府に独自交渉しろ!と言っている姿を見てみたいものです。

それに比べればトランプ大統領の韓国議会の演説は実に素晴らしい。

日韓のリベラル派は”公の場”で北朝鮮の人権蹂躙を真正面から批判するトランプ大統領の姿勢を見習うべきでしょう。

右翼に利用される、差別主義者に利用される、軍国主義者に利用される、とか言い訳せずに。