対北朝鮮外交の定例行事 制裁強化と中露外交

最近、対北朝鮮外交がルーチンワーク化してきた感があります。

南北首脳会談前もそうでしたが、だいたい北朝鮮との交渉が始まる前には制裁強化や制裁の実行が発表されます。

今回はトルコ企業が北朝鮮との取引にかかわったと制裁対象に指定。

こんなのが続けばそりゃ北朝鮮も文句言うわな。(自業自得なので同情はしない)

北朝鮮は北朝鮮で、米朝交渉前の定例行事と化した中国訪問。今回はロシアも含めた三か国会談です。金正恩とプーチンの首脳会談も近そうです。

米国は米国で日本を訪問して「非核化まで制裁維持で一致」という声明を出すことでしょう。

このポンペオ訪朝で意味が分からない記事を出しているのがハンギョレ新聞です。

 

訪朝前の安倍面談は日本への配慮…訪朝後に文大統領に会い成果共有』という記事で、今回のポンペオ訪朝について、「直前の3回目の訪朝時の動線と比較すると、韓・米・日3国の外交長官会議日程が予告されず、日本の比重が前回より低くなった点が目につく」と評価しています。

う~ん、そうか~~~?

「日本の比重が前回より低くなった」と思いたいだけなんじゃいの?

「韓・米・日3国の外交長官会議がない=韓国は北朝鮮側だから無視」に思えるのは気のせいでしょうか?

何せ、このタイミングでロシアの上院議長と面談してますから。

ロシアのワレンチナ・イワノブナ・マトビエンコ上院議長が5日午後、大統領府本館の接見室で文在寅大統領に会い、挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

まるで示し合わせたかのように南北がロシアの要人と会い、「平和的対話と外交を通じて解決」を訴える。韓国は韓国で、ロシアの発言を聞くという形で「北朝鮮の非核化のためには終戦宣言と制裁緩和など、米国を含む国際社会の相応の措置が必要だ」という意見を広めることに協力する。

どうよこれ?

交渉前に自国の立場を強化するため、同じ意見の国を訪問して共同声明を出すというのがパターンです。

北朝鮮は中露訪問で北朝鮮の立場を強化し、米国は日本訪問で米国の立場を強化するのが狙いと考えられます。

今まで韓・米・日3国の外交長官会議があったのに今回ないということは、もはや韓国は米国の立場強化の役には立たないということでしょう。

事前に会っても意味がないから、訪朝後の事後報告で韓国の寄るだけになってるわけです。

もちろん別の見方もあります。それがハンギョレ。

ポンペオ長官が訪朝に先んじて訪日する日程を定めたのは、拉致被害者問題や朝日首脳会談などと関連した安倍首相などの意見を聞き、北側に伝達する“日本への配慮の姿”を取ろうとする外交的考慮が作用したと見える。

訪朝後にポンペオ長官がソウル行きを選んだのは、平壌南北首脳会談などで今回の訪朝の掛け橋をかけ、朝米関係の“仲裁者・促進者”の役割を正確に務めた文大統領に最初に結果を直接説明し、追加協議をしようとする意が込められているようだ。

訪朝前の訪日が“外交的配慮”に焦点が合わされているならば、訪朝直後のソウル行きには“実質的必要”が作用したと見られるという指摘がある。6・12シンガポール朝米首脳会談の直後にも、ポンペオ長官は韓国(13~14日)に直行し、文大統領に会談結果を説明して意見を交わしている。

訪朝前の安倍面談は日本への配慮…訪朝後に文大統領に会い成果共有

「訪朝前の訪日が“外交的配慮”に焦点が合わされているならば、訪朝直後のソウル行きには“実質的必要”が作用」

日本はまぁまぁとなだめる外交的配慮で、訪朝後の韓国訪問は実質的必要だそうです。

う~~~ん、そうか~?

信じたいものを信じているような気がするのは私だけでしょうか?

もし米国が「非核化まで制裁は維持される」という意見をあいまいにしたり、人道支援に限って緩めるかも?という発言をしたならハンギョレの言う通りである可能性があるかもしれません。

が、その可能性は低いでしょう。

それがありえるとすれば、訪朝後に北朝鮮側から良い提案があって、それに応える形で「人道支援に限って制裁ゆるめるかも」発言が飛び出すケースだけです。

今のところあるえるパターンは終戦宣言と査察付き寧辺核施設の閉鎖の取り引きでしょうか。

お互い実質的な意味はないことを約束通り実行できるかを試してみて、その次のステップに進む。まぁ分からんでもない。

これさえもできないならその先も無理でしょうから。

気を付けないといけないのは終戦宣言を北朝鮮が盛大に拡大解釈して韓国に圧力をかけてくることと、それに中国が乗っかってくることです。

「終戦宣言」というフレーズだけなら簡単ですが、大事なのは宣言の内容です。

「もう朝鮮戦争は終わりました。これからは平和になります」くらいなら良いですが、そんなはずもない。色んな付帯条件がついてきます。ここで喧々諤々の交渉が始まるわけですが、北朝鮮はこの外交交渉がすこぶる強い。

北朝鮮はトランプ相手なら有利に事を進めれると思っているのでしょう。

だからトランプ批判は避け、トップ会談で物事を決めようと画策しているわけです。

そして、そのトランプの暴走を必死に止める国務省と国防省。米国の官僚も大変です。

今回の会談は第二回米朝首脳会談の場所と日程の調整が主目的のようですが、はたしてどうなるか。

ソウルなのか、板門店なのか。

まさかの平壌開催か?

まさかまさかのワシントン開催か?

定例行事と化した交渉前の米国の制裁強化発表と北朝鮮の中露関係アピール。

変化したことと言えば、韓国がかなり露骨に北朝鮮&中露側に傾いていること。

それが韓国にとって吉と出るか凶と出るかはまだ未知数です。

ポンペオ訪朝の結果がどうなるか?目が離せませんね。