北朝鮮が要求した制裁解除

第二次米朝首脳会談で北朝鮮が要求した制裁解除は具体的に何か気になってましたが、それが記事に出ていたので整理しておきます。

北朝鮮がこれに対する見返りとして要求したのは民生目的のほか、石炭・鉄・金・希土類輸出を全面的に禁止した国連決議2270号(2016年3月)、石炭輸出の上限を設定した2321号(2016年11月)、海産物輸出全面禁止および新規労働者送出を禁止した2371号(2017年8月)、対北朝鮮油類供給を30%縮小した2375号(2017年9月)、そして対北朝鮮原油400万バレル、精製油50万バレル供給上限を定めた2397号(2017年12月)の5件だった。事実上、核心的な対北朝鮮制裁に該当するものだ。これは寧辺を最初の終着駅に設定して制裁緩和と交換しようとしたことを傍証する。

北朝鮮の非核化主張の狙いと在韓米軍

実質的な制裁完全解除と言われても仕方ない内容ですね。

各々の中身はこちら。

引用元は『Wiki – 朝鮮民主主義人民共和国に対する制裁』です。

決議2270

2016年1月6日の北朝鮮による4回目の核実験と2月7日の弾道ミサイル発射に対して採択された決議2270では、以下のような制裁が課された。

  • 禁輸対象品目の追加指定。従来は認められていた北朝鮮への小型武器及び関連物資の輸出も禁止された[23]。また奢侈品として高級時計、水中娯楽用の乗り物(水上バイク等)、スノーモービル、鉛クリスタルガラス、娯楽用スポーツ用品が新たに指定された[24]
  • 資産凍結対象として16人・12団体を追加指定[25]。16人は入国禁止対象にも指定された[26]
  • 資産凍結対象となったオーシャン・マリタイム・マネジメント・カンパニー・リミテッドの管理・運航する船舶31隻が資産凍結対象に指定される[27]
  • 制裁逃れに加担する北朝鮮の外交官等についても国外追放[28]
  • 北朝鮮に対する船舶および航空機のリース、チャーター、乗員サービス提供の禁止[29]
  • 加盟国の個人・団体が北朝鮮で船舶を登録したり、北朝鮮籍の船舶を使用したりリース等することを禁止[30]
  • 禁制品積載の疑いがある航空機の離着陸および上空通過の禁止[31]
  • 制裁対象となった個人・団体が管理する船舶の入港禁止[32]
  • 北朝鮮からの石炭(羅刹港から輸出される北朝鮮外が原産地の石炭を除く)、鉄および鉄鉱石(専ら生計目的のためであり、核若しくは弾道ミサイル計画、決議により禁止されている行為と無関係な場合を除く)、金、チタン鉱石、バナジウム鉱石及びレア・アースの輸入禁止[33]
  • 北朝鮮に対する航空燃料の供給禁止[34]
  • 北朝鮮の銀行の支店の新規出店、子会社及び代表事務所の開設・運営の禁止[35]
  • 金融機関が北朝鮮の銀行と新規に合弁企業を設立すること、北朝鮮の銀行の持ち分を得ること、取引関係(コルレス関係)を結ぶことを禁止[35]
  • 加盟国の自国の金融機関が北朝鮮に新規に代表事務所、子会社、支店、銀行口座を開設することを禁止[36]
  • 核や弾道ミサイルの開発、決議で禁止された行為に貢献しうる個人・団体による北朝鮮との貿易に対して公的か民間かに関わらず金融支援(輸出信用、保証、保険を含む)を禁止[37]
  • 加盟国に対して、北朝鮮人が核・ミサイル関係の専門教育又は訓練[注釈 2]を防止するよう義務付け[38]

決議2321

2016年9月9日の北朝鮮による5回目の核実験に対して採択された決議2321では、以下のような制裁が課された。

  • 禁輸対象品目の追加指定。大量破壊兵器に利用可能な物品[39]や奢侈品としてじゅうたん、タペストリー、磁器製、ボーン・チャイナ製の食器が指定された[40]
  • 資産凍結対象として11人・10団体を追加指定。11人は入国禁止対象にも指定された[41]
  • 従来は「個別の案件に応じて委員会に事前に通知された」[42]場合に認められていた北朝鮮への航空機のリース、チャーター、乗務員サービスの提供について、「委員会が事前に個別の案件に応じて承認する場合」のみに限定された[43]
  • 従来は「個別の案件に応じて委員会により事前に通知された」[44]場合に認められていた加盟国の個人・団体による北朝鮮での船舶の登録、北朝鮮籍の使用、チャーター等が、「委員会が事前に個別の案件に応じて承認する場合」のみに限定された[45]
  • 従来、禁止が明記されていた北朝鮮人に対する専門教育又は訓練に「先端の材料科学、化学工学、機械工学、電気工学及び産業工学」が新たに明記され、さらにそれらに限らないことが明確にされた[46]
  • 医療交流を除き、原則北朝鮮後援または北朝鮮に関係する人物・団体が関連する科学技術協力の禁止[47]
  • 制裁委員会に対して、制裁逃れを行った疑いのある船舶の船籍剥奪等を旗国に求める権限が付与される[48]
  • 北朝鮮外交官や領事館等の銀行口座を各国で1人1口座、1機関1口座に限定[49]
  • 北朝鮮が所有・賃借している不動産の用途を外交・領事活動に限定し、それ以外の目的での所有・賃借を禁止[50]
  • 北朝鮮が所有・管理する船舶に対する保険・再保険の原則禁止[51]
  • 加盟国の団体・個人が北朝鮮から船舶・航空機の乗員サービスの調達をすることを禁止[52]
  • 北朝鮮の所有、管理・運航する船舶の船籍剥奪および再登録の禁止[53]
  • 北朝鮮からの北朝鮮原産の石炭の輸出については年間400,870,018米ドルか750万トンのいずれか低い方に上限を設定[54]
  • 北朝鮮からの銅、ニッケル、銀及び亜鉛の輸出禁止[55]
  • 北朝鮮による像の販売禁止[56]
  • 北朝鮮への新品のヘリコプター、船舶の売り渡し禁止[57]
  • 北朝鮮との貿易のための公的な及び民間の金融支援の禁止[58]

決議2371

2017年7月4日、7月28日の北朝鮮による大陸間弾道ミサイル発射に対して採択された決議2371では、以下のような制裁が課された。

  • 制裁委員会に対して決議違反が疑われる船舶の入港禁止を各国に指示する権限を付与[60]
  • 資産凍結対象として9人・4団体を追加指定。9人は入国禁止対象にも指定された[61]。ただし、朝鮮貿易銀行(FTB)、朝鮮民族保険総会社(KNIC)との取引は外交・領事使節団の活動や国連、国連と調整の上行われる人道活動を目的に限り認められる[62]
  • 北朝鮮との新たな合弁企業や共同事業体の原則設立禁止[63]
  • 北朝鮮からの北朝鮮原産の石炭輸出禁止[64]
  • 北朝鮮からの海産物の輸出禁止[65]
  • 北朝鮮からの鉛および鉛鉱石の輸出禁止[66]
  • 各国に派遣された北朝鮮労働者の総数を決議採択の日を上限に制限[67]

決議2375

2017年9月11日の核実験に対して採択された決議2375では、以下のような制裁が課された。

  • 資産凍結対象として1人・3団体を追加指定。1人は入国禁止対象にも指定された[68]
  • 制裁委員会に対して制裁逃れが疑われる船舶の公海上での検査を旗国や船舶が拒否した場合に、当該船舶の船籍剥奪を旗国に命じる権限を付与[69]
  • 北朝鮮船籍の船舶に対して、禁制品を船舶間で受け渡すこと(瀬取り)を禁止[70]
  • 北朝鮮に対する、コンデンセートおよび液化天然ガスの供給禁止[71]
  • 北朝鮮に対する石油精製品の供給を、年間上限200万バレルに制限[72]
  • 北朝鮮に対する原油の供給を、決議採択の日から1年以内に供給した量までに制限[73]
  • 北朝鮮からの繊維製品輸入禁止[74]
  • 北朝鮮人労働者の受入禁止。ただし決議採択以前に結ばれた契約は除く[75]
  • 制裁委員会が承認した場合を除き、北朝鮮との合弁事業禁止。承認されなかった既存の事業についても解散[76]

決議2397

2017年11月29日の北朝鮮による大陸間弾道ミサイル発射に対して採択された決議2397、以下のような制裁が課された。

  • 資産凍結対象として16人・1団体を追加指定。16人は入国禁止対象にも指定された[77]
  • 北朝鮮に対する原油の供給上限が数値で定められ、年間400万バレルまたは52.5万トンとなった[78]
  • 北朝鮮に対する石油精製品の供給上限が年間50万バレルまたは52.5万トンに引き下げられた[79]
  • 北朝鮮に対する石油精製品の供給上限が年間50万バレルまたは52.5万トンに引き下げられた[80]
  • 北朝鮮に対するに対する統一システム番号[注釈 3]72類~89類[注釈 4]に該当する全ての品目の供給禁止。ただし、民間航空会社の補修部品は除外[81]
  • 北朝鮮からの統一システム番号、第7類「食用の野菜、根及び塊茎」、第8類「食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮」、第12類「採油用の種及び果実、各種の種及び果実、工業用又は医薬用の植物並びにわら及び飼料用植物」、第25類「塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント」、第44類「木材及びその製品並びに木炭」、第84類「原子炉、ボイラー及び機械類並びにこれらの部分品」、第85類「電気機器及びその部分品並びに録音機、音声再生機並びにテレビジョンの映像及び音声の記録用又は再生用の機器並びにこれらの部分品及び附属品」、第89類「船舶及び浮き構造物」に該当する品目の輸出禁止[82]
  • 北朝鮮が漁業権を他国に販売等することを禁止[83]
  • 加盟国の管轄内で利益を得ている北朝鮮人と海外の北朝鮮人労働者を監視する北朝鮮政府の安全監督員の24ヶ月以内の国外追放[84]
  • 制裁逃れが疑われる船舶に対する保険、再保険サービスの提供禁止[85]
  • 制裁逃れが疑われる船舶の船籍剥奪および再登録禁止[86]

そうそうたる内容です。

これを解除せよとはえらくハードルが高い。

本当に寧辺だけでこの譲歩を米国から引き出せると思ってたんでしょうか?

もしそう思っていたのなら、北朝鮮の外交力もお粗末なものだと判断せざるえないですね。

トランプはトランプで、金正恩は金正恩で、相手が受け入れ不可能なことを覚悟してでも己の望む要求をぶつけ、その結果決裂してもやむなしという覚悟で交渉にのぞんでいたのかもしれません。

ある意味、これからが米朝交渉の本番でしょう。