ロシアと国境を接するバルト三国の一角エストニアで議会選挙が行われました。
結果はEU反対派が躍進。
反移民・反EUはEU諸国全体での流です。
バルト三国でも例外ではなく、反移民・反EUの保守人民党が躍進。
かといってこの保守人民党と連携しようとする政党はないとのこと。
扱いがフランスのルペン率いる極右政党国民連合(旧国民戦線)と同じですね。
議席を伸ばすも孤立しているというパターン(笑)
その孤立もいつまで続くかわかりません。
今の流れからすればこれも途中経過でしょう。
イタリア・ポーランド・ハンガリー・オーストリア・ギリシャなどなど、最終的に連立したり、単独過半数を超えたりして政権を握る可能性が高い。
最初は極端なことを言ってコアな支持層を掴み、毎回数人の議員を送り込んで命脈を保つという日本の共産党みたいなやり方だったのが、難民問題や反EU感情の後押しで議席を伸ばし、「あ、もしかしたら政権取れるかも!?」となって、発言や政策を穏健化し、政権与党としての資格を得る。
これが最近のEUで極右呼ばわりされる政党のパターンです。
今ではすっかりEUも様変わりしました。
赤が反EU政党が政権を握り、ピンクは反EU政党が躍進中の国。
この躍進の理由は難民・移民受け入れを強制するEUへの不満と、EU加盟国間の一向に縮まらない格差とのこと。
反グローバリズムという背景も反EUの大きな一つでしょう。
5月下旬に予定されている欧州議会議員選挙でEUは様変わりしそうです。
どう考えても反難民・反EUの議員が大躍進するはず。
おそらく今後は、EU域内のEU市民の移動の自由は認めつつも、EU域外からの移動(難民・移民)は制限する方向に動くでしょう。
EU合衆国化ですね。
まぁそれが現実的だと思います。
ただ国境線の問題を排外的に解決しても、残るEU域内の経済格差問題は解決が困難です。
おそらくユーロを捨てないと解決は難しい。
ロシア執拗な妨害もあり、一気に瓦解することもありえます。
エストニア議会選挙への介入を問題視されていますが、これはEU各国で共通の問題。
ロシアの勤勉かつ執拗なEU瓦解工作が功を奏するかもしれません。
ただ逆効果になる可能性もあります。
EUの右派政党はプーチン好きが多いですが、そうはいっても彼らは基本的に自国第一です。
安保上の危機感を抱けば、トランプ大統領のように手のひら返しで対ロ強硬派へ変わる可能性も高い。東欧諸国にとっては、安全保障上の最大の脅威はロシアであることは揺るぎないですから。
EU瓦解を恐れるリベラルも、反ロシアでまとめようとするかもしれません。
揺れ動くEU。
今後も目が離せませんね。