限界を迎えたEU

EUの統合が限界を迎え、瓦解へと向かっています。

EUから離脱するイギリス。閣僚がポンポン辞任して不安定化するメイ政権。良いとこどりのEU離脱はやらせねぇぞと冷たい独仏。

スペインからの独立をあきらめないカタルーニャ。

難民問題でどんどん溝が深まる各国の国内政治。

ユーロという共通通貨を採用してせいで、経済はドイツ独り勝ち状態。能天気な南欧の人間が、ドイツ人並みに働くわけがない。

最初は超国家主義の素晴らしいものだとほめたたえられていたEUも、矛盾噴出で瓦解へと向かっています。

 

難民問題がEU瓦解の原因かのように言われていますが、「大量難民」というイレギュラーが無かったとしてもEUは限界に来ていたでしょう。

難民問題は国際社会からいくら非難されたとしても「無理なもんは無理!」と開き直って、難民をEU域外へ入れないようするしかないと思います。非人道的だと非難されても無理なもんは無理です。個人的には、出来る限り難民受け入れを頑張ったことを褒めてあげたい気持ちです。

まぁ難民問題はしょせんイレギュラーな問題です。

EUを不安定化させる根本原因は、ユーロという”共通通貨”です。

仮にユーロがうまくいくとすれば、ドイツが自国で稼いだユーロを大盤振る舞いして経済の弱い国にばらまくくらい寛大になるしかありません。

ケチケチのドイツが、そんなことをするはずもない。

「同じEU市民だ」という同胞意識があれば別ですが、ゆる~い同胞意識はあっても自分たちの税金を大盤振る舞いするほどの同胞意識はありません。

通貨の統合は、経済的に弱い地域に補助金的なものをバラまいて再分配することが「当たり前」という意識が芽生えない限り無理です。

日本で「東京で稼いだ税金を地方に使うことをけしからん!」という人はほとんどいません。せいぜい「無駄な箱物を作るな!」と使い方に文句をつけるくらいです。

東京などの都市部が「俺たちが稼いだ金を使わせたくない!」と独立運動を起こすこともありません。

しかし、EUは違います。スペインのカタルーニャ独立運動などは、日本で例えるなら「東京の税金を他の地域で使われたくない。東京の税金は東京に使うべき!」と言って独立運動を起こすようなものです。

そうならないのは「同じ日本人」という同胞意識があるからです。

EUのように、言語も歴史も民族も違う人たちの統合は不可能でしょう。

多文化主義、多国主義という看板は立派ですが、それと通貨政策は別問題です。

通貨発行権を放棄することは、国家主権の半分を売り渡すことに等しい行為です。

経済の規模も強さもまったく違うドイツとギリシャのような国が、同じ通貨を使うこと自体かなりの無茶です。

ユーロをやめればEUの問題はかなりの部分が解決するはずです。

が、それも今さら厳しい。

ユーロにしがみついてどんどんEUの統合が不安定化して瓦解へと向かう。

こういう負の連鎖がEU崩壊まで続きそうです。

まぁ通貨統合できるとすれば、ドイツのような経済が強い北欧諸国、イタリアやギリシャなどの南欧、経済的には発展途上国の東欧の3つくらいでそれぞれ通貨を分けるくらいでないと無理だろうと思います。

人や資本の移動の自由、域内関税撤廃、NATOという軍事同盟などなど、そういったことは問題ないでしょう。大いにやれば良いと思います。

しかし、通貨は分けた方がいい。

あと移動の自由も国際社会から批判されようが全部無視して、あくまでEU加盟国間での移動の自由に制限し、EU域外からの移民や難民は余裕がある範囲で頑張る、というのが無難でしょう。

EU崩壊なんてことになるとマーケットが大荒れするので「ユーロ放棄・それ以外は維持」という選択ができるような、EUの改革を進めてほしいと願ってます。

今さらユーロを全廃するなんて無理ですから、EUにとどまりながら、ユーロから離脱できるようにEUの制度を変えるというのが現実的かもしれません。

みんなユーロから抜けまくって、最終的に独仏+北欧諸国でユーロを使うくらいが限界だろうと思います。

揺れに揺れまくるEU。

あまり高い理想を追及しても無理をしては全体を破綻させるだけ。現実的に制度を改革してEUを保全してほしいですが、果たしてどうなるか。

難民問題もある中、EU崩壊を回避するために欧州は難しいかじ取りが求められています。