ホルムズ海峡炎上:イラン訪問の成果は「やっぱりあの地域はダメだ」と悟ったこと

もともときな臭かったホルムズ海峡ですが、安倍総理が訪問中に石油タンカーが攻撃されたというショッキングな状況だったこともあり、注目を浴びています。

まぁ以前にも投稿しましたが、日本ができることはほぼありません。『イランのザリーフ外相が来日してますが…』で言及したとおり 「戦争には反対する」「話し合いで解決すべき」 程度のことを言って、「成果があった!」と自画自賛する悲しい結果とあいなりました。

ぶっちゃけ、南北会談で文在寅大統領が「平和が来た!」と自画自賛したのと同じレベルです。

対イラン外交では、日本のポジションは対北朝鮮での韓国文在寅大統領と同じですね。

まぁ、失敗してもそれが当然だと思われているのでマイナスがあるわけでもない(せいぜい反安倍教の人たちが喜ぶくらいか)。

今後はイラン外交に入れ込むことなく中東の石油に頼らないエネルギー供給体制の準備に取り組むべきでしょう。

あえて今回の対イラン訪問の成果をあげるなら、「やっぱり中東はやばい」「ホルムズ海峡が閉じる可能性もありうる」と日本政府や企業がリスクマネジメントに本腰を入れるきっかけになることでしょうか。

イランとしては、「日本のトップが来る。もしかしたら石油を買ってくれるかも!?昔似たようなこともあったし!」と思っていたことでしょう。

で、そんなことができるはずもない。

金正恩委員長が、非核化措置なんて何もせずとも、韓国が「開城工業団地再開」「金剛山観光再開」をやってくれると期待したのと似ています。

サンデーモーニングで姜尚中氏がドイツと協力し、米国を説得して核合意に戻すべき、せっかくの「親日国イラン」を失うべきではない、というような意見をおっしゃっていましたが、「親日」だからなんて理由でイランよりの外交姿勢になんぞ転換できませんよ。

大事なのは国益です。

もしイランの核合意と同じようなことを北朝鮮相手にやられたら日本は大変困るわけです。

例えるなら、韓国や日本を無視して、常任理事国5カ国+ドイツで「不完全な非核化」と制裁解除を決められるようなもの。

イラン核合意が破綻したのも、イスラエルとサウジがまったく納得していなかったからです。

置き換えて考えるなら、イランが北朝鮮で、イスラエルが日本で、サウジが韓国といったところでしょうか。

北朝鮮に対して、「完全かつ不可逆的な非核化」ではないにもかかわらず、経済制裁を解除するわけにはいかないわけです。

ゆえに日本としては「元のイラン核合意に戻る」のではなく、「完全かつ不可逆的な新たな核合意交渉」をやってくれとイランに呼びかける以外ない。

そしてそんなことをイランが飲むわけもない。

ということで日本にできることはほとんどない。

しょせん米国が「平和のために色んな国に仲介してもらって対話努力を続けたけどダメだっただろ?」という言い訳づくりの一環でしょうね。

でなければ安倍総理がイラン訪問中に、下のような経済制裁の発表なんてしません。

いかに日本の仲介に期待していないかが良く分かりますわ。

日本の原油の8割を中東に頼り、その多くが通るホルムズ海峡。

紛争回避・戦争回避に奔走するより、輸入先の多角化に全力を注いだ方が生産的。

もうね、無理なんです。

シリアではイスラエルが革命防衛隊の拠点ボッコボコに空爆してますし、トルコ・ロシア・シリアで結んだ非戦闘地域もいつの間にやらシリアが攻め込んでますし、イエメンではサウジとイランの代理戦争が激化の一途を辿ってます。

「戦争、ダメ、絶対」と言い続けるのも大事でしょうが、言い続けたところで起きるもんは起きます。

中東やイランに外交パワーを費やすくらいなら、いっそ米国と一致団結してベネズエラの民主革命を助け、ベネズエラの原油生産を回復させてその流れで石油の権益を確保する方がまだ未来があります。

アメリカのシェールガス輸入を増やし、原発も稼働させ、オーストラリアあたりからのエネルギー輸入を増やす。

「親日国」だからと入れ込むより、スパッと手を切る見切りも必要だろうと思います。