IS参加者の帰国を拒否する欧米各国

驚いたことに過激化組織イスラミックステート(IS)に参加した欧米生まれの女性から国籍をはく奪し、帰国を拒否する決定が下されました。

帰国は認めて数年くらいは牢屋に入れられるかな~くらいに思っていたのですが、まさかの国籍はく奪&帰国拒否。ここまでの強硬手段を取るとは思いませんでした。

イギリスではこの人。

国際報道2019 2019.02.21放送

 

アメリカではこの人。

国際報道2019 2019.02.21放送

子持ちの女性ですし、さすがに帰国させた上で、裁判受けさせるなりするだろうと思っていましたが、まさかの入国拒否。

事実上の国外追放です。

これには衝撃を受けました。

イスラム過激派に対する欧米諸国の嫌悪感は日本人には理解できないものがあります。

 

イギリス政府の見解はこちら。

国際報道2019 2019.02.21放送

国際報道2019 2019.02.21放送

危険人物の入国は拒否すると断固たる対応。

国籍はく奪もその方法の一つとのこと。

これを受けて本人の反応。

国際報道2019 2019.02.21放送
国際報道2019 2019.02.21放送
国際報道2019 2019.02.21放送

「子どもはイギリスに帰国できるが、あなたは無理」というかなり厳しい結果を突き付けられ、「それは不当でありえないこと」「もっと理解が得られるかと思っていた」とショックを隠せない様子。

イギリスにいる両親もこの結果にはショックでしょう。

大騒ぎになるかと思ったら、困ったことにイギリス国民全体もこの判断を容認しているようです。

その理由として、「ISに参加したことを後悔していない」と発言したことがありそうです。

他にも、一番大きい理由だろうと思えたのがこれ。

2017年5月にマンチェスター・アリーナで起きた爆破テロ事件については、ベガムさんはショックを受けたと語った。この事件では22人が亡くなり、ISが犯行声明を出している。

「間違いだと思う。何の罪もない人が殺されるなんて」と、ベガムさんは話した。

一方でベガムさんは、マンチェスターの事件をシリアのIS掃討作戦と並べ、「兵士を殺すのは別。それは正当防衛だから悪くない。けれども、バグーズで今も(政府の)爆撃で不当に殺されている女や子どものように、女や子どもを殺すのは(また別のこと)。これはお互い様のことで、ISでは今まさに女や子どもが殺されている」と、IS掃討作戦を批判した。

「これはある種の仕返し。仕返しなので正当なのだと言われたので、私も、なるほどそれは正しい言い分だと思った」

こうしたベガムさんの発言に、マンチェスターで重傷を負ったロビー・ポーターさんは怒りと吐き気を覚えると反発している。

「子供や家族を失った人たちは、こんな人間の帰還を一瞬でも検討するなんてことを、どう思うのか。彼女は、被害者や、子どもを亡くした人たちに会いに来ればいい。もしそうしたいなら。同席して、何が正当化されるのか見てみるつもりはあるのか」

英政府、ISに参加した19歳女性のイギリス市民権をはく奪へ BBCニュース

マンチェスターの爆破テロについて「IS掃討作戦で罪もない女子供も殺されている」と「お互い様論」を展開。

これはイギリス国民の怒りを買うでしょうね。

例えるなら、北朝鮮を自らの祖国と思って望んで北朝鮮へ渡り、想像と違ってはいたが「北朝鮮に帰国したことは後悔はしていない」と断言し、でも日本に帰りたいと望み、北朝鮮の拉致犯罪については「かつて日本も植民地時代に何百万もの人を戦争に強制動員した。それを忘れてはいけない」と発言した、日本国籍を持った在日朝鮮人の日本への帰国を認めるか?という感じでしょうか。

そう考えると、イギリス人が帰国拒否を支持するのも分からんでもないですね。だとしても、人道上イギリスに帰国させるべきだとは思いますが。

やはりイギリス国民としては「騙された」「間違っていた」「生まれ故郷に帰りたい(=やっぱりイギリスがいい)」という意思は表明してほしいでしょうね。

在日朝鮮人脱北者の日本受け入れだって「北と総連に騙された」「生まれ故郷に戻りたい」という共感できる理由があるからこそ、積極的に受け入れようという気になります。

イギリスへの帰国を認め、裁判を受けさせるべきというのはまっとうな意見だと思いますが、もっとも厳しい罰でも刑務所に数年でしょう。

徹底的に反省・後悔させるために厳しい罰を与えたいのであれば、国外追放が一番厳しい罰になるというこの悲しい現実。

罰を与えたいのに、イギリスへの帰国を認めたらご褒美になってしまうわけです。

やはり難しいのは次の2点。

国際報道2019 2019.02.21放送

「シリアで何をしたのか立証困難」「過激思想捨てたか確認不可能」

この2点がどうにもできないために、自国民の安全を確保するためには入国拒否しかない、という司法判断。

悩ましいところですね。

イギリスで機関銃を乱射して何人も殺せば死刑です。

それと同じことをシリアでやっていたかもしれないが、立証は不可能。

頭の中はのぞけないので過激思想を捨てたかも分からない。

ひとたび指令が下ればイギリス国内でテロを起こすかもしれない。

100人中1人くらいはそんなのがいるかもしれない。

「その1人のために、他の99人を犠牲にするのか?」というのは当然の考えですが、「自分たちの安全確保のためには致し方ない。そもそもお前らは自分で望んで行ったんだろ?」と冷たく突き放されれば泣き寝入りする以外ない。

悩ましいですね。

難しい問題ですはありますが、冷たいことは言わずに帰国を認めてあげてほしいものです。