韓国のハナ院(脱北者の定着支援施設)で重視されていることの一つに、脱北者に対して本当の歴史を教えることがあげられます。
その時、反発する脱北者がいるのですが、このあたりの洗脳教育の弊害が朝鮮学校支援者と同じだったので紹介しておきます。
本来、こういう苦しみを感じる必要もないはずなのに、幼少期から情感たっぷりに脳内に刷り込みをされると自己のアイデンティティになり、それを否定するのが感情的に辛くなります。
ハナワンで特に重要だったのは歴史の授業だろう。脱北者のほとんどが、その時はじめて北朝鮮政府のイデオロギーと切り離されたかたちで歴史を学ぶのだ。世界を見る窓が開かれる時間である。脱北者の大半は、偉大なる指導者、親愛なる指導者の輝かしい伝説以外は、歴史について無知に等しい。
一九五〇年六月二五日に朝鮮戦争が勃発したきっかけが南ではなく、北からの一方的な攻撃だったということも、ほとんどの者はこの時聞かされることになる。大声でそれを頭から否定する者も多い。それは、私たちを支える信条の中でも特に重要なもののはずだった。
北朝鮮人の大部分を支えている信条だろう。にもかかわらず、それが真っ赤な嘘だというのである。受け入れがたいのも当然だ。
北朝鮮という国が実はもう芯まで腐ってしまっていると知っている者でさえ、戦争に関する真実はなかなか受け入れられない。
戦争について教わったことが嘘であれば、他のすべても必然的に嘘だということになるからだ。毎年六月二五日に流した涙も、一〇年に及ぶ兵役も、取り組まされてきた生産競争も、すべては無意味ということになってしまう。自分自身の存在も嘘だったということだ。人生のすべてを否定されているようなものである。
『7つの名前を持つ少女』 P332
朝鮮戦争も北の突然の侵略であり、「アメリカ帝国主義の支配から同胞を解放して統一しよう!」と教えていたのは真っ赤な嘘だと気づく。
それが自己のアイデンティティになっているから、アイデンティティクライシスの痛みに耐えられずに大声で頭から否定する。
「毎年六月二五日に流した涙も、一〇年に及ぶ兵役も、取り組まされてきた生産競争も、すべては無意味」
「自分自身の存在も嘘だったということだ。人生のすべてを否定されているようなもの」
これはかなりきついでしょうね。大声で否定したくなるもの仕方ない。
この辺の構図は、朝鮮学校支援者と似ています。
さすが教育カリキュラムを同じ集団が作っているだけあって、同じような犠牲者を生んでいます。
戦後、最も在日の人権を踏みにじってきたのが北朝鮮と朝鮮総連であり、朝鮮学校はそのための支配ツールであった。民族教育なんて真っ赤な嘘。朝鮮人を大量虐殺した相手に感謝するよう奴隷化教育をしている学校だった。そうだよね??
母校愛が強ければ強いほど、そんな意見には大声で反論するでしょう。
「差別を受けることなく、暖かい同胞社会で育まれてきんだ!ウリハッキョを悪く言うな!!」
と、口角泡飛ばす勢いで反論してくれること間違いなしです。
例えるなら、自分の親と慕っていた人が実は赤の他人で、それも実の親を殺して、自分を拉致し、家の労働力として活用しようと考えていただけだった、という事実を知ってしまった感じでしょうか?
この辺のやるせない構図が朝鮮学校問題の解決を阻止していると言えます。
別に朝鮮学校を全否定するつもりはまったくなく、子供の将来を考えて歪んだ教育内容の是正を訴えているだけなんですが、なぜか差別とヘイトの大合唱が巻き起こります。
まぁこれも北と総連が右翼扇動して作り出しているんですけどね。奴らほんと頭いいですよ。実にいまいましい。
どちらにせよ、もはや朝鮮学校を貶め、衰退に手を貸しているのは無条件に朝鮮学校を擁護する人たちです。大人のエゴに巻き込まれる子供はたまったもんじゃありません。
転校という悲しい決断を下さざる得ない、朝鮮学校に子供を通わせる保護者の声にもっと耳を傾けてほしいものです。
国連は北朝鮮には経済制裁を科し、朝鮮学校の無償化除外には差別と指摘した。人類史上最悪といえる暴力と人権侵害が蔓延る北朝鮮政権と、日本中の朝鮮学校が直結しているという点を見逃しているとしか思えない。
「歴史の負債である朝鮮学校の教育を4世、5世の在日の子どもたちに背負わせることが、本当に子どもたちのためだろうか。2世、3世のエゴに過ぎないのではないか。いい加減ここらで一旦解体した方が良いのではないか」。
長い葛藤の後、最近3人の子どもを朝鮮学校から日本学校へ転向させた友人の言葉である。(朝鮮学校卒業生 リ・ナナ)
『拉致と真実 第10号』 P8
こういう苦しい本音を、無条件で朝鮮学校を支援している人たちは知ろうとしません。
もしくは知っても一部の意見だと切り捨てるか、無視します。
こんな大人に囲まれて、同じような大人になってしまっては子供の将来は真っ暗です。
それにしてもこういう指摘をされても、断固として耳をふさぐメンタルはなんとかならんものか?
こういう人たちにとっては、在特会は救世主でしょうね。
こういう右翼がいるおかげで、自分たちの負の部分を見なくて済みますし、差別に苦しむ子供たちを守るため、差別と闘う正義の味方になれます。
そうやって闘っている間は、朝鮮学校の負の側面を見なくて済みますから。
北と総連が、ネット上で在特会のような連中を育成すべくせっせと情報工作を仕掛けるのもよく分かりますね。
差別があってこそ、朝鮮学校の親北人士養成教育が維持できるわけです。
金をもらってるのか、ネット工作にまんまと引っかかっているだけなのか分かりませんが、保守もああいう連中が出てきたらすぐに批判すべきでしょうね。
「鶴橋大虐殺しますよ~!」「いい朝鮮人も悪い朝鮮人も殺せ!」
まさかこれと同意見なわきじゃないでしょうから、こういう暴言を平気で言う輩は言論空間から退場願うのが正しい対応です。
こういうロクデナシに妙に甘いから、拉致被害者奪還という大切な運動全体に対して差別主義者のレッテル貼りをされる羽目になるわけです。
まぁ、そうは言ってももちろん左派も同罪ですけどね。中国や北朝鮮のような独裁国家と平気でつるみますから。本当に信じがたい。
看板に日中友好とか日朝友好とか使ってパッと見、そうと分からないところがやっかいです。
韓国で「南北統一」とか「同族同胞」いう看板掲げて、従北市民団体がやりたい放題やっている構図と一緒ですね。
いい加減、表面的なものに踊らされず、やるべきことをやるようにすべきでしょう。
何せ子供の未来がかかってますから。