北朝鮮が核を放棄しても朝鮮半島は平和にならない

南北融和ムードに韓国がそう状態になっています。

米朝対話までもっていけた文政権の支持率は急上昇。

これには素直に拍手を送りたいです。

対話はすれども「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)」が成し遂げられるまで、経済制裁を一切緩めることがなければうまくいく可能性もあります。

ですがよくよく考えてみると、非核化して果たして朝鮮半島が平和になるかは疑問です。

 

そもそも砲弾数十万発撃ち込んでソウルを火の海にできる砲台群は維持されるわけです。これが脅威でなくてなんなのでしょう?

北朝鮮が非核化に応じ、代わりに多額の経済援助や技術支援、制裁の解除で北朝鮮の産業が刷新されれば、その砲台群がグレードアップすることは間違いない。

細菌兵器を搭載した砲弾に入れ替えられれば核と匹敵するくらい脅威です。

よく北朝鮮は絶対に核を放棄しない、なぜなら核だけが体制を担保する唯一の方法だから、という主張を聞きます。

一理ありますが、嘘です。

北朝鮮の体制保全は、ソウルを人質にすることで担保されています。

何せ北朝鮮が攻撃されそうになるたびに、韓国が勝手に怯えて「戦争回避!平和万歳!」のスローガンを掲げて、北朝鮮のために骨を折ってくれます。

これこそが北朝鮮の体制を守る最大の武器です。

ソウルの脆弱性こそが米国を縛る最大の武器でしょう。

核を武装をあきらめて結局攻撃されたリビアのカダフィなどがよく例えに持ち出されて、カダフィは核を持ってたら攻撃されなかった、だから北朝鮮は核を放棄しない、という論理もズレた議論です。

かりにリビアのカダフィがベルリンやパリを何十万発の砲撃で攻撃できるとしたら、NATOはリビアを空爆できなかったでしょう。

イラクもリビアも北朝鮮とは条件が全く違います。

条件の違う事例を比較対象にしても無意味ですし、間違える元です。

北朝鮮との交渉は、北の閉鎖性や人権状況が改善するような交渉をしなければ無意味です。核オンリーの議論では必ず破綻します。

なぜなら核放棄したところで脅威はなくならないし、平和にもならないからです。

むしろ核放棄の代わりに在韓米軍撤退や韓米同盟破棄を要求し、もし韓国がそれを飲んだらいったいどうするのでしょうか?

朝鮮半島から核がなくなった!平和になった!!となるでしょうか?

ありえません。

北朝鮮のあの攻撃的な性格が変わらない限り脅威は継続します。

そもそも北朝鮮が自由で民主的な国なら、たとえ核武装しても大して騒ぎませんよ。むしろ中国の脅威に理解を示して、容認してもいいくらいです。台湾が核武装しても日本としては賛成すれども反対する理由があまりないのと同じです。

経済制裁が継続され、いよいよ軍事攻撃が避けられない!という状態まで追い詰められれば、北朝鮮は核放棄を飲むでしょう。

実際に査察を受け入れて、本当に核施設の閉鎖くらいはやると思います。

しかし、すでにある核弾頭はどこかに隠します。査察団もそれを見つけることは不可能でしょう。

北朝鮮は核放棄の代わりに体制の安全を求めます。

つまり、北朝鮮の人権蹂躙には黙ることになります。

韓国はすでに教科書をそう書き換えてますね。さすが左派政権。日本への執拗な謝罪要求に比べてなんと寛容なことか。

数々のテロ攻撃もなくなり、独裁や世襲という単語も消え、過去は水に流して未来志向で友好一色で子供に教えて行こう!という動きがどんどん進んでます。

教科書国定化に反対した理由がよくわかりますね。

脱北者の口も封じられるでしょう。

強圧的に黙らせるのではなく、南北融和ムードに水を差すからやめてほしいと必死に懇願されて黙らざる得なくなる可能性が大です。

北朝鮮の体制の安全を保障することを飲むのであれば、脱北者という国外亡命者が国連の場で北の非人道性を訴えることも、体制の安全を阻害するという理由で、北朝鮮は禁止を求めるでしょう。

それを飲むつもりでしょうか?

飲めなければ北朝鮮側は「約束をやぶった!」と言って核開発をまた始めるかもしれません。

脱北者も北朝鮮の法律では犯罪者です。体制の保全をするなら北朝鮮の国家主権を尊重しろ!こちらに犯罪者を引き渡せ!と言われたらどうするのでしょうか?

別に核がなくても、今までも北朝鮮の朝鮮人奴隷支配体制は揺るぎませんでした。

数々のテロ犯罪も核はないときに行われました。

核廃棄が平和につながるという理論はまったく成り立ちません。

交渉の結果、北朝鮮が実際に核を放棄したら韓国は大喜びするでしょう。

米国も日本の喜ぶでしょう。

制裁は解除され、人道支援や経済援助も北朝鮮労働党経由で、すべて「首領様の配慮」にロンダリングされて北朝鮮人民に配られ、金正恩統治の一助になることは間違いなし。

その時に世界は気づくでしょうね。

きっとこんな感じ。

あれ?平和になったっけ??ソウルは砲撃群の射程内に収められてるし、経済援助によって北朝鮮の通常兵器の装備が刷新されて、ダメダメな通常戦力が、そこそこ強力になったぞ??

個人崇拝教育は続いてるし、反韓・反米・反日教育は変わってないぞ。

北朝鮮が騒ぐから在韓米軍も撤退しちゃったぞ。

核の射程にも入ってないから米国も知っちゃこっちゃない、自分でなんとかしろって状態だぞ。

毎年、わが民族同士、同族同胞、南北融和ということで平壌訪問してるけど、向こうの報道では「首領様を慕う南の同胞が挨拶に来た」と属国扱いだぞ。

あれれ~、これって平和なのか~~~??

こんな感じでしょうかね。

非核化に向けた対話が始まったと文政権や韓国メディアは大喜びしてますが、天王山は非核化ではなく、北朝鮮の凶悪性の除去です。

そのために交流を増やして、経済支援をするんだと言う輩がいるでしょう。

そういう連中の頭の中は、経済発展を通して人権状況が改善され、北朝鮮が改革・解放へと導かれ、最終的には自由化・民主化すると思っているんでしょう。

アホかと。

そんなことになったら、北朝鮮の個人崇拝式独裁統治という体制が崩壊します。

北朝鮮の指導部からしたら政治的自殺です。

やらせるわけがない。

仮に今回の交渉がうまくいくとすれば、北朝鮮側をうまくだまして閉鎖性や人権弾圧のシステムをなし崩し的に崩壊させるようなやり方ができた場合でしょう。

38度線の国境を一部開いて北の闇市と韓国の市場をつなげる。

北朝鮮からの労働者派遣を認めて、給料は直接渡し、北朝鮮政府にピンハネされないような仕組みで北朝鮮内から外に人を出す。

北朝鮮から留学生を受け入れる。

人道支援を行うNGOに北朝鮮国内を好きに移動して支援できるように認めさせる。

非核化の交渉に併せて、こういった北の閉鎖性を打破する交渉も重要です。

北の攻撃的な国家体制が変えない限り、東アジアに平和など訪れません。

「非核化が実現すればバラ色の未来が訪れる」

こんなズレた認識が広がらないことを祈るばかりです。