進撃の文在寅:「包容国家」というスローガンが登場

所得主導経済が大コケしたからでしょうか、「包容国家」というスローガンが登場しました。

子供に囲まれたとっても第一印象の良い写真を使って、いかに「包容国家」が素晴らしいビジョンかを語っているようです。

文大統領いわく「国民の暮らしに責任を持つ包容国家政策が実行される」とのことです。

なんか似たようなことをかつて共産主義者が言ってましたね。

で、思いっきり失敗しましたんですけどね。

韓国経済を焦土化して、「この問題を解決するには南北統合経済圏構想しかない!!」みたいなことを言い出して、赤化統一を成し遂げようとしているのでしょうか?

経済危機は南北統一で解決。

少子高齢化も南北統一で解決。

社会福祉が維持できなくなったら南北統一で解決。

気付いたら南北連邦制国家になっていそうです。

「包容国家」について、大変好意的に書いているハンギョレの記事を引用しながら何がヤバイかを指摘していきたいと思います。

 

文在寅政府のパラダイム転換、所得主導成長から「包容国家」へ

6日、大統領主宰の「包容国家戦略会議」が開かれ 
社会政策議題としての最初の戦略会議  
大統領が3日、初めて「包容国家」を言及

文在寅(ムン・ジェイン)政府が「革新的包容国家」を社会政策分野のビジョンとして提示する。このような下絵に沿って政府各省庁は社会政策課題の優先順位を新たに整える予定だ。

「所得主導経済」で、「雇用大統領」になるとか言ってましたが、大失敗したので、メディアの視線をそらして支持率を維持しようとする意図が見え見えです。

経済はダメでも、社会保障の分野で良い仕事していることをアピールしたいのでしょう。

(中略)

文在寅政府の「包容国家」戦略//ハンギョレ新聞社

3大経済政策の「所得主導成長」「革新成長」「公正成長」に、「包容的・革新的社会政策」をプラスするのが今後の政府の方向性のようです。

3大経済政策の「所得主導成長」が失敗し、雇用後激減して景気後退懸念が広まり、「革新成長」どころか若者が公務員になりたがり、企業は自己防衛に走って保守化してます。さらには所得格差が広がり「公正成長」も見事に失敗。

3大経済政策がことごとく破綻しました。

それをごまかすために、新たに「包容的・革新的社会政策」をプラスして、この社会福祉政策とセットになれば、破綻した3大経済政策もうまく回ると言いたいのでしょうね、きっと。

大統領は3日、基礎年金の引き上げなど政府の福祉政策に言及し、初めて「包容国家政策」を口にした。文大統領はこの日、大統領府が主宰した首席・補佐官会議で「今月から高齢者のための基礎年金と障害者のための障害者年金額を引き上げ、児童手当てを新たに支給する」とし、「国民の暮らしに責任を持つ包容国家政策が実行される」と説明した。文大統領が「包容的成長」、「包容的福祉」という言及を行ったことはあるが、「包容国家」という概念を使用したのは今回が初めてだ。政権2年目を迎えて、国家の「志向点」を提示したものだと解釈される。

いいこと言ってます。実現できれば素晴らしい。否定はしません。

包容国家戦略会議の発足は、年初から予告されていた。政府内外では少子高齢化、不平等、働き口の減少などの問題が深刻になり、社会政策パラダイムの転換が必要だという共感が形成されており、これに大統領府は大統領直属の政策企画委員会(委員長チョン・ヘグ)に任せて3月から関連研究を進めてきた。この過程で当初「社会政策戦略会議」だった会議の名称は最近、包容国家戦略会議に変わった。政策企画委員会包容社会分科委員長のキム・ヨンミョン中央大学教授(社会福祉学)を含めて韓国労働研究院・韓国保健社会研究院など、国策研究機関の研究員8人が参加し、基礎年金・国民年金など所得保障制度▽雇用セーフティネット▽少子高齢化対策などの分野をくまなく見直した。

包容国家戦略会議で、年金・雇用保障・少子高齢化対策を「くまなく見直した」とあります。

無駄を省いて効率化するとか、持続可能な社会福祉制度のために、世代間の負担格差を是正するとか、その手の結論が出るなら良いのですが、そんな気配はありません。

ひたすらバラマキです。

(中略)

別の政府関係者は「政府が所得主導成長という『成長論』から『包容的福祉』へとパラダイムの軸足を移していくという意味がある」と伝えた。

この手の話は、日本の民主党時代にも良く聞きました。

「縮小国家」とか、「足るを知る」とか、これから人口も減るし経済が縮小していくのは仕方のないことだ、という成長あきらめ論です。

きっと文政権もこの手の論理で、経済政策の失敗をごまかすでしょう。

その代わり、社会福祉を充実させて支持率を維持していこうという狙いです。

かつて日本のリベラルたちが、北欧諸国のような高負担・高福祉国家が日本の見習うべきモデルだ!と言っていたのを思い出しました。

きっと、その人たちは、韓国に理想を見つけた!と大喜びしてこの政策を褒めちぎりそうです。それが韓国を地獄に落とすことになるとも理解せずに。

これまで、文在寅政府は経済政策に比べて社会政策全般を見据えた「大きな絵」を強調しなかった。所得主導の成長から「最低賃金引き上げ」という懸案だけが浮き彫りにされたまま、社会セーフティネットの強化・所得分配改善などの社会政策制度が大きく目立って見えなかったのが代表的だ。

はいはい、失敗を認めて反省し、政策を破棄すれば良いのに、このまま10%の最低賃金UPを強行し、その結果出てくるマイナスは「包容国家」社会福祉政策で取り繕おうということでしょう。

セーフティネットが拡充されていれば、バンバン失業者が出ても、ある程度ごまかせます。

政府は今回、革新的包容国家という新しいビジョンを提示することにより、所得主導成長・革新成長・公正経済という経済政策分野の3つの車輪と包容的・革新的社会政策を融合させていくという構想を持っている。

「包容的・革新的社会政策」を融合させれば「所得主導成長・革新成長・公正経済」もうまくいくという考えですね。

こりゃ最低賃金引上げはやるな。

このようなビジョンを具体化するため、国民が享受しなければならない基本的な暮らしがどの水準で保障されるべきかなどを政策目標として提示する案が話し合われている。政府は包容国家戦略会議を随時開き、社会政策課題の優先順位を調整する一方、社会政策の領域で具体的な課題を点検するために汎政府レベルの推進団を設置することを検討中だ。

文在寅政府のパラダイム転換、所得主導成長から「包容国家」へ

「国民が享受しなければならない基本的な暮らしの水準」がどのようなものか楽しみですね。

きっとバラ色とは言わないまでも、そこそこ素晴らしいものが出てくるでしょう。

これが「今のままでは社会福祉は破綻する!最低限飢えず、ホームレスにならない暮らしを国民全体に行きわたらせるため、年金の受給年齢を〇歳まで段階的に上げ、定年は遅らせて動けなくなるまで働いてもらい、女性にもどんどん社会進出して働いてもらわないといけない」という夢も希望もない冷徹なビジョンが出てくれば希望はあります。

しかし、そうはなりそうもありません。

国民の不満・不安の声を丁寧に拾って、実現可能性など無視してバラ色の社会福祉政策を提示してくるでしょう。

これが「革新的包容国家だ!」と。

文政権のやっかいなのは、この辺の宣伝扇動が巧みで、提示しているビジョンの理想は間違っておらず、案外悪くないことです。

このプランにリフレ政策による大規模金融緩和がセットになっていればうまくいく可能性もあります。

金融緩和でウォン安になっており、その結果観光や輸出が順調で、需給ギャップは解消されてほぼ完全雇用が実現されており、最低賃金も人手不足で人を確保するために各事業者が自主的賃金UPしている中で徐々に上がり、景気が良いから企業もチャレンジ精神を発揮して革新的なベンチャー企業が出てきていて、その好調な経済を背景に、社会福祉を成長させて公平な社会を実現する。

こういう流れなら「包容国家」も可能かもしれません。

しかし、そうはなっていません。

このままでは貴重な税金を、穴の開いた鍋に水を注ぎこむように消えていくでしょう。

何せ雇用対策のために50兆ウォン(5兆円)をぶっこんだにも関わらず、雇用はまったく増えずに減少の一途を辿っているわけですから。

支持率が下がれば下がるほど、経済が悪化すればするほど、南北経済圏構想に執着し、韓米関係を犠牲にして対北朝鮮交渉に入れ込むことでしょう。

まだ4年近く任期が残っている文大統領。

文政権による韓国経済破壊政策が行くところまで行けば、次に起きるのは弱者切り捨てです。

自分の支持基盤の年齢層は大事にして、保守の支持層である高齢者はバンバン見捨てるでしょう。生活に絶望して自殺しても放置すること間違いなし。

何せ問題だと思っても経済が破綻していたらどうにもできませんから。

ネットの書き込みも「俺たち若者も余裕がないんだ!高齢者が生活苦で自殺してもどうにもできないよ!」的な罪の意識を希薄化させる言論が飛び交って、高齢者切り捨てを黙認するでしょうね。

敵の政党の支持者が死ぬ分には文政権も気にしない。そういう人たちです。

これは道徳的にダメだろうがなんだろうが、そうなるしかない。EUの難民反対も同じです。余裕がなくなればそうなります。

「経済が弱い」とは「弱者を助ける余裕がなくなる」ということです。

だからこそ経済政策の失敗は罪深い。間接的な殺人です。

日本の民主党が罪深く、安倍総理が偉大なのは経済政策が失敗したか成功したかが最大の理由です。

その功績に比べたら多少右翼っぽくても気にしませんよ。しょせん愛国路線なんて流行りませんからね。「日本を愛する教育?まぁ頑張ってみたら、無理だと思うけど」くらいに思ってます(笑)

文政権の今までの実績と、これからやろうとしていることを見る限り、かつての日本の民主党と同じ失敗を10倍悪化させて繰り返しているようです。

どうにも止まらない進撃の文在寅大統領。

誰か止めてくれ…。