文在寅の800万ドル対北支援。
本当にやるのか!?と気が気でない。
人道支援は経済制裁とは別という無理筋の言い訳で正当化しようとしていますね。困ったものです。
経済制裁についても否定的な意見を言う人がいまだにいます。
北朝鮮への経済制裁に否定的な人たちの論調はだいたい次の通り。
- 抜け道があるから経済制裁は効果がない
- 北朝鮮人民には罪はないから人道目的の支援は続けるべき
- 緊張が高まり北朝鮮の暴発を招く
一つ一つ反論してみましょう。
1、「抜け道があるから経済制裁は効果がない」
暴論です。
何もしなかったら「抜け道」どころか「大通り」を闊歩することになるでしょうに。
北朝鮮との商取引を不法な行為に指定して、商売をやりづらくさせるのが経済制裁です。
完璧に止めることはできなくても、究極にやりづらくさせることはできます。
端的に言えば嫌がらせです。
たしかに利益に目がくらんで国際社会の協調を無視して取引する連中は必ず出てくるものですが、そういう輩がいるから経済制裁は意味がないとか、限界がある、という論調はありえないでしょう。
北朝鮮が崩壊するほどではないかもしれませんが、効果はあります。
いままでは覚悟が足りなかっただけです。
トランプ政権がセカンダリーボイコットを本気で取り組んで、中国やロシアに北朝鮮と取引やめないと金融制裁をするぞ!と圧力かければ北朝鮮はかなり厳しくなるでしょう。
経済制裁に効果がないなんて暴論です。効果があるからこそ、進退窮まってサイバー空間で銀行強盗とかやりだすわけです。(それにしても堂々と銀行強盗までやり出すとは恐れ入る)
2、「北朝鮮人民には罪はないから人道目的の支援は続けるべき」
文在寅政権の主張ですね。
朝鮮日報の記事に『論議を呼ぶ「800万ドル対北支援」、統一部の苦しい釈明』でこう書かれています
また「北朝鮮の住民にきちんと届くのか」との指摘について、統一部は、国際機関が徹底的にモニタリングしており、現金ではなく医薬品などの現物を支援するという点を強調し、転用の可能性はないと主張した。
どうやれば南北統一できるのか四六時中考えるのが統一部の仕事と思っていましたが、北朝鮮理解がこの程度とはあまりにも情けない。
まず、「住民にきちんと届くか?」どうかで「国際機関が徹底的にモニタリングしてるから大丈夫」と回答しています。
まぁ届くでしょう。
正確に言えば、届いたように見える、でしょう。つまり、「国際機関の職員が見ている前で渡す姿を見れる」ということです。
それを真に受けちゃいけません。
すべてが演劇ですから。
「医薬品を届けてくれてありがとう!」と、お涙ちょうだいの姿を見せて、さらなる支援を引き出そうとするでしょう。子供を使ってやると思います。
そして、あとから回収です。
ナイス演技ということで少しはもらえるかもしれません。
これが北朝鮮のやり口です。
食料支援だって同じやり口でやられてますよ。
「あとから回収する」というあたり前のことに気づいてないようでは、いいように支援を強奪されるだけです。
あと凄いのは、「現金ではなく医薬品などの現物だから転用できない」という主張。
バカバカしい限りです。
北朝鮮にだって市場があります。
医薬品だろうがなんだろうが、市場で横流して現金化されて、めでたくミサイル開発の費用になります。
人道支援の名目で現物をゲット⇒市場で現金化⇒中国経由でミサイル開発に必要なものを買う。
もしくはミサイル開発をしている職員の給料にしてもいいですし、現物をそのまま渡してもいい。
どちらにせよ、マジで転用できないと思っているなら浅はかすぎます。
医薬品なんて支援する側が望む貧乏人にはまず使われません。金払える人に医薬品は使われます。資本主義国家より、はるかに拝金主義的です。
さらなる支援を引き出すために「人道支援に感謝する北朝鮮人民」という劇場を運営するために、ごく一部が実際に住民に手渡されるかもしれませんが、大半は党中央の持ち物になり、幹部の忠誠心を買うための原資となるだけ。
本当に人道支援をしたいなら、貧困地域と言われるところに空から現物をパラシュートで落とした方がはるかにマシです。
輸送コストがかかるとしても、800万ドルの人道支援を北朝鮮政府を通してやるくらいなら、飛行機で空からバラまいた方がよほど人道支援になります。
3、「緊張が高まり北朝鮮の暴発を招く」
ミサイルの脅威を強調する人たちに対して、北朝鮮擁護派の言い分は「攻撃したら反撃を受けて北朝鮮は崩壊する。そんなバカなことはしない」です。
「緊張が高まり北朝鮮の暴発を招く」と論理的に矛盾しています。
「反撃受けたら体制崩壊するから絶対に攻撃してこない」わけですから、いくら圧力かけても大丈夫でしょう。
安心して制裁しまくれば良いと思います。
まぁ小規模な軍事衝突は起こすかもしれませんね。
島砲撃したり、潜水艦沈めたり、艦艇沈めたり、サイバーテロ仕掛けてきたり、全面戦争にはならない程度に暴れそうです。
しかし、それを恐れて放置したところで問題の根本的な解決にはなりません。
あまり圧力かけたら「緊張が高まり北朝鮮の暴発を招く」という意見は、モンスタークレーマーに関わりたくないから金を渡すようなものです。ヤクザの総会屋と同じですね。
犯罪者には毅然とした態度でのぞむ。
韓国にはこういう姿勢を貫いてほしいものです。
最後に、制裁が北朝鮮の市場化を促す面もあることは強調しておきたいですね。
制裁をうけて経済的に苦しくなる⇒配給制や給料の支払いができなくなる⇒末端の幹部が言うことを聞かなくなる
北朝鮮では法律無視=自由化です。
賄賂を取られますが、賄賂を払えばなんでもできるわけです。不完全ながらも自由市場制度が実現されます。
外国からの支援は、全部ではなくとも北朝鮮住民に届くからいいじゃないかという意見が根強いですが、北朝鮮政府を経由した瞬間、物資は「元帥様の愛」となり、それに感謝する教育が行われ、忠誠心を競争がはじまり、体制維持に寄与することになります。
「人道支援」=「絶対善」という思考停止が、結局北朝鮮の暴圧体制を維持することに貢献してしまう。
文在寅はじめ、韓国の左派の人たちも、いい加減この構図に気づいてほしいものです。本当に北朝鮮人民のことを想うなら。