帰還事業で北朝鮮政府を提訴する意義 「望んで行った」のと「騙されて連れていかれた」のとでは日本政府の対応が全然違う

8/20(月)に、脱北者が北朝鮮帰還事業は人道上の犯罪だということで北朝鮮側を提訴しました。

批判的な人は、やるだけ無駄とか言いますが、北朝鮮から謝罪と賠償金がもられるなんて思っていません。

大事なのは、「帰還事業は人道上の犯罪行為」だと法的に認めさせることです。

「望んで行った」というのと「騙されて連れていかれた」では、日本政府の対応姿勢が180度変わるわけです。

とんでもない人道犯罪だったと認められれば、日本に連れて来て、あとは市民団体に丸投げして完全にほったらかし、という外務省の対応が大きく変わります。

 

拉致被害者と同じような扱いになれば、地方自治体主導の人権教育にも取り入れられることも可能でしょう。

教科書にも大いなる悲劇だったと載るかもしれません。

日本の脱北者なんてほとんどが帰還事業で北送された人やその子孫です。国家犯罪の被害者と認定されれば、ほったらかしの脱北者受け入れにも予算がつくかもしれません。

国連で訴える場を日本政府がアレンジしてくれるかもしれません。

日朝会談でも全員返せは無理でも、自由往来を認めさせることくらいは可能かもしれません。

取り戻せないとしても、帰国事業で渡った人のリストを渡し、それぞれその後どうなったのかを確認するくらいの交渉はできるかもしれません。

しかし、今の状態では日朝交渉の議題に上る可能性はまずないわけです。

そう考えれば、この訴訟には意味があります。

「北朝鮮帰還事業は、北朝鮮政府による人道上の犯罪行為だった」だと認めさせる。

これは非常に意味のあることです。

「どうせ北朝鮮から賠償金なんてもらえないからやるだけ無駄」という意見は視野が狭すぎます。

皮肉にも南北離散家族再会事業で、涙涙の再会劇がメディアで流れているときに、この提訴です。

いつもそうですが南北友好行事では、韓国の拉北者、韓国国軍捕虜、北朝鮮帰還事業で北送された人々、そして脱北者、こういった被害者はまず取り上げられません。

大々的に触れようものなら和解ムードが壊れて離散家族再会事業が潰れるからと、暗黙の了解で南北政府間でキレイに無視。困ったもんです。

面白いのが、日頃人権掲げて朝鮮学校の無償化を訴えたり、南北合同チームの報道に喜ぶ人たちが、この件には沈黙していることでしょうね。

色んなメディアで報道されているわけですが、この手の人たちがリツイートしたりして、拡散に協力するなんてことはまずしない。

対応姿勢は決まってます。

スルー。

完全にスルーです。

この人たちの目には北送在日同胞の脱北者は存在しないかのようです。

自分たちの活動に利用できれば協力するが、邪魔になるなら無視。

これが日本の左翼団体です。

まぁ右翼団体も一緒ですけどね。

どこもそんなもんだと言われればその通りかもしれませんが、「LGBTは生産性ない」と暴言吐かれて「傷ついた!人権侵害だ!」怒るわりには、リアルに家族殺されたり、身代金要求されたりとシャレにならん被害を受けてきた人のためには何もしないのは謎ですね。

この訴訟を通して「人道上の犯罪行為」だと認められればいいですね。認められればそのあとの展望も開けますから。