北朝鮮が動き出しました。
2年前に逆戻りして、北朝鮮メディアが他国を口汚く罵る定常運転へ戻るかと思いましたが、そうはならなそうです。
「自主」「自立」「自力」などなど、肯定的な単語を乱舞させ、実質ただの引きこもり鎖国国家へと突き進んでいたわけですが、対話モードを再開させる模様です。
まぁどこまで本気かは謎です。
完全な非核化をせずに、経済制裁が解除されることはほぼ不可能と北朝鮮も悟ったはず。
おそらくは素敵な手紙(トランプいわく)と肯定的な姿勢の代わりに、飢饉が起きそうな国内事情を下支えすべく、人道援助の獲得にでも乗り出したのでしょう。
具体的な非核化措置を取らずとも対話モードを続ける限り、いくらでも食糧を届けてくれそうな韓国文政権がお隣にいるわけです。
米国が金出して支援するのは米国国民の反対で無理かもしれませんが、トランプ大統領が黙認すれば文大統領がせっせと食糧や医薬品を金正恩に届けること間違いなし。
韓国を食糧ATM化して、現在の食糧危機を乗り越えようとしているのかもしれません。
そういう点ではさんざんじらしにじらして、このタイミングで書簡を送るというのは良いタイミングに思えます。
チャン・ソンテクを排して以降、ほぼ対抗権力者は始末し、北朝鮮国内の地位は盤石にした金正恩。
国内の反乱は恐怖支配で抑え込めていますから、あとは国外からの軍事攻撃さえ回避すれば、金一族独裁体制の維持は確実にできます。
今の経済制裁されている状態は十分厳しいですが、さらなる経済制裁の強化を防ぎ、のらりくらりと対話を続け、軍事攻撃を回避できれば御の字。
そのための心温まる書簡です。
安いもんですわ。
飢餓を防ぐために食糧援助を韓国やロシア、中国など国際社会からゲットして国民を養う責任を他国に転嫁。
これを10年、20年続けて金一族支配を維持。
その間、チャンスがあれば核を保有したままで制裁解除を目指す。
北朝鮮の生存戦略はこんなところでしょう。
そしてそれを見ているしかできない日本。
北朝鮮は本当に巧妙ですね。
いまいましい限りです。