香港のデモが世界中で注目を集めています。デモの規模が過去最高を更新。
先週、約103万人で過去最高を更新と大騒ぎでしたが、今週は200万人越えで記録を二倍にして更新です。
香港のデモは大きなうねりとなっています。
先週のデモは警察に鎮圧されましたが、その際負傷者79人、逮捕者11人を出す惨事となりました。

このデモのきっかけになった「逃亡犯条例」になぜ反対なのかは次の通り。

詳しく条文などは知りませんが、中国共産党が恣意的に犯罪者認定した人を中国へ移送できるようになってしまうとのこと。
仮に反中デモをした人間を犯罪者認定して、香港から中国へ移送させられるようになったら自由に香港でデモをすることは不可能になるでしょう。
大規模な反対デモになるのも分かります。
そもそものきっかけは、香港人の男性が台湾旅行中に恋人を殺害し、香港に逃げたにもかかわらず、台湾との間で容疑者の引き渡し協定がなくて問題となったことが原因。

本来は法の抜け穴を塞ぐための良い法案のはずが、中国が絡むと途端に危険な法案に早変わり。
犯罪者の引き渡しなんてどこでもやってる話なのに、相手が中国だとこれだけの拒否反応が出るわけです。
いかに中国共産党が嫌われているか分かるというもの。
ちなみに、香港のデモですが中国メディアでは報道されていません。
それもまた恐ろしい話です。
NHK BS放送で世界の国営放送をピックアップして日本語吹き替えで放送する『ワールドニュース』というのチェックしていますが、本当に中国の放送では香港のデモが出てこない。
ドン引きですわ。
こういう情報統制を真面目にやるのが中国や北朝鮮といった”真面目な独裁国家”の恐ろしいところです。
今まであった香港の大規模デモでは、反対意見を受け入れて撤回していたようなのですが、習近平体制になってからは引かないようになっている模様。

比較的「撤回」してくれていた胡錦濤時代が懐かしい。
習近平は香港への締め付けを弱めることはないでしょう。
何せ経済は抑えています。
中国内地からの移住者が増え、香港の未来に絶望して逃げる人が増えれば、徐々に香港の中国化が進みます。
正直この流れには抗えないでしょうね。
もし希望があるとすれば中国が自由化・民主化する道のみ。
それもかなり無理くさい。
台湾ならともかく、陸続きの香港相手に米国やその他の西側諸国が香港のために中国と全面戦争するとは考えづらい。
テロ活動上等の狂気じみた香港武装勢力がいれば、もしかしたら西側諸国の支援のもと抵抗闘争を続けてシンガポールのように独立国家として成立するかもしれませんが、そんな気合の入った香港人がいるはずもない。
何気に香港はシンガポールより人口が多かったりしますが、マレーシアの圧力と中国の圧力では次元が違います。武力で抵抗しても無益なものにしかならない可能性が高い。
妥協案があるとすれば、どこかの段階で希望者を無条件で台湾へ移住させる、というやり方でしょう。台湾でなくとも、米国でもイギリスでも日本でもOKです。
残念ながら香港の立地と人口で、中国の圧力を跳ね返し、政治的独立性を維持するのはほぼ不可能。
香港には頑張ってもらいたいとは思いますが、大規模デモで国際世論をどんどん煽りつつ、どこかの時点で希望する香港人を丸ごと希望地へ移住する枠組みを考えた方が良いんじゃないかと思えます。
生まれ故郷を離れるのは辛いでしょうが、残るのであれば中国化していく香港を受け入れる以外ないでしょう。
移住して未来をつかむか、残って衰退する香港を見つめ続けるか。
苦しい選択ですが、数百万人規模の人生がかかっています。
移住案も真面目に考慮すべきでしょう。
選択肢は多ければ多いほどよいはずです。