苦しい言い訳でしかない『高校無償化裁判―249人の朝鮮高校生たたかいの記録』

総連の機関紙、朝鮮新報の一部でもある月刊イオが出版している『高校無償化裁判―249人の朝鮮高校生たたかいの記録』。

あまりにも詭弁を弄するのでいちいち指摘してみたいと思います。

産経どころか朝日など左派系メディアの報道も批判しています。さすがに教育内容や姿勢を変えてもらわないと擁護しきれない、というのが左派系メディアのメッセージでしょう。

しかし、そのような報道姿勢でさえも気に入らないらしい。

論点のすり替えや相手を批判することで自己正当化を図っているようです。

P96~100を引用しつつ、どこがおかしいか指摘してみます。

 

4 無償化とメディア

康煕奉(ジャーナリスト)

日本の新聞社説は無償化除外問題をどう語っているか

日本政府(文科省)は3年にわたる朝鮮高校の無償化適用問題を決心できず、ついに2013年2月、省令を改悪した上で無償化除外を通知した。朝鮮高校無償化反対論者の主張では、朝鮮高校を無償化から排除するのは難しいという判断からであろう。内容が膨大であるだけに、ここで扱うのは主に朝鮮高校排除反対論の立場を取っているメディアを対象にしている。排除賛成論は等しく確信犯的であり、聞く耳持たぬ、なので論外とするはかない。

この後、朝鮮学校無償化”賛成派”の報道姿勢が気に入らないとケチをつけています。

ケチをつけるというより、朝鮮学校側の主張する論理で報道しろ!という要望です。

教育を受ける権利の視点が欠如

日本政府の無償化措置から朝鮮高校だけを排除するという非人道的差別(ヘイト・クライム)に対する日本のマスコミの扱いは、まったく本質的問題とは懸け離れたものだった。この文章を書くために日本各紙の社説をできるだけ集めて読んだ(全国の新聞18紙の23社の社説と数十の報道)が、驚いたことにどれを取ってみても、事の本質から外れた現象や、いたずらに(結果的に)朝鮮高校への疑念を深め、排除論者の主張を論破しきれないものであった。

日本政府は朝鮮高校の無償化不適用の「理由」として「拉致問題に進展がないことや朝鮮学校が朝鮮総連と教育内容、財政などで密接に関係していること」を挙げ、このままでは「国民の理解を得られない」ことを挙げている。どこから見ても不当である。ここで言っている「国民」とは誰を指していっているのか、という疑問が生まれるが、それはさておき、思想、信条や政見、所属の違いは、子どもの教育を受ける権利を制限する要因にはならないというのが世界に受け入れられた普遍的な認識であることをまず確認しておくべきである。

「教育を受ける権利」

これを錦の御旗に掲げ、世界における普遍的な認識と主張しています。問題のすり替えです。朝鮮学校の教育のあり方が子供の学ぶ権利を侵害しているのが問題の本質です。

未だにこのソルマジ公演を子供にやらせているのをどう説明するつもりでしょうか?

「親と子供が勝手にやっている。学校は関係ない」「昔からやっている。今更言うな」と苦しい言い訳をしていますが、学校の校長先生が引率して毎年平壌に連れて行っているわけです。さらには在日一世、二世を大量虐殺した金日成・金正日の銅像に頭を下げさせ、教育援助金を毎年贈ってくれてありがとうと感謝させる。

これが”まっとうな教育”と言えるでしょうか?

だが、この視点から問題の深刻さを指摘したマス・メディアはまず無かった。例えば朝鮮高校生徒への無償化適用排除に反対の立場を取った2012年12月30日の毎日新聞の社説は、無償化適用の理由を①朝鮮学校に学ぶ生徒の大半は日本に生まれ育ち、将来も日本の社会に生きる、②教育内容も日本の高校に相当する、③多くの大学は朝鮮高校卒業者に受験資格を認めている――等をあげるだけで、論旨は反対論者のあげている「理由」への反論に止まっている。つまりかれらのペースに乗っているのだ。

「かれらのペース」=反対論者の主張でしょうが、いままで擁護してきた毎日新聞でさえも実態が知れるにつれて庇いきれない、というだけです。

真摯に指摘を受け入れて改善すれば良いのに、味方をわざわざ敵に押しやっているのは朝鮮学校の方でしょう。

メディアは良かれ悪しかれアジェンダやパラダイムを設定する機能を持つ。ところがそのメディアが、政府が無償化排除の「理由」として掲げた点をそのまま自らのアジェンダとし、それに従って議論のパラダイムを作り上げている。そしてそのためにメディアに接する人々の思考の枠組みがほとんど固まってしまった。

朝鮮高校は朝鮮総連の「指導」を受けている(密接な関係にある)→朝鮮総連は朝鮮政府の指導を受けている→朝鮮は拉致問題の解決に不誠実だ、だから朝鮮に圧力をかける上でも無償化の対象から排除すべきだ、という設定がそれだ。他にも①反日思想教育をしている、②拉致問題やミサイル問題などを教えていない、③教育内容や学校運営が不明確だ…とこまごまとした口実を掲げているが、それらは無償化の意図とはまったく関係がない、無償化から朝鮮高校を除外するために考え出した口実でしかない。とりわけ産経新聞の報道はこれに終始している。しかも同紙社説(10年2月23日付け)は主題が「朝鮮学校 無償化除外へ知恵を絞れ」とあるように、うまく差別するために知恵を絞れと言っているもので、論外である。しかし「(文句が出ないように)うまく差別するために知恵を絞れ」と差別を積極的に促す、こうした主張へのメディアの反論、批判を見たことはない。政府の姿勢がそうであるからして、こうした「理由」がこの問題のアジェンダ、パラダイムとなってしまった現実をメディア自ら受け入れてしまったことの証拠であろう。

こういう意見を見るにつれて、朝鮮学校卒業生や教員、元総連活動家の人たちが、いくら言っても「変わらない」という意見に同意してしまいそうになる。

これも論点のすり替えです。

だいたい帰国事業で北送された在日同胞を残酷に大量虐殺した相手から教育内容について指導を受けていることを「無償化とは関係ない」と言える神経が信じがたい。

確かに直接は関係ないかもしれない。本質的な問題は今の教育内容が”まっとうな民族教育”と言えるのか?という問題です。

「在日同胞の学校」なのか?それとも「将軍様の学校」なのか?という根本的な問題です。前者なら無償化されるでしょうが、後者なら無償化もされず生徒も減って歴史ある朝鮮学校は滅亡するしかありません。

 

差別だという本質から逃げた論調

そのために無償化適用賛成論の立場を取った新聞の社説も、総じて反対論者の作ったアジェンダの枠内で反論を試みているだけである。先に挙げた毎日新聞の社説もそうだ。したがって人権の見地、子どもの差別無く教育を受ける権利という普遍的見地からより強く賛成を主張することができず、教育は不偏不党の立場から行われねばならない、政治的中立性(基本法8条)は守らなければならないとする憲法上の大前提や、国連の「子どもの権利条約」にも違反している重大な人権侵害であり、在日朝鮮人差別だというところに問題の本質があることを見逃したままである。

日本政府は差別をしています。

北朝鮮の魔の手から朝鮮学校の子供を守らないという差別です。

そしてその差別に加担しているのが朝鮮学校であり、朝鮮学校支持者たちです。なにせ日本政府に北の魔の手から子供を守らせないようにしているわけですから。

人権侵害をしているのは朝鮮学校の方でしょう。

収容所で同胞が次々と虐殺されているのに、平壌に行っておいしいものを食べ、父なる金正恩元帥様と言わせているわけですから。

将来事実を知った子供がどれだけ傷つくのか分からないのでしょうか?

2013年1月9日付け朝日新聞の社説もその例に漏れない。「無償化で改善の回路を」と題した社説は「確かに拉致に加え事実上のミサイル発射実験などから北朝鮮への国民の不信は強い。朝鮮学校も教育のあり方が疑念を招いてきた」などと、朝鮮高校除外賛成論を受け入れ、無償化を認める場合に付けた「留意事項」を是認した上で、「(朝鮮高校を)無償化の対象にして回路を保ちつつ、改善を働きかける。その方が、社会全体にとって有益では無いか」と主張する。つまり朝鮮高校排除派の主張を認めた上で、朝鮮高校側の「是正」を条件として要求し続けた方が良いという屁理屈だ。考えようによっては排除賛成論の上を行く狡猾な主張である。まさに無償化を認める場合に「留意事項」を付けること自体が不当であり、本国との関係や教育内容を口実にして、それを判断の基準とすること自体が不当だという点については逃げている。そして次いで朝鮮高校を除外する手続き上の問題点について指摘するが、この問題は二次的な問題に過ぎない。社説全体が非本質的であり、朝鮮高校除外論が在日朝鮮人子弟に対する明らかな差別であるという本質的問題から完全に逃げている。

これが凄い。断固教育内容を改善したくないという宣言です。

朝鮮学校がこれからも存続して、良い学校になってもらいたいと思うのであれば、「無償化を機会に改善しよう」と思うはずです。

しかし、そのチャンスもいつも通り「差別」の大合唱で台無しにしています。

全国紙だけでなく、地方紙でも同じような問題を指摘できる。

(中略)

私か見た限りでは政府、排除論者の作った土俵に乗らず、曲がりなりにも原理原則に根ざした論を展開しているのはわずかに神奈川新聞の13年2月2日付け社説しかなかった。

これが、われわれの住む日本のマスコミの情けない姿でもある。メディアの設定したアジェンダやパラダイムの虜になるのではなく、相手が作り上げた土俵の上でではなく、原理原則に基づいて、自主性を保って事の本質から問題に迫る方法論を持つべきであろう。

出ました神奈川新聞。

この著書でも紹介されていますが、神奈川新聞記者の石橋学氏が朝鮮学校の望む通りの主張を繰り広げています。

本人はきっと善意でやっているのでしょうが、結果は子供の未来を北の独裁者に売り払うことにしかならない。

この人に毎年行われるソルマジ公演の感想を聞いてみたいものです。

 

どうせこれと無償化の是非は関係ないと豪語するんでしょうね。