韓国左派政権のメディア統制 『日中韓メディアの衝突』

軍事独裁から民主化を成し遂げたという文脈で、とかく韓国左派政権が肯定的に評価されがちですが、『日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)』という著書で、金大中・廬武鉉時代のメディアへの弾圧の手法が書かれていました。

「第一章 韓国歴代政権のメディアと戦争」で、左派政権時代の言論統制のやり方が非難されています。

 

要約するとこんな感じ。

  • 金大中・廬武鉉政権が北朝鮮への宥和政策をとりながら、それを批判するメディアを標的にあの手この手で嫌がらせを繰り返す。
  • 標的にしたメディアに税務調査を実施して社主に司法処分を下したり、「言論改革」という美名のもとに法律でメディアを統制。
  • メディアと敵と味方に分けて、味方のメディアには国庫から支援金を拠出。
  • 敵のメディアには市場占有率(発行部数)を制限する方法で制度的・法的に言論統制。

改革とか弱小メディアの保護という美名をかかげて、自分に友好的なメディアを支援し、批判的なメディアはあの手この手で嫌がらせ。

これが言論の自由や民主化を叫んで政権をとった金大中・廬武鉉政権の実態です。

そりゃ軍事独裁時代も言論統制してましたが、北朝鮮という敵国に対抗するため準戦時体制だとはっきりしていた分、まだ理解できます。

左派政権が許しがたいのは、「民主主義を標ぼうし、いわゆる「国民の政府(金大中)」「参与政府(廬武鉉)」を自認する政府が、ありとあらゆる手段を動員して言論を弾圧した」ことでしょう。(『日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)』 P41)

金大中時代に、「言論対策文書」(あるいは「言論掌握文書」)と呼ばれる秘密資料が流出しましたが、その内容もかなりありえない。

『朝鮮日報』『中央日報』『東亜日報』の三つの新聞のうち一紙は新与党紙にし、残る二紙は反政権的な態度を堅持できなくなるように手段を講じるという方案が秘密文書の主要内容となっていた。

それを実行に移す方法としては、大統領府を頂点として国税庁、検察、安全企画部(現・国家情報院)など国家権力機関を総動員して言論を「改革」するというものであった。

国家機関を総動員しての総体的言論掌握のプログラムを推進することにし、そのために総括、監督、指揮をとる司令塔が必ず必要だとし、外部への露出は絶対避けるべきだと文書には書かれていた。

税務調査を実施する傍ら、他の一般企業を動員して言論社の脱税疑惑に対する不満の声を高め、問題提起させる方法を取れば、国民から賛同を得やすいだろうとも書いている。

言論機関の弱点を握り、その情報を他の言論機関または外郭団体にながし、それを根拠に司法当局が捜査に乗り出すというシナリオを作ったのである。その後金大中政権はこのシナリオ通りに政権に批判的な言論に対し、圧迫を加える。その他にも数件の秘密文書が暴露されたがその内容は、金大中政権の言論弾圧手法とほぼ一致する。すなわち金大中政権の言論弾圧はこれら秘密文書に示された方法通りに行われたのである。

日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)』 P24-25

税務調査をやってメディアを威嚇。検察も総動員。

日本政府がメディアに苦言を呈したらすぐに「弾圧だ!」と騒ぎますが、韓国の左派政権に比べたらまだまだです。「これこれこういう理由で事実と違います。ちゃんと取材してください」と言っているだけなのに、「言論弾圧」の大合唱ですからね。困ったもんです。

金大中のやり口もなかなか悪辣です。

メディアの弱みを握って情報を他の言論機関や外郭団体に流し、批判させて国民の声に押されれて、という体裁で実施する。

ハンギョレや市民団体に騒がせる⇒保守系メディアに税務調査や検察動員して圧迫。

よくあるパターンです。

太陽政策に最も批判的だった『朝鮮日報』主筆が呼び出されて、文句言われています。

金正日のソウル訪問時には、朝鮮戦争や大韓航空機爆破事件で韓国に謝罪しなければならないと社説に書いたところ、金大中政権は『朝鮮日報』側に数人の執筆陣の交替を要求し、その要求が受け入れられないと税務調査という手段で嫌がらせを実施しています。(『日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)』 P26)

金大中は想像以上に無茶なことやってますね。

民主化の闘士が聞いてあきれます。

北朝鮮との宥和に否定的だと言論弾圧。そりゃ従北政権と言われるわな。

韓国の民主化の歩みは肯定的にとらえていますが、金大中政権がこういう言論弾圧に手を染めていたことは要注意でしょう。

文在寅政権も当然同じことをやりそうです。というかやってるか。

まぁただ北朝鮮がミサイルを乱発するおかげで(?)、好き勝手保守系メディアを弾圧できないようです。

廬武鉉政権は反米が行き過ぎて支持率を失いましたが、文在寅政権はどうか?同じ轍を踏むまいと口だけ親米・反北、行動は反米・親北という二重基準で誤魔化してますが、そろそろ限界じゃないかと思えます。

経済政策もどれもこれも期待できない。支持率急落も遠くなさそうです。

日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)

日中韓メディアの衝突:新聞・テレビ報道とネットがつなぐ三国関係 (龍谷大学国際社会文化研究所叢書)