トランプ大統領が選挙公約に掲げていたNAFTA見直しが実行されました。
メキシコとアメリカで合意。
内容は、メキシコで作る車に米国産部品を75%以上使うことと、時給16ドル以上の労働者によってつくられること。
関税上げるぞー!と威嚇しながら、危機を煽りつつ、現実的な合意に落ち着きました。
これで米国の部品産業・鉄鋼業界にとってプラスになり、米国の自動車工場がメキシコの安い人件費で競争に負ける可能性も低くなります。
順調に「MADE IN USA」回帰の通商政策を進めています。
今までメキシコの工場は時給8ドルだったそうですが、それが一気に16ドルと二倍です。日本の企業もメキシコに投資して自動車工場の生産能力拡大していましたが、その投資判断も急ブレーキがかかるでしょう。
人件費二倍ですからね。どうしようもない。
日本企業も「トランプは本気だ」ということを理解して、さっさと「米国向けは現地生産で」をスローガンに生産計画の調整をやった方が良さそうです。
このアメリカ・メキシコ2国間協合意でやりづらくなったのはカナダのトルドー首相。
反トランプでぶいぶい言わせてましたが、ここでつぱったらサクッと関税適用されてカナダの経済は大ダメージを受けるでしょう。
もしそんなことしたら国のトップとしては無能です。
己の威信や価値観を優先して国民の生活にダメージを与えるわけですから。
「重要なものは譲らず、お互い妥協して有益な合意に達した」的な言い方でさっさと合意した方が無難でしょう。
自動車どころか、乳製品なり他の重要な品目にまで関税が広がったらシャレになりません。
そしてNAFTAが片付いたら次は日本。
マンパワー不足で放置状態だった日本にもいよいよトランプの通商圧力の波がやってきます。
これも自動車の現地生産を増やし、シェールガスと農作物の輸入を増やし、兵器もビシバシ購入し、「そんなに関税ゼロっていうならそっちもピックアップトラックの関税をゼロにしてよ」と、EUが交渉の武器にした争点でこちらも攻撃しながら、現実的な合意をすれば良さそうです。
あとは無理でしょうけど「TPPに復帰しては?」とお誘いしておけば十分。
さんざんもめた米国の関税フィーバーも、製造業の米国回帰を促す通商合意を打ち出せたことで落ち着きそうです。
人件費と土地代の高騰に悩まされていた在中企業が、続々と米国に回帰していきそうです。
残るは米中通商摩擦。
こっちは長引きそう。合意できる条件が思いつかない。
結局中国が譲歩するしかないんですが、最後まで突っぱねそうな気もします。
北朝鮮に対する徹底した経済制裁まで条件に入ってきてますから、順調に事態が複雑化しています。
全方位の通商摩擦が落ち着き、いよいよ対中知財包囲網で中国が締め上げられていきそうです。
9月の2000憶ドル制裁が決定したら、縫製や簡単な金属加工品、プラスチック製品などの軽工業系は続々と中国から脱出することでしょう。
その前になんらかの合意を中国はしたいでしょうが、どうなるか、、、。
目が離せません。