反米のために韓国を利用する左派 『日中韓はひとつになれない』より

韓国専門家の小倉紀蔵著『日中韓はひとつになれない (角川oneテーマ21)』。2008年12月10日出版と10年近く前の本ながら、左派も右派も両方に対して韓国や中国に接する姿勢について的確な批判がなされています。

10年近く経過するも、今もこの構図が変わらないのが困ったもの。

今一度肝に銘じる気持ちで読み返したいと思います。

 

●「右」も「左」も古い人間観の持ち主

それでは、「古い人間観の持ち主」とは、具体的にどのような人たちをいうのであろうか。それは類型としては、実にさまざまである。

特に重要なのは、古い概念としての「右翼」「左翼」は、新しい東アジア構築には力を持たないであろうということだ。

「右」は国家のヘゲモニーという考え方から自由になることができない立場から東アジアを幻視するのであるから、過去の大東亜共栄圈と同じく、ある特定の国家による覇権の掌握のための利用対象として設定される東アジアという概念に貶められてしまうのは自明だからである。

またそれとは逆に「左」は、あたかも倫理的な場としての東アジアを構想するかのように見えるが、その実態はそうではなく、反米ないし反日米同盟という固定的な枠組みから帰結される「消極的逃避口」としての東アジアを構想していることは明らかなのである。

そのことをよく知るためには、この手の東アジア共同体主義者たちの言説を事細かに読んでみるとよい。これらの人たちは、実は東アジアに対してほとんど何も知らない人が多いということが明確にわかるであろう。実際は、東アジアには何の関心もない人だちなのである。東アジアのメンタリティにも暮らしにも歴史にも、さして関心がない。ただ単に反米のよりどころとして東アジアを利用しているだけなのである。もしそうでないなら、たとえば東アジアを地域研究している研究者の水準の足下にでも到達する程度の東アジア認識を示してほしいものだが、この手の論者からそのたぐいの研究が出されることはほとんどない。これはすなわち、実態としての東アジアにはほとんど関心がなく、ただ単に利用対象として東アジアという枠組みを設定しているだけなのだということが如実にわかってしまうのである。

日中韓はひとつになれない (角川oneテーマ21)』 P164-165

まったくもってその通りだと思います。

反米や反日(=反自民・反日本政府)に利用する対象としてしか韓国を見ていない。

これが一見親韓に見えるリベラルたちの問題点でしょう。

今も健在ですね。反米のために

彼らの善意は否定しませんが、善意で韓国五千万人を地獄送りにしては、帰国事業で在日朝鮮人(+日本人配偶者)9万3千人を地獄送りにした失敗から何も学んでいないことになります。

もちろん左だけでなく右も問題です。

日韓断交!と街頭を練り歩く保守なんてその典型例でしょう。拉致被害者を取り返せ!と叫ぶわりには北朝鮮が喜ぶようなことを平気でやる。北に踊らされていることが分からないんでしょうか?

まぁそういうおバカな右翼はほっておいたとして、実際に東アジアのことを深く理解する人たちは右側に多いと述べていて、しかしそういう人たちほど反東アジア共同体論者になることを理解しつつも嘆いています。

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