2/1に突然起きた、ミャンマーの軍部によるクーデター。
世界は驚きに満ちてますね。
民主化後に徐々に軍部の影響力は減っていくんだろうと思っていたら、それを認めない軍部がまさかの軍事力による政権奪取。
総選挙でのNLD圧勝に焦ったようです。

このまま現状維持では、ジリ貧になる!という危機感があったのでしょう。
流れるように警察や検察といった政府ポストを押さえ、気に入らない人間を牢屋送りにできる体制を整えました。
ネットやメディアは規制され、言論もコントロール下に。
慣れてるね~、としか言いようがない(笑)
ただ、このクーデターが成功する可能性は低い。
日本は、「追い詰めたら中国側に追いやることになる」などという「分かっている大人発言」で軍政を容認するような真似はやめた方が良いと思います。
一番まずいのは欧米各国と足並みが揃わないことです。
一致団結してガッツリ経済制裁をやっておいたほうがいい。
ミャンマー経済を破壊する勢いで圧力をかけ、さっさと再選挙をさせましょう。
きっとスーチー氏や主要なNLDメンバーを牢屋に入れた状態で、選挙を行い、劣勢を覆したいのでしょうが、そんなことをさせてはいけません。
そのためにも断固たる経済制裁です。
制裁の解除条件は、迅速な選挙再実施とスーチー氏の解放。
それ以外ありえません。
スーチー氏を「無線機の違法輸入容疑」で拘束してますが、こんな暴挙は断固たる経済制裁でやめさせるべきでしょう。

仮に制裁の結果、中国べったりになるならそれはそれでいいんですよ。
やらせときましょう。
大多数のミャンマー人が反発する政権を擁護し、デモをゴム弾どころか実弾を使って鎮圧するミャンマー軍事政権を支援する中国。
ミャンマー人に嫌われること間違いなし。
中国にとってかなりの負担になります。
いよいよデモ隊に実弾での死者が出ました。
今後、さらなる血が流れるでしょう。
ミャンマー軍側の大義名分は「不正選挙」です。

「憲法に基づいた真の民主主義のために非常事態宣言を出さざる得なかった」
詭弁ですね。
誰も納得しない。
トランプの不正選挙扇動並みにダメダメな主張です。

「有権者名簿に同じ人物が二重に記載されるなどのケース 1050万件」だそうです。
こんなもん誰が信じるのか?
国際的な選挙監視団から、案の定否定されています。

1050万件もの大規模な不正行為などそもそも無理ですよ。
1050万人が不正に関わっていたのなら、密告する人間が続出します。
この理由一つとっても、今回の軍事政権に大義名分なし。
もちろん、スーチー政権が軍政時代に好調だった経済をうまく引き継げなかったとか、武装少数民族の独立問題など、うまく対処できていない部分もあります。
安定を求めるなら軍事政権以外ない、という判断もあるとは思います。
もし強権的な軍事政権が肯定されうるとすれば、次の点がありえます。
- 少数民族武装勢力が独立闘争を始め、ミャンマー軍と戦争状態になる
- 力強い経済成長を成し遂げる
- コロナワクチンを大量にゲットする
1が発生し、2と3をクリアしたら、ミャンマー軍事政権がミャンマー国民からも、欧米各国からも容認される可能性があります。
ただ、その可能性は低いでしょう。
1が心配ではありますが、2の経済成長は欧米の経済制裁が実施されれば不可能です。
3は中国のワクチンが大量に流れればクリアできるかもしれません。
どちらにせよ、ミャンマー軍事政権がこのままうまく政権運営をできる可能性は低い。
失敗する可能性だ高いのに、日本がリスクを取ってミャンマー軍事政権を擁護するのは悪手だと思います。今までの付き合いをかんがみて、擁護したくなるかもしれませんがやめた方がいい。
むしろ下手にうまくいくと困ります。
とん挫させるためにも、迅速かつ厳しい制裁を科すべきと思います。