東欧をロシアから守る意志に欠けるNATO

トランプいわく「NATO加盟国はもっと金出すべし」。

NATOとの同盟関係を損なうと批判されてますが、内心よくぞ言ってくれたと思う安全保障関係者は多そうです。

そりゃそうでしょう。昔からの惰性もあるんでしょうが、NATOの拠出金負担、米国が7割ですよ。不満もたまるわな。

本当にNATOのために使われてるか?と細かく計算したら、もっと比率は下がると指摘する人もいますが、そうだとしても低すぎです。

国防費のGDP比2%の目標でさえも達成している国は29カ国中わずか5カ国(米国・英国・ギリシャ・ポーランド・エストニア)。米国を除けばヨーロッパでは4カ国です。

バルト三国やポーランド、フィンランド、スウェーデン、ウクライナをEUの同胞だと思うのであれば、もっと防衛費を出し、ロシアに対抗してしかるべきでしょう。

 

ロシアからの原油輸入も、同じ理由でトランプの言い分に一理あります。「ロシアに支配されている」は言い過ぎですが、ロシアに金払って、ロシアがその金で軍備強化し、バルト三国やウクライナが脅かされる。

んなアホな。

ロシアと国境を接しているNATO加盟国からしたら、ドイツのやってることは裏切り行為ですよ。

当然のごとくロシアからバルト海を経由してドイツに直接つながるガスパイプラインも、バルト三国・ポーランド・ウクライナは反対してます。

ドイツ放送より。独露ガスパイプライン(ノルドストリーム2)新設に反対するバルト三国・ポーランド・ウクライナ

 

ドイツのテレビ報道でも、独露間のガスパイプライン新設に反対している国々として、バルト三国・ポーランド・ウクライナが紹介されたいます。

それらの国々の懸念を無視するドイツ。

EUの盟主失格でしょう。

後ろから味方撃つような真似をするとは。。。

貿易を増やして経済的に結び付けば、お得意様を攻撃できないはず、というのは幻想です。

以前からウクライナにガスパイプラインが通ってて、経済的にもロシアと密接につながってましたが、EUに入りたい、NATOに加盟したいと行動した瞬間にクリミア併合、東部地方に国籍隠したロシア兵送り込んでカオス化です。

ロシアは実に容赦がない。本当に「おそロシア」です。

この状態でいまだにロシアからいつも通り天然資源を買い続ける西欧諸国。東欧をEUの一員とは思っていない良い証拠ですね。

EU同胞の意識があるなら、いきなり輸入を0にはできなくても、徐々に減らそうとするはずです。

それこそトランプの「ロシアのガスパイプラインに支配されている」発言を逆手にとって、じゃあロシアと同じ値段でシェールガス売ってくれ!と米国に言ってもいいくらいです。

この件では、バルト三国やポーランド、フィンランドやスウェーデンなど、徴兵制を強化したり軍事増強をする東欧の国々を、ロシアから断固守ろうとしないドイツやフランスなどの西欧諸国の方が問題でしょう。

例えるなら、日本が北朝鮮からバンバン地下資源輸入して、北朝鮮が日本から得た金を軍備増強の資金にし、韓国への軍事的圧力を強めるようなもの。「自由と民主主義という価値観を共有する大事な隣国」と言いながら、その敵国に金を渡すような真似をしてたら米国と韓国から盛大に文句が来るでしょう。

同じように、その不都合な構図をトランプ大統領が指摘しただけ。

「トランプはシェールガスや兵器を売りつけたいだけ」なんて非難も聞きます。まぁ実際そういう側面は否定しません。

ですがロシアから東欧のEU同胞たちを守りたいなら、たとえ高くとも米国産のシェールガス輸入を増やすべきでしょう。兵器だって米国からどんどん買えばいい。

むやみに敵視するのは良くないと言われればそうかもしれませんが、亡命中の元スパイを暗殺したり、国内の反体制派のジャーナリストを次々消していくのがロシアの本質です。ヤバイ国にはなるべく関わらないようにするのが良識ある行動でしょう。

ロシアと国境を接してNATOの最前線を守る加盟国をしっかり支援してこそ本物の同盟です。

トランプの暴言を聞く価値なしとスルーするよりは、一理あるよね、と真摯に受け止める方が建設的です。あんまりサボると「やる気ねぇなら撤退するぞ」と米国がグレてしまいますから。

ちょうど良い機会ですから、米国とEUの貿易黒字の解消にシェールガスの輸入や原油の輸入を増やすのが無難でしょう。

日本も同じですから、EUと日本が結託して米国産シェールガスの輸入を増やす。そのために米国に投資する。ついでに兵器も大量購入。対米貿易黒字減少。トランプは己の手柄だと自画自賛。最終的に対米貿易摩擦も沈静化。

こういうシナリオが日本とEUの対米貿易摩擦解決の良い手段じゃないかと思います。

「トランプけしからん」という批判も良く分かりますが、案外トランプの暴言と強硬姿勢で事態が動きだしているのは確かです。

最近では議会の批判で軌道修正することも増えてきています。

トランプ憎しで目を曇らせるよりは、実際に起きていることを良く見て評価する方が生産的だろうと思います。