安田浩一著『ネット私刑(リンチ) (扶桑社新書)』。ダメな保守がいかにダメダメかが良く分かる良書です。
相手の問題点を指摘する場合は案外正しいことを言うのが左右問わず、人間の特徴と言えます。
在日差別を問題視する割には、北の魔の手から在日の子供を守ろうとか、北に強奪された民族教育を取り戻すために協力しようという姿勢がまったく見られないという点を除いては、安田浩一さんの本はとっても良い本だと思います。
普通の保守言論人からしたらこういう人たちと一緒にしないでほしいと言いたいでしょうが、だったら『ネット私刑(リンチ) (扶桑社新書)』に書かれているようなロクデナシ右翼を率先して叩くかというとそうはしない。
ある意味支持層ですから放置します。
そうは言ってもこれはリベラル言論人も同じ。朝鮮学校の問題点が分かっても沈黙するだけで何ら行動せず、同じ敵(=嫌いな右翼)を叩く場合は都合良く連帯します。
まぁ政治活動とはそういうものなのでしょう。
『ネット私刑(リンチ) (扶桑社新書)』で思ったのは、「在日」「韓国」「同和」当たりが絡んでくると、アクセスが急増するという特徴があること。
こういう”公式”を作り出すことが北朝鮮や内部対立を助長しようとする悪意ある外からの情報工作の神髄と言えます。
ロシアだとEU相手にこういうことをやってますし、北朝鮮なら韓国のネット空間で延々こういうことを繰り返しています。
日本に対しても北朝鮮や中国が仕掛けているでしょう。
証拠はありませんが、工作に証拠など出てきません。
この辺は当然やっていると思うべきで、むしろ”やってない”ことの証拠を出してほしいと言いたくなります。
北朝鮮がやろうとしていることは、一言で言えば嫌がらせ。内部対立を助長して内ゲバを扇動し、機能不全に陥らせることです。
分かりやすい悪者を創造して脊髄反射回路をネットを介して脳内に形成させる。
この手の情報工作をやらせたら北朝鮮は天下一品です。
踊らされる馬鹿な嫌韓ネトウヨがなんと多いことか。
そしてそれと共鳴するように踊らされる左翼もなんと多いことか。
リベラル言論人の人たちは、基本的に良い人たちなのでしょう。人権擁護にも熱心なわけですからそれも当然です。ただ、得てしてそういう人たちは人の悪意を想像できない。何せ善人ですから。
ポイントのズレた在日批判で扇動される馬鹿な右翼と、ポイントがズレているので当然納得できないから反発する善意の人々。
この無限ループはいつ終わるんでしょうか?疲れますね、ほんと。
だいたい朝鮮学校叩きが大好きな人々が、ソルマジ公演を拡散しない時点で怪しいことこの上ない。
こんな分かりやすい、常軌を逸したネタはない。
でもあまり騒がない。
元気が良いのは、K-POP叩きや韓国叩き、そして在日コリアン”全体”を叩く時。
その結果、従北さんたちの内部結束が強まり、味方も増え、朝鮮学校に通う子供の未来は北の暴君に売り払われ続ける。
これぞ従北偽装右翼の真骨頂と言えます。
困ったもんですよ。
自分が同じ思考回路になってないか心配な人はぜひ『ネット私刑(リンチ) (扶桑社新書)』を読んでみてください。
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