盧武鉉・金正日時代の非核化交渉の二の舞にならないことを祈る

米朝交渉の破綻を文政権が一生懸命修復しようと頑張っています。

頑張るのは良いのですが、盧武鉉・金正日時代の二の舞にならないか心配。

うまくいけば米朝会談が再開されるでしょうが、今までの交渉姿勢が盧武鉉・金正日時代を彷彿とさせるので、どんなことをやってたか龍谷大学の李相哲教授の連載『実録 韓国のかたち』から抜粋してみたいと思います。

 

鼻高々に発表した宣言の内容 非核化は“付け足し”程度

韓国大統領の文在寅(ムン・ジェイン)と北朝鮮の朝鮮労働党委員長、金正恩(キム・ジョンウン)が鼻高々に全世界に向けて発表した「板門店(パンムンジョム)宣言」だが、最大の焦点の「非核化」に関する言及はわずか3行ほど。付け足しの感じすらした。13項目からなる合意文書の大半は南北の「関係改善」「終戦宣言」「平和構築」に終始した。

2007年10月の南北首脳会談もそうだった。約4時間におよぶ盧武鉉(ノ・ムヒョン)と金正日(キム・ジョンイル)の「首脳会談記録」を読めば核問題は置き去りにして経済協力と南北の「共同繁栄」に重点が置かれていたことがわかる。

記録の中にはこんなくだりがあった。

盧武鉉 「私は経済関係はとても重要な問題だと考えています。いま、日本が100億ドルで日朝の過去史を整理するという考えを表明していますが、われわれは来年度の南北協力予算を1兆3千億ウォンと考えています。お金の話をして申し訳ないです」

金正日 「構いません」

盧武鉉は鉄道事業をはじめエネルギー、農業、医療、経済開発特区への投資について延々と述べた。

第4部(7)「非核化」わずか3行、終戦・経済優先-の板門店宣言 11年前と同じ(1/4)

文在寅・金正恩会談と一緒ですね。

うざいくらいに「平和定着」と「共存共栄」をうたってました。

南北鉄道連結、開城公卿団地再開、金剛山観光再開と経済繁栄ネタをバンバン発表し、DMZの哨戒棟はどんどん後退。

やろうとしている方向性は盧武鉉時代と一緒です。

2007年の南北会談、盧武鉉の関心は南北協力事業、金正日は緊張緩和

2人が会談を行った当時は北朝鮮の核問題が解決に向かうのか、それとも振り出しに戻ってしまうのかの分岐点だったが、盧武鉉の関心は南北協力事業に集中していた。

盧武鉉とは対照的に金正日の関心は「緊張緩和」にあった。金正日はこう話した。「今日、盧大統領が訪ねてこられ、民族共同繁栄を実現していく契機を世界に見せてくれました。(中略)しかし私は軍事的敵対関係の解消がより重要だと思います」

第4部(7)「非核化」わずか3行、終戦・経済優先-の板門店宣言 11年前と同じ(2/4)

これも一緒。

文在寅大統領は、南北統一経済圏をぶち上げて、すげぇ経済効果ありまっせ!と国内向けにアピール。北朝鮮側にも「あなたたちも豊かになれますよ。一緒に発展しましょう!」と呼びかける。

北朝鮮側は、ブッシュの悪の枢軸認定とフセインの二の舞になりたくないという危機感から、軍事的脅威の緩和を重視。

終戦宣言、平和協定を非核化の前に求める今の姿勢と同じです。

過去をトレースするなら、今がこの段階です。

で、過去の歴史通りに進むとすれば、次はこうなります。

05年9月の6カ国協議の共同声明で北朝鮮は、一切の核兵器と現有する核計画を放棄し、核拡散防止条約(NPT)に復帰、国際原子力機関(IAEA)の査察受け入れを約束した。

(中略)

07年9月末から行われた6カ国協議で北朝鮮は、全ての核計画の完全かつ正確な申告を行うことに合意したのだった。合意には米国による北朝鮮へのテロ支援国家指定解除など、米朝が完全な外交関係を目指すことも盛り込まれた。

第4部(7)「非核化」わずか3行、終戦・経済優先-の板門店宣言 11年前と同じ(2/4)

終戦宣言と核リストと非核化スケジュールの提出が合意できたら、この時の6カ国協議の合意と同じ段階になったと判断できるでしょう。

が、当時の南北の本音はこれ。

しかし、盧武鉉と金正日の前で金桂寛はこんな本音を吐いた。

「(われわれは)核物質がどう兵器化されたかという状況は申告していません。どうしてか? 米国とわれわれは交戦状態にあるからです。敵に武器状況を申告する国がどこにあるでしょうか」。そして申告から濃縮ウランは除外したことについても説明した。

発言の重大性に気づいてなかったのか盧武鉉はむしろ金桂寛を称賛した。「ご苦労さまでした。賢明でもあり、良くやりました」

第4部(7)「非核化」わずか3行、終戦・経済優先-の板門店宣言 11年前と同じ(3/4)

「誰が真面目に核申告するんだ」と開き直る北と、よくやったと褒める盧武鉉大統領。結託して、米国はじめ他の6カ国協議参加者も欺いたことになります。

歴史をトレースするなら、同じことをするんでしょう。

まぁさすがにそこまで文政権が狂ってないと信じたいですが、どうなるか。

米国もバカじゃないですから、非核化ロードマップとそれを破ったときの制裁措置くらいは確約した上で終戦宣言を出すでしょう(と信じたい)。

今回の特使団訪朝では、非核化の”口約束”をもらえれば、米国側から「終戦宣言」の約束を取り付けてくるから米朝交渉に戻って来て~と懇願することになるのでしょう。

北朝鮮が「お前がそういうなら米朝対話の場に出ていくよ、そのかわり、、、」と韓国に何かしら密約を要求するかもしれません。

金なのか、物資なのか、密輸の黙認なのか。

盧武鉉時代の誤りを繰り返さないことを祈るばかりです。