沖縄の基地収入「比率は5%」 これを大したことではないと言うのは観光収入が半減しても大したことではないと言っているに等しい

沖縄の基地問題。「オール沖縄」の面々が米軍基地からの収入を矮小化するため広めているのが基地収入の割合は5%程度しかないという主張。

実際その通りですが、何も知らないひとがこれを聞いたときの印象に問題があります。

言い方を変えて「沖縄の観光産業がある日突然、半分消し飛びます」と表現したらどうでしょうか?

驚きますよね?

危機的状況だと思うはずです。

これを「基地収入は沖縄総所得の5%程度でしかない」と言うと大したことではないと受け取ってしまう。

「”たったの”5%」と「観光産業が半分消滅」では受ける印象がまったく違います。

これは本当に危険な印象操作で、実態を歪ませる虚偽宣伝のたぐいと言わざる得ない。

 

沖縄の基地問題に関わる人たちは善意で沖縄のためだと信じて活動しているのでしょうが、彼らの言うことをそのまま実行したら沖縄経済は破綻して、ただでさえ貧困問題にあえぐ沖縄をさらなる地獄に突き落とすことになります。

リベラル側の沖縄米軍基地問題の言論を読むと、本当に沖縄の未来を考えているのか?と疑問になります。

特に経済への主張は虚偽宣伝のオンパレードです。

まぁその通りだよねと思えるところは、戦後日本のご都合主義とことなかれ主義で、日本全土で米軍基地追い出しが加速したときに、米国統治下にあった沖縄にそのしわ寄せがきて、広い面積の米軍基地を引き受けさせられた歴史くらいでしょう。

これは同情すべき点で、それを無視して「自分たちが望んだことだろう?」と言って沖縄県民の感情を傷つけるのは慎むべきだろうと思います。

が、それはそれ、これはこれです。

沖縄経済を破壊するような虚偽宣伝はいただけません。

「”たった”5%」以外にも基地の跡地利用で素晴らしい経済効果が得られるという主張が本当に危険。

経済効果の試算のやり方ですが、那覇新都心の経済効果の事例を取り上げて、基地返還後の跡地利用で同じような経済効果を試算するような方法。

沖縄県外から続々と人が移住してくるならともかく、そんなことはありえないわけです。

那覇新都心の人口増加=県民人口増加ではありません。

さらに那覇新都心は、ショッピングモール、居住地、家電販売店、飲食店や理髪店といったサービス業の売上が大半をしめる、巨大な消費地です。

農業生産や工場など工業生産地ではない。

ピンと来ないかもしれませんが、地域経済を活性化するためには外から富を呼び込んで、その富を地域内で回し続けて外に出さないようにすることが大事です。

 

那覇新都心経済は富を生むわけではなく、消費するだけの地域です。

家電製品や地場産以外の食料品など日本本土から持ってくるわけです。

その分、富は沖縄県外に流れます。ショッピングモールも大手の本土企業なので利益は本土に流れます。

農業生産や工業生産をしているわけでもない那覇新都心経済は、沖縄県全体で見ればプラスマイナスゼロの経済圏でしかありません。

基地の跡地がすべて那覇新都心のようになるという発想はそもそも無理がありますし、仮になったとしてもプラスマイナスゼロです。

こういう主張を沖縄タイムズなどが出している本に書かれていますが、本当に危険。

全部が全部間違っているわけではなく、正しい部分も多いのに、危険な嘘(=沖縄を崩壊させる嘘)が混じっている点が危険極まりない。

シビアに沖縄の現実と向き合っている本と言えるのはこういった本でしょう。

沖縄の人が書いた本ですが、著書の中でも「今の沖縄があるのは戦後、経済1位の米国と2位の日本から莫大な投資があったから」と断言する勇気は大したものだと思います。

「戦後の日本経済の躍進は米国のおかげ」と言われたら日本人はムッとするでしょう。

「今の韓国経済があるのは米国と日本のおかげ」と言われたら韓国人は怒るでしょう。

それと同じで、今の沖縄があるのは米国と日本のおかげとは普通言えない。

沖縄の経済的な立地の不利を直視しているのも素晴らしい。

普通に考えれば、燃料輸入一つとっても物流コストが高くかかりますから、経済活動をする上でかなり不利です。

水も豊富ではないし農地に恵まれているわけでもない。

工業生産だって厳しい。大阪や東京のように、ネジ一本から巨大な装置まで一貫して生産できる集積地域にはなれません。

距離の不利を無視できるとしたらIT産業でしょうが、IT産業だって最新の技術を学ぼうと思えばやはり東京です。

やれてもせいぜい下請け的なプログラミング会社を沖縄に作るくらいしかできません。

例外的なベンチャー企業ができる可能性はありますが、頑張れても数十人くらいの雇用を生むくらいでしょう。仮に大きく発展したとしても東京に移転すること間違いなしです。

額面通り沖縄に流入する収入となると基地収入と交付金です。

もちろんこれらに問題がないわけではない。しかし、これらに変わる収入をシビアに考えて発展させないといけないわけです。

未成年者が続々と風俗産業に落ちて行くのが沖縄経済の現実です。貧困率もトップ。弱者にどんどんシワ寄せがきているのが貧弱な沖縄経済の実態。

基地一色のオール沖縄の言論は、そういった弱者を見えなくさせます。

もっと沖縄の利益をどうやって最大化するか?という殺伐とした現実主義者の視点で見てほしいと思います。

貧困層が固定化し、未成年がどんどん風俗の世界にからめとられていく状態をなんとかしたいなら、「米軍基地から利益をしゃぶりつくす」くらいの姿勢が必要でしょう。

一番いいのは、米軍基地を少しづつ縮小させながら、経済の発展から取り残されている北部へ徐々に移転させていく方法でしょうか。

米兵も辺ぴなところに移動させられるのは嫌がりますが、知ったこっちゃありません。大事なのは沖縄経済であり、貧困撲滅です。

基地と一緒にインフラ投資を北上させ、経済が弱い北部を発展させる。

その間に、観光産業を育て、立地の不利(物流コスト・燃料コストの高さ)に負けない産業を試行錯誤しながら沖縄で育てる。

日本政府からも「沖縄は国防の最前線にいるんだから感謝して金をよこしやがれ!」と恐喝する(笑)。

その金の使い方も今までのやり方からは変えた方が良いでしょう。

シングルマザー支援とか、そういう人たちを雇用するときは雇用した企業に給料の半分を補助するとか、予算の使い方を変える。

沖縄の問題を解決するためにはそういった冷静な議論が必要だろうと思います。