朝鮮学校歴史教科書 朴正煕大統領は悪魔化されている


 朝鮮学校の歴史教科書で、もっとも特徴が表れているのは、容赦なく人民を弾圧する、北の暴君に対抗することを第一の国是とした朴正煕大統領の書き方でしょう。

タイトルが秀逸です。

朴正煕大統領の悪魔化1

 出だしからあふれんばかりの印象操作です。軍事独裁政権であり、韓日会談には「我らが人民」が反対した、と言いたいようです。もう読まなくても分かります、と言いたくなります。

 まぁそうも言ってられないので、どんどん引用しながらどういう思想誘導をしたいのかを見ていきましょう。

軍事独裁「政権」の樹立

 南朝鮮で激化していた民主化運動や祖国統一運動を阻み、自分たちのアジア政策にいっそう効果的に服務する強力な統治体制を打ち立てるために、アメリカは南朝鮮軍部の親米反共勢力をあおり、5.16「軍事クーデター」を起こした。
 1961年5月16日の早朝、朴正煕など「国軍」の「行動部隊」の軍人たちがソウルに進出して、「大統領府」と中央放送局を占領して、「軍事革命委員会」の名で「革命公約」を発表すると同時に、南朝鮮全域に「非常戒厳令」を宣布した。

 そんでもって掲載されている写真はこれです。

朴正煕大統領の悪魔化2

 まぁどう考えても第一印象は「悪いことした人たち」としか思えないですね。
アメリカが扇動して起こしたといっている点にも要注意です。このままで共産主義勢力に飲み込まれてしまうという危機感を抱いた愛国者たちが立ちあがったのではなく、アメリカの傀儡一味が起こしたクーデターという印象を与えたいようです。

 ちなみに韓国の教科書では、5.16軍事「政変」です。これが「クーデター」に書き換えられたら北朝鮮の乗っ取り完了、と判断していいかもしれません。朴正煕時代であれば、「5.16革命」なのですが、そのような書き方は絶対したくないようです。

 さぁ驚きの内容をどんどん紹介していきましょう。本番はこれからです。

 朴正煕は「布告」を連発して、あらゆる政党、社会団体を解散させ、「民族日報社」を襲撃して、チョ・ヨンス社長をはじめ社員を逮捕するなど言論出版機関を強制的に解散させた。
6月10日には金鍾泌らが「中央情報部(KClA)」を設置して、「軍政」の中枢的暴圧装置を作った

KCIAは暴圧装置だそうです。

 恐ろしいことを書いています。KCIAがなければ北朝鮮の国家転覆工作に対抗できないと思うのですが、そういう考えはないようです。さらにはあらゆる政党や社会団体を解散させて、メディアを襲撃して、社長と社員を逮捕したそうです。そのセリフをそのまま北朝鮮に返したいですが、そのようなことはまったく書いていません。さすがは「敬愛する将軍様」が乱舞する教科書と言えるでしょう。将軍様の敵は、徹底的に悪魔化するように書かれた教科書です。

お次の戦慄ポイントを紹介しましょう。

 朝鮮戦争を契機に「高度成長」に踏みこんだ日本は、アメリカの東アジア戦略に積極的に加担することで、自分たちの海外進出の野望を実現しようとした。
朴正煕はアメリカの「援助」が減ったため、日本資本を引き入れて「経済発展」をなしとげ、貧困にあえぐ人民の反抗と、共和国の経済成長に力を得ていっそう高まる統一運動を抑え、軍事「政権」を維持し続けることができた。

 米帝の野望に加担した悪い日本。
日本が再び軍国主義に走って対外侵略への野望を抱いた。
日本資本は貧困にあえぐ韓国の貧民を黙らせ、統一運動を抑圧し、軍事政権の維持に貢献した。

 子供の脳内に刻み付けたい価値観は、こういったところでしょうか?本当に、ドン引きの内容です。しれっと「共和国の経済成長に力を得て」統一の機運が高まったとか言うあたりは笑うしかないです。

日韓協定の書き方もしびれます。

 「韓日会談」はたがいの対立と、朝鮮人民、日本、アジア人民の強い反対闘争によって何度も中断したが、「三角軍事同盟」の実現を追求するアメリカが積極的に介入したため1965年6月22日に「韓日条約」と「韓日協定」の締結によって終わった。「韓日協定」は過去に日帝が朝鮮民族に対しておかした罪に対する謝罪と、それ相応の補償もなしに、南朝鮮当局者と締結した屈辱的で売国的な協定だった。

 みなぎる思想誘導教育です。世界の人民が反対したのに、軍国主義の米帝のせいで成立したのが韓日協定だそうです。日帝の犯した罪をすべて無視して締結された、売国的で屈辱的な協定と総括するにあたっては、震えが止まりません。

 ちなみに、韓国の歴史教科書もこの辺の書き方がだいぶ近づいてきています。

 朴正煕政府は日本と国交正常化のために韓日会談を積極的に推し進めた。日本政府から賠償金を受けとって経済開発に必要な資金を取り込むためだった。しかし国民は日本政府の植民支配に対する謝罪と適切な賠償がない「屈辱的な対日外交」に反対した。
 学生たちは韓日会談反対からさらに一歩踏み出し、1964年6月にソウル市内で朴正煕政権の退陣を要求して大々的にデモを展開した(6.3デモ)。政府は戒厳を宣布してデモに加わった学生や市民を逮捕した。翌年朴正煕政府は国民の反対を押し切って韓日協定を批准した。その結果韓国は経済開発に必要な資金の一部を充当でき、韓米日共同安保体制が形づくられた。その反面、日本の植民支配に対する謝罪、略奪文化財の返還、日本軍「慰安婦」や強制徴用者などさまざまな問題を解決することができなくなってしまった。
検定版 韓国の歴史教科書―高等学校韓国史 (世界の教科書シリーズ 39)』 P351-352

 戦慄を覚えるシンクロ率です。ここでうまく使われるのが、日本=悪という図式です。それにからめて朴正煕も悪い奴という印象操作をし、その流れでアメリカも悪い奴になります。

 政府は悪で、人民は善、という極左教育で価値観を醸成された人が読むと、うんうん、と疑問を覚えずになっとくしてしまう内容です。これが恐ろしい点です。盗んだ仏像を返還しなくても、なんら悪いことをしたとは思わないのも、この教科書で価値観や情緒が形成されたからでしょう。独裁国の、相手の教育界に浸透して、子供の思考をコントロールする手腕は本当に見事です。

 敬愛する主席様は、韓日協定が本当に気に食わなかったようです。朝鮮学校の教科書での書き方が、実に素晴らしい。

「韓日協定」を契機に、「韓日定期閣僚会」(1967.3)、「韓日民間合同経済委員会」(1969.1)など常設的機関がつくられて、南朝鮮に日本の企業が、潮のように入りこみ、「韓」日関係はふたたび支配と隷属の関係になった。

 外資の資本と技術を呼び込んで経済発展させるのは、世界中どこの国でもやっていることだと思えますが、敬愛する主席様が気に入らないことは、なにもかも「支配と隷属の関係」と表現するそうです。恐るべき教科書と言えるでしょう。

笑えるのが韓国の財閥に対する書き方です。

外国資本の「借款」に寄生して「新興財閥」が生まれて大きく成長した反面、民族資本は破産没落して労働者と都市の貧民は最悪の労働条件、生活条件の中で生死の岐路に立たされることになった。

 みなぎる社会主義イデオロギーです。それにしても新興財閥を寄生虫扱いです。サムスンは寄生虫だそうですよ。そして、民族資本が没落して、労働者が抑圧されると表現しています。さぁみんなでブルジョアを打倒して、プロレタリア革命を起こそう!!と人民軍が立ち上がりそうです。

 この後に、「敬愛する金日成主席様」と「敬愛する金正日将軍様」の偉大な事績が紹介されるのですが、農村の貧農と一致団結して農業生産を高め、労働者と一致団結して工場生産を高め、偉大な祖国の発展に死力を尽くした!!という内容になっております。まったく結果が伴っていなかったことは、朝鮮学校の教科書には書かれていません。恐るべき嘘つき教科書と言えるでしょう。

 ソ連派と中国派を粛清して、主体思想を唯一絶対の思想にして、独裁体制の完成させた時期なのですが、そんなことは一切教えません。むしろ大躍進しました!と堂々と書いています。アメリカや日本に半植民地化された韓国と違って、我らが祖国は自主自立の精神で頑張ってます!!という内容です。ただただ驚くしかありません。

朝鮮学校のドン引きの「語彙」について紹介しましょう。

 統治危機が深まるたびに、金大中拉致事件(1973.8)、「民学連」事件(1974.4)(訳注:民青学連事件が正しいが、原文のママ)をはじめ各種の事件をでっち上げ、愛国者と民主人士たちはもちろんのこと、政府内の反対派たちまで手当たりしだいに逮捕・投獄・虐殺した。
一方朴正煕「政権」は「勝共」、「滅共」等の看板のもとに1975年7月に「戦時体制4法」をでっちあげ、人民のなかに北南対決意識と敵対感を鼓吹した。
こうして「維新独裁」のもとで南朝鮮は生きることもできないファッショの狂乱地帯に変わった。

 教科書でまずお目に書かれない表現が乱舞しております。朴正煕大統領は、事件をでっち上げて、手当たり次第に逮捕・投獄・虐殺して、ファッショの狂乱地帯を作りだしたそうです。ドン引きの教科書です。このノリの記述が延々と書かれています。これが朝鮮学校の歴史教科書です。韓国の教科書もここを目指してじりじり近づいている途中と言えます。

 そして、この朴正煕独裁政権に対抗して、人民がデモを乱発し、必死に戦ったのだと大変ほめあげております。学生デモなど、この教科書を読むと大変素晴らしいことのように思えます。この教科書を読んで価値観を形成したとしたら、SEALDsの活動に大変シンパシーを感じること請け合いです。

 朴正煕大統領が、暗殺されたときの書き方が秀逸です。民主化デモが乱発している情勢を受けて、どうなったか?という流れで書かれています。

 このような情勢において、彼らの植民地統治の危機を収拾しようとしたアメリカの狡猾な策動によって1979年10月26日、朴正煕は自己の腹心であった中央情報部長・金載圭に射殺されてしまった。(朴正煕射殺事件)
朴正煕が除去されたことで「維新」独裁体制は一大混乱と危機に直面することになり、南朝鮮人民たちのファッショ民主化闘争の前途には、新しい局面が開かれた

 まず、韓国は米帝に植民地支配されている、という狂った前提を持っています。そして、デモ乱発で植民地統治が崩れてしまう!と危機感を抱いた米帝が「狡猾な策動」で朴正煕暗殺を裏で操ったとでも言わんばかりの印象操作をやってますね。

マジか、こいつら、、、。

 そして、朴正煕が「除去」されたことで、南朝鮮人民の民主化への明るい未来が開かれました!!と言ってます。

マジか、こいつら、、、。

 これが、朝鮮学校の教科書です。反日教育がどうとか本当にどうもでいい内容です。
この教科書では延々と下記のような主張が繰り返されています。

政府に抑圧される人民
 ⇒それに対抗して戦う人民
  ⇒武力で弾圧される人民
   ⇒無抵抗の人民が虐殺された!!

政府=悪で、人民=善だ!
人民は団結して政府と戦おう!!
政府転覆活動は素晴らしい!!!

 こういう思考回路を形成したいとしか思えない教科書です。反権力市民デモ闘争の神格化教育をやっているとしか思えない内容です。だいたい、このころのデモなんてガチ暴力なわけです。この教科書に、デモ隊が警察署制圧して、武器庫占領しました!と書いている箇所もあります。はっきり言ってそんな連中、武力でもって取り締まらなければ、職務怠慢だと他の大多数の民衆が政府に対して怒り狂います。それを弾圧・投獄・虐殺と書いて、被害者意識全開で、憐れな人民がー!と書き散らかしている教科書です。

 これが朝鮮学校の教科書の危険なところでしょう。北朝鮮が望む情緒や思考回路を形成し、ひたすら日本政府の足を引っ張らせるわけです。やっかいなのは「本人は正しいことをしていると思っている」という点でしょう。これほどやっかいな人間はいません。何せいくら言っても受け付けないからです。まさに日本の左翼や、極右と相通ずるところがあります。

 最大の被害者は、この学校に通っている子供達です。決して朝鮮学校を潰したいのではありません。このようなありえない教科書はさっさと破り捨て、真の民族教育に目覚めてもらいたいのです。朝鮮学校が真の民族教育に目覚めてくれれば、韓国の赤化統一という悪夢を阻止するのに、強力な力となるのです。在日帰還者9万3千人の悲劇を繰り返してはなりません。もう十二分に犠牲を払いました。これ以上は必要ありません。

 

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