琉球処分は植民地支配だという虚構

 

沖縄県の誕生は近代化の始まり

日本は、坂本龍馬など多くの維新の志士たちが活躍して一八七八年に新しい国家をつくった。新しい国家は四民平等の社会をつくりあげ、人々の国内の移動が自由になった。そして、軍事・教育・司法・財政の四つを中央政府が行う中央集権政治をやるようになった。琉球王朝が沖縄県になると琉球王府の代わりに知事が中央政府から派遣された。

琉球処分で琉球王国から沖縄県になった沖縄はどのように変わっただろうか。

  1. 琉球王府に代わり中央政府から派遣された知事が沖縄を統治した。
  2. 身分制度が廃止され、四民平等になり、農民と武士の人権が等しくなった。
  3. 琉球王府の裁判権は剥奪され、全国一律の法律が適用された。
  4. 琉球王府の軍隊・警察は解体され、明治政府の軍隊・警察が沖縄に配備された。
  5. 沖縄県は明治政府が発行する全国統一された貨幣を使用するようになった。
  6. 沖縄の人々の本土への渡航が自由になった。
  7. 謝花昇のように貧しい農家出身でも才能があれば出世できるようになった。
  8. 八重山地方の人頭税が廃止された。
  9. 義務教育が実施され、武士階級だけに行われていた教育が、身分に関係なく県民全員が小学校教育を受けるようになった。

琉球処分は明治政府が全国で行った日本の近代化政策の沖縄版であり、琉球処分というのは琉球を独裁支配していた琉球王府を処分し、琉球王国の古い身分制度を廃止して、沖縄を四民平等の近代社会にすることであった。

琉球処分をマイナスとして考えるのは琉球王国の独立を重んじ、他国が琉球王国へ介入することへの反発が原因である。琉球処分を否定的に捉える人たちは琉球のことは琉球が決めるという琉球の独立性を尊重している。彼らの思想は琉球独立主義であり琉球民族主義とでも呼べるものである。

琉球独立主義、琉球民族主義は琉球の政治をつかさどるのは琉球人の自主性に任せるべきであって他民族が介入するべきではないと考える。しかし、彼らは琉球の独立性だけにこだわり、琉球が身分制度のある封建政治であるのか、独裁政治であるのか、それとも自由・平等の民主主義政治であるのかを問題にしない。

彼らは琉球が琉球民族で占められ他国から政治介入がなければ琉球が独裁国家であっても琉球の民は幸せであると錯覚している。

琉球王国は一部の士族だけが裕福で豊かな生活を送っていただけであり、多くの農民は自由もなく貧困生活を強いられていた。琉球王国時代の農民は貧しく不幸であった。

日本が江戸幕府から明治政府になると、明治政府は廃藩置県を琉球処分と称して「琉球処分官」を配置した。明治政府は琉球王府の要求をすべてつっぱねて強引に廃藩置県を実現した。琉球民族主義者からみれば日本政府の琉球処分は理不尽な行為であるし、琉球の法律を一方的に廃止して、日本政府の法律を押し付け、琉球の人々の人権を無視した侮辱行為であると考える。しかし、琉球民族主義者は、搾取する者と搾取される者、富める者と貧しき者、支配する者と支配される者の階級差別のある琉球王国の内部の矛盾を考えない。琉球王国が農民を搾取して虐げていた独裁国家であったことを琉球民族主義者は軽視している。

琉球王国は身分制度社会であり、士族階級が支配している社会であった。全体の73.71パーセントの戸数を占める農民や漁民などの平民の生活が貧しかったのはいうまでもない。それだけでなく士族階級の98パーセントの戸数を占める下級武士も貧しい生活を強いられていた。琉球王国時代の99パーセントの戸数は貧しい人々が占めていたということになる。豊かであったのは琉球王国の0.448パーセントの戸数を占める身分の高い士族だけであった。

琉球処分に反対したのは、財産があり豊かな生活を送っている琉球王府の身分の高い士族たちであり、彼らは自分たちの豊かな生活を守る目的で琉球処分に反対した。琉球王国時代は政治をやるのは士族階級であり、農民は政治に参加できなかった。明治政府との交渉は身分の高い士族がやった。交渉を行った身分の高い士族は自分たちの既得権を守ろうとしたのであって琉球の人々のために政治交渉をしたのではなかった。

沖縄に内なる民主主義はあるか』P19-21

琉球王国ロマンをフィクションとして楽しむのは大いに結構だと思いますが、事実を歪めて功罪の”功”をすべて無視し、”罪”の方だけ拡大解釈して今現在の政治闘争に利用するのはやめるべきでしょう。

韓国の左派民族主義者が過去を美化すればするほど、親中・親北になって親独裁国家になってしまった失敗を繰り返すべきではないと思います。

ただこういう不都合な事実を上から目線で言われると、気分を害して感情的に「沖縄蔑視だ!」「嫌沖感情だ!」「沖縄差別だ!」と短絡的に反発したくなる気持ちも分からんでもない。

まぁとりあえず琉球王国時代を持ち出して議論するのはやめた方がいいですね。議論が錯そうしますから。

飛行機やヘリコプターがうるさいとか、墜落事故が起きるから怖いとか、今現在の問題に集中してそれを解決するためには何をすべきか?という問題解決思考で考えるべきでしょう。

独立だの自決権だの琉球固有の文化だのとイデオロギー的な要素を持ち出すと問題解決が遅れるだけです。

そのためにも琉球処分の歴史評価は事実をベースにきちんと結論を出して、歴史論争を終わらせた方が良いでしょう。そうしないと日本左翼と琉球右翼が結託して反日・反米活動を繰り広げる動力源にされるだけですから。

韓国でニューライト学派の人たちが日韓併合の”功”も含めて再評価していますが、沖縄でも同じ現象が起きているのは良い傾向だと思います。

又吉康隆氏はこう琉球処分を評価しています。

(次ページに続く)