『韓国はなぜ北朝鮮に弱いのか』成功した北朝鮮の工作

金大中、盧武鉉と左派政権が続いたころの著書を読むと、今と非常に似通っていることに驚かされます。

韓国への苦言もそのまま通じますし、北朝鮮への認識の甘さも変わっていない。

韓国専門家の田中明氏の著書に、韓国の民族主義が北朝鮮製であることうかがわせる記述があるので紹介します。

 

成功した北朝鮮の工作

もちろん、いま韓国で繰り広げられている北朝鮮への傾倒現象に、民族主義的感情が作用していることを全く無視するわけではない。

しかし、民族至上の思いが強烈ならば、韓国の親北朝鮮派が、飢えに苦しむ北の同胞を視野から外して金正日政権との融和に腐心し、前記のように、北から亡命してきた者の憤懣を買っているような現象は、理解できない。

われわれの理解する民族主義とは、外国からの援助で、やっと国民を食わせているような北の現状を直視し、その克服を同胞として(自分のこととして)悩み考えるはずのものだからである。韓国のいまの風潮には、北の悲惨な状況に対し、〈同じ同胞としての〉悩みや怒りがなさ過ぎる。「人は自分の困らぬ範囲で、他人に親切にしたがる」というが、韓国では困らぬ範囲で「民族」が語られている、という印象である。

したがって、いま韓国を風靡している現象――北朝鮮を民族正気の継承者とする歴史観、何事につけても北を刺激すまいとする対応の仕方、北の同胞の惨状から目をそらす態度……等々、総じて「和解」という言葉をもってする、北に対する全面的肯定ないしは慴伏(しょうふく)の風潮を、民族主義的感情で説明することは難しい。

しかし、そうした現象も、それが北朝鮮の懸命な対南工作の結果だと見れば、疑問は氷解するであろう。

先に韓国の「分からぬこと」としてさまざまな疑問を挙げたが(一四~一五ページ)、それらは北朝鮮が指摘してほしくないことであり、右に挙げた北批判の欠如した現象は、北朝鮮として望ましいものである。

いまの韓国では、それがその通りになっている。そうした思考の取捨選択の過程で、思想的・論理的な検討がなされた形跡はない。左派勢力のお託宣によって作り上げられた大勢なのだ。したがってこの現象は、工作の結果によるものと見るのが、事実に即していると一言えよう。

韓国はなぜ北朝鮮に弱いのか』P20-21

おっしゃる通りです。

韓国の強烈な民族主義に対する批判は日本からも多いですが、これがかつての官製の反共民族主義から、北朝鮮製の民族主義に変質していることを指摘する声はまだまだ足りません。

本当の民族主義であれば、北の同胞の苦難を自分のことのように考えるべきなのに、「北の悲惨な状況に対し、〈同じ同胞としての〉悩みや怒りがなさ過ぎる」というのが現実です。

これは今も変わりません。

昔に比べれば北朝鮮の人権問題に対する理解も広がっていきていますが、それも外圧の面が強い。

つまり米国で盛り上がって、それが韓国へ波及していった、という流れです。

米国で北朝鮮人権法が2004年に成立し、その後日本で2006年に同法が成立。

同族同胞である韓国は遅れること2016年です。現与党の共に民主党の反対で成立が遅れていました。

本当にありえません。

普通なら韓国が世界に呼び掛けてこういう法律を各国に作らせないといけないのに、国際社会でひたすら訴えていることは”日帝の蛮行”関連の人権問題ばかり。

本物の民族主義なら、現在進行形で北の暴君の奴隷になっている朝鮮同胞を解放するためにありとあらゆるものを利用しようとするでしょう。

日帝ネタも「植民地支配について申し訳ないと思うなら、今現在朝鮮人奴隷支配している北朝鮮の体制打破のために協力しろ!」くらい言えば良いのに、むしろ北朝鮮と連携して一緒になって日本批判をする始末。

慰安婦問題など良い例です。女性の人権問題を掲げているのに収容所で女性を性奴隷にしている相手と共同声明を出すとは何事か?頭がおかしいのか?

”宗教の自由”を訴えるのに、ISISと共同声明を出すようなものです。

これで南北統一の先鞭をつけたと自画自賛するんだから救えません。さすがは最凶の従北団体『挺対協』といったところ。(参考投稿:最凶の従北市民団体『挺対協』

この構図は日本の在日コリアン社会にもそのまま通用します。

つまり「帰還事業で北送された同胞への関心のなさ」です。

まぁ知らないもんはしょうがないですから、全員を一緒くたに批判するのは酷です。

信じがたいのは朝鮮学校周辺の人々でしょう。日本にいる脱北者などほとんどが北送された在日朝鮮人本人やその子孫です。そして朝鮮学校卒業生や総連活動家、その人たちとつながりの深い人々が大半です。

脱北者支援など、大半が朝鮮学校卒業生が占めてないとおかしな話しなのに、まぁ見当たらない。

南でも北でもない在日コリアンアイデンティティを強調するのは大いに結構ですが、さすがに北朝鮮で残酷に殺された在日同胞のことを忘れて同情心も持ちえないようでは、朝鮮民族の民族教育がどうたら言われても説得力はゼロです。

それもこれも北朝鮮の執拗な工作の成果ですね。

韓国に対しては「そうした現象も、それが北朝鮮の懸命な対南工作の結果だと見れば、疑問は氷解する」ですし、日本に対しては「そうした現象も、それが北朝鮮の懸命な対日工作&対在日工作の結果だと見れば、疑問は氷解する」ということです。

万単位で在日一世・二世が北の収容所で惨殺されたことは徹底して隠蔽、または責任転嫁によって矮小化し、教育援助金や学校設立への支援などは、繰り返し繰り返し、ずーーーーーっと感謝すべしと子供に教え込みます。

毎年平壌で行われている独裁者への忠誠の公演でも毎回のように「自国が朝鮮戦争からの復興で大変なときに、教育援助金を送ってくださりありがとうございます!」というフレーズが出てきます。

本当にウザいくらいしつこい。

恩に着せる天才です。

結局は韓国の燃え上がるような民族主義も、北朝鮮によって歪められるか、扇動されてきた面が強いということです。

本当に朝鮮人として民族意識があれば、北の暴君ほど許せない存在はありませんから。

まぁここまでくると北朝鮮を褒めるしかありません。

60年代~70年代の反共民族主義がほぼ消滅し、2000年前後から親北民族主義が韓国を席捲しました。

その後遺症は今も残っています。南北首脳会談では金正恩の血塗られた手を握って、笑顔で写真を撮る文在寅大統領が見れそうです。

第一弾は、金大中と金正日。

第二弾は、盧武鉉と金正日。

そして第三弾は文在寅と金正恩になりそうです。

まぁ会談して握手した写真撮るなというのも無茶な話ですから、手を上に掲げずに普通に握手して微笑くらいにとどめてほしいところです。

トップも大変ですね。表情一つ、笑み一つで揚げ足取られて文句言われるわけですから。

今までいいよに利用されるだけに終わってきた過去の”戦訓”に学んで、同じ失敗を繰り返さないよう願うばかりです。