北韓の第9回青年同盟大会に参加した在日朝鮮青年同盟代表団80人

北韓の第9回青年同盟大会に参加した在日朝鮮青年同盟代表団80人

北朝鮮の独裁者、金正恩は2016年に入り、より一層周辺諸国に脅威を与える悪行を繰り広げています。年初から水爆実験、労働党大会、ミサイル発射実験、青年同盟大会、5回目の核実験と、世界に向け、また北朝鮮の住民に向けて、己の力を誇示し、独裁政権を維持しようとしております。

このような暴挙をこれ以上黙認して良いのでしょうか?世界各国が感心を持ち、なぜ北朝鮮がこのような暴挙を繰り返すのか?なぜやめさせることができないのかを、具体的な中身を知り、対策を考えなければならないと思っております。

私は北朝鮮に40年近く住んでいたものとして、北朝鮮の組織について、特に青年同盟について知っていただきたいと思います。北朝鮮の住民たちは生まれてから死ぬまで、義務的に何らかの組織に入ります。

十代から少年団組織、十代半から青年同盟に所属します。24歳からは一部の人が労働党に選抜され労働党員になりますが、ほとんどの人がなれません。

大多数は、30歳ごろまで青年同盟に残り、そのあと男性は職業同盟に、女性は女性同盟に入り、死ぬまで組織に縛られます。

北朝鮮の各組織は、幼いときから洗脳教育を受けて、その洗脳教育に少しでも疑問をもったり、自分たちが受けた教育が正しいのか、正しくないのか、自由判断することができないよう、絶対的に服従させ、独裁者だけに忠誠を誓うよう徹底して叩き込まれるところが北朝鮮の組織です。それが十代から死ぬまで毎日行われます。

これらの組織の中で一番厳しく教育を受けるのが青年同盟です。北朝鮮の青年同盟を一言で言えば、独裁者金正恩を先頭に立って命をかけて守るための突撃隊です。

北朝鮮の青年同盟は1927年8月28日に金日成が「朝鮮共産主義青年同盟」と名前をつけて作りました。そのあと、1946年1月17日に、「社会主義労働青年同盟」と名前を変えて、新しく作りました。そのあと金日成が亡くなり、金正日が「社会主義労働青年同盟」から、「金日成社会主義青年同盟」に変えました。

このように、北朝鮮は一番厳しく指導する組織である青年同盟の名前を、時代によって変えていきました。

北朝鮮は青年同盟の名前で、自分たちの目的と意図をあらわしています。それは青年同盟に入っている人々が、独裁者を守るためいつでもどこでも先頭に立って動くように作られた組織だからです。

今回、23年ぶりに金正恩が8月27日、28日に、第9回青年同盟大会を開きましたが、そこで今まで金日成・金正日が叫んでいた、「共産主義・社会主義」を全部捨て、「金日成・金正日主義青年同盟」に名前を変えました。長年、北に住んでいた脱北者の私は、今回の青年同盟の名前を聞いて、ここまでやるのかという驚きを隠すことができませんでした。

つまり、唯一独裁者、金正恩だけを守る前衛部隊となるよう露骨な命令を下したのです。このことでこれから北朝鮮にいる若者たちが、少しのことで刑務所や収容所に連れていかれ、無残に殺されてしまうのが目に見えるようで、私はとても心が痛みます。

こんな北朝鮮に、ただただ人を殺すことしか考えていない、もの知らずの金正恩のところに、日本の朝鮮総連は、北の青年同盟の大会へ80人を送りこみ、金正恩と握手し、大会を祝賀する旗を贈呈させ、金正恩と記念写真を撮るなどしながら、我々は異国の日本で、金正恩の教示を必ず守って、金正恩のために一人一人が核爆弾になって、海外で金正恩の前衛部隊になってみせますと忠誠を誓って帰りました。

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総連は、今まで何十年間、色んな形で毎月のように北に朝鮮学校、朝鮮大学の学生たちを始め、女性同盟や色んな組織の代表団も送り込み、忠誠を誓ったあと、日本に戻って北朝鮮の独裁政治を維持するための活動をしています。

どれほどのお金を持って行って、独裁者に捧げてきたのか。そのお金で北朝鮮の土台を作ったことを、私は良く知っております。

こんなことを継続するために、朝鮮総連は朝鮮学校の民族教育を、北朝鮮とそっくり同じ洗脳教育に変質させ、日本、米国、韓国を憎悪する教育を行い、いつまた我が祖国が侵略され、我々の大事な命が奪われていくかもしれないので、気を引き締めてやつらに復讐しなければならないと北と同じ組織を作って教育をしております。

せっかく自由と民主主義の国、日本で住みながらも北の洗脳教育が染みついているため、総連の人たちは喜んで北に渡航し、忠誠を叫んでいるのです。

今年だけ見ても、朝鮮総連は1月6日の水爆実験にあわせて、朝鮮学校の子供たちによって組織された在日朝鮮少年芸術団を金正恩の新年の挨拶に送り、歌と踊りで忠誠を誓わせました。子供たちに、異国の日本で祖国の未来のために柱になると、永遠に金正恩の安寧を心から願っておりますと、そう子供たちに絶叫させています。この公演は今年で29回目になります。1987年から2015年を除いて毎年行われています。

そこに在日朝鮮人の芸術団である金剛山歌劇団も一緒に行き、2月から4月まで、そこで思想教育を受けながら忠誠誓う公演を行い、日本に戻りました。

今年8月の第5回核実験を起こす前に、朝鮮少年団サッカー代表団を送り、青年同盟大会には日本全国から80人を選抜し送りました。

なぜこのようなことをするのか?それはこの日本に、北朝鮮と同じ組織体系を持つ、朝鮮学校、朝鮮大学、少年団組織、在日青年同盟組織が存在しているからです。

北朝鮮と同じように、朝鮮総連の人たちは、朝鮮学校と朝鮮大学にある各組織で、二度、三度と思想教育、洗脳教育をしながら、いつまで悪魔の独裁者に忠誠を誓うように教育しております。信じる信じないの問題ではなく、このような教育は民族教育とは言えないはずです。

これらの組織の委員長は、北朝鮮労働党から決められた人が組織の委員長になります。今の在日青年同盟の委員長は、金ヨンジュという人です。

このように朝鮮総連は北朝鮮の独裁政治を世界に広めるため、朝鮮学校、朝鮮大学で金正恩の指示通り親北人士を育成しているのです。

この日本で朝鮮総連によって子供たちの人権が奪われています。私は洗脳教育の恐ろしさを、身をもって体験した者として、帰国同胞9万3千人が自由と生命と財産を北の独裁者からどのように奪われたのかを知る者として、日本で生まれて、日本で生きていく在日の子供の未来までもが奪われ続けているのをこれ以上見逃すことができません。

これまでも私は、朝鮮総連や朝鮮学校の実態をありのまま訴えてきました。これは、自由と人権を大切にする民主主義の国から見れば、政治問題の前に人権問題であるはずです。しかし、日本はこの人たちが北朝鮮に渡航し続けているのを止めようとしません。私はなぜ北朝鮮への渡航を禁止しないのか、本当に不思議でなりません。

今まで犯罪行為を繰り返し、それを反省することもなく、いまだに北朝鮮に盲従している危険な組織が朝鮮総連です。犯罪行為はやらせないように監視し、厳しく接するのが当然であり、そうしてこそ人権を重視し、人権を守ることだと私は思います。

これ以上、北朝鮮の思惑通りに朝鮮総連や朝鮮学校の子供たちが操られることがないよう、日本と在日コリアンの双方が力を合わせてこの人たちを助けてあげてください。この問題が解決できてこそ日韓の友好につながり、北東アジアに平和が訪れる最善の道だと信じております。

KOREA TODAY 2016年10月号に掲載された脱北者の寄稿文