康京和(カン・ギョンファ)外交長官の韓国独自制裁「5・24措置」解除検討発言が波紋を呼んでいます。
情けないのが事の経緯です。
アメリカからすぐに「承認なしにそんなことはできないぞ」と反応があり、野党が「天安艦撃沈についての謝罪なしに解除はありえない」と怒り、結局康京和長官が「政府が検討しているわけではなく、関係省庁が”検討しているらしいと聞いている”という趣旨だった」と発言を超あいまいなレベルに後退させました。
実質発言の撤回です。
それにしてもなぜこんなに制裁を解除したがるのか謎です。
このと発端は共に民主党の李海チャン(イ・ヘチャン)代表。
康長官は与党共に民主党の李海チャン(イ・ヘチャン)代表が「平壌(ピョンヤン)に行ってみると中国からの観光客が多かった。私たちが金剛山(クムガンサン)観光ができないのは、制裁対象だからではなく、5・24措置のせいではないのか」とし、「現政権では5・24措置を解除する用意があるか」と尋ねるとこのように答えた。2人は先月の南北首脳会談の際、白頭山(ペクドゥサン)に登った時の「感動」についてまで話し合った。
共に民主党のイ・ヘチャン代表が訪朝したときに「観光客は中国人ばっかりやんけ!国連制裁関係ないんちゃうんか?なんでうちらは観光に行かれへんのやっ!そうや!5.24独自制裁のせいや!こりゃ解除せなあかんで~」と思ったらしく、康長官に「制裁解除の意思はあるか?」と質問。そんでもって「先月登った白頭山は素晴らしかったじゃないか!」と語り合い、「だから制裁解除して北朝鮮へ旅行に行けるようにしようぜ!」と感情に訴えながら、質問という形で実質「制裁解除してよ」という要求を行う。
文政権は制裁解除をしたくてたまらないようなので、これ幸いにと「検討してます」と回答。
当然のごとく反発する野党。「もし制裁を解除すると言うなら「天安」爆沈事件被害者家族に、制裁解除への理解をもらいに行くべきだろ?慰安婦合意も同じ論理で批判してたじゃないか!」とキレる。
そして意外だったのがトランプ大統領本人による「彼らは我々の承認なしにそのようにしないだろう」発言。
今までは専門家とか、匿名の外交筋とかから韓国の姿勢に対する懸念が伝えられる程度でしたが、今回はトランプ大統領本人が「アメリカの承認なしにそんなことはできないぞ」という圧力をかけてきました。
韓国側も電光石火で発言撤回。
最初から言うなよ、こんな危険なことを。
冒頭のKBSニュースでも「アメリカの承認なしに韓国の独自制裁解除ができないというのは国家主権侵害ではないか?という意見もある」と報道されています。
こういうやりとりがあるだけで、反米・親北団体が「米国による主権侵害だ!」と騒ぐんですよ。めんどくさいんです。
南北連結鉄道の件で、国連司令部の許可が出なかったときも「なぜ米国の許可がいるんだ!韓国の領土じゃないのか!!」と反米さんたちが騒いでましたよね?
わざとか?
わざとなのか?
「制裁違反に触れる無茶なことをやろうとする⇒米国が止める⇒反米団体がキレる」という無限ループを延々繰り返して韓国内の反米感情を煽り、韓国の国民感情を離米・親北へと引っ張っていき、国民世論を味方にして最後は制裁無視して対北経済援助までもっていく。
そうしたいのか?と疑ってしまう。
開城連絡事務所でもいつのまにか付近の住民への水道水供給なんかをやってます。
それエネルギー供給でしょ?制裁違反じゃねぇの?
どないなっとんねん。
他にも南北の軍事分野の合意で飛行禁止区域を設けた件で、板門店(パンムンジョム)に近いキャンプ・ボニファスに救急ヘリを飛ばす場合に北朝鮮側の許可がいるのかと米軍が怒る始末。
こんな事例が多すぎるでしょ。
韓米同盟は揺るぎないと言いながら、その重要な同盟国を無視し、行動を制限するようなことを勝手にやる。
「非核化まで国連制裁が維持される」と賛意示しながら制裁違反が疑われるようなことを勝手になる。他にも「例外措置」をたびたび求める。
なぜそこまで北朝鮮に甘いのか謎です。
とにかく今回の「5・24措置」解除検討発言の件は、いかに文政権が対北朝鮮制裁を解除したくてたまらないのかがよく分かる事例でした。
韓国政府は果たしてどこまで突き進むのか?
大韓民国を瓦解させるような真似はしないでくれと願うばかりです。