「北朝鮮が狙っているのは赤化統一だ!」という意見があれば「赤化統一などできない。自由を謳歌している韓国人を北朝鮮労働党が統治できるわけがない」という反論があります。
どっちも正しい。
北朝鮮が赤化統一を狙っているのも正しいし、それが不可能なのも正しい。
韓国人が敬愛する金正恩元帥様なんて言うわけもない。
実際に支配されそうになったら頑強に抵抗するでしょう。
そんなことは分かり切っているので北朝鮮も韓国を”統治”しようなどとは思っていないでしょう。
狙いはズバリ「赤化”隷属”」です。
北朝鮮にとっての最終目標は北朝鮮式の統治を韓半島全域に敷くことですが、いきなりは無理です。
第一歩は韓国を属国化することでしょう。
何せ向こうは人民の命なんてどうでもよいと思ってますから、どこまでも無茶ができます。
対する韓国は守るものがあるから、脅されると従ってしまう。本当は国民の自由と声明を守るために戦うべきですが、なかなかそこまでの覚悟は持てない。
北朝鮮もその辺のさじ加減は良くわきまえてますから韓国の足元を見て脅してきます。
そこで邪魔になるのが米軍。
彼らが米軍撤退を強く求めるのも、米軍さえいなくなればいつでも好きな時に韓国をシバいて金を引っ張れると思っているからです。
核で脅して韓国を使い、国際社会で北朝鮮を擁護させるなんてこともやるでしょう。
それを見て「韓国はなんてヘタレなんだ。こんな腰抜け助ける気にもならん」と周辺国の対韓感情が軽蔑へと振り切れて誰も助けなくなれば北朝鮮の思うつぼです。
北朝鮮の立場に立てば、こういう交渉もありえます。
米国相手にはICBMを破棄して、米国への攻撃能力を放棄すると交渉する。これを米国に信じさせることができれば、オバマ時代の戦略的忍耐(実質放置)のレベルにまで圧力を後退させることも可能です。
もしくは核放棄で最大限の譲歩を引き出すのもアリです。放棄したところで、科学者もいれば今までの実験結果の蓄積もあります。
核放棄で経済援助を得て、産業基盤を発展させることができれば、また好きなときに核開発をすれば良いだけ。今度は産業基盤が充実している分、スムーズに核弾頭と大陸弾道間ミサイルを作れるでしょう。
核放棄したと言いながら、どこぞにプルトニウムをこっそり保存するくらいは当然やります。
そして、韓国から米軍を撤退させることができればしめたもの。
核放棄をするだけで、経済発展と米軍撤退が得られるわけです。
体制維持に自信があればこの選択肢も大いに魅力的です。
今のように突っ張って瀬戸際外交をやるより安全確実でしょう。
核を放棄しますと言われたら、米国は拒否できません。
そして、核放棄したところでいつでも再配備できますから、北朝鮮のデメリットも大きいわけではない。
むしろ核放棄を宣言することで、北朝鮮のイメージが一気に変わる可能性もあります。不良が良いことをすると、過剰に評価されるようなものでしょうか。
そして、米軍が撤退すれば、韓国を赤化隷属することも簡単です。
核でなくてもソウルを射程に入れた大量の長距離砲群があります。
ミサイルだって核弾頭じゃなく、化学兵器でも良いわけです。
韓国を脅迫するには十分すぎるくらいです。
米軍が撤退したら、韓米同盟破棄に向けてまた揺さぶりをかけてくるでしょう。
同盟関係までなくなれば赤化”隷属”は余裕です。
片方は最新の装備で身を固めた兵士かもしれませんが、守るものも多く、死ぬ覚悟がない軟弱者。対する敵は装備は貧弱でも死を恐れない蛮族。
歴史を見ても、勝つのはだいたい後者です。
金持ちのヘタレは、蛮族に財産も女も奪われて奴隷へと転落する。
歴史上、よくあるパターンです。
高麗時代や朴正煕時代の尚武の精神を忘れてしまったらそうなるでしょう。
まぁ今のところ心配はしていません。尚武の精神はまだまだあると思います。
が、教育で北朝鮮の数々の蛮行を消し去って「わが民族同士」詐欺教育と、平和と融和を猛プッシュしたお花畑教育と、反米・反日教育が何十年も続けば、どうなるかは分かりません。
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