なんだかんだで選挙公約は全部実行しているトランプ大統領

イランの核合意から米国が離脱。核合意に基づく対イラン経済制裁を再開する模様です。

なんだかんだでどれだけ反発されようが選挙公約を愚直に実行しています。

メディアは批判的ですが、トランプ大統領の言うことにも理はあります。

経済的利益を考えれば欧州側の意見に理があるでしょうが、核不拡散を第一に考えれば米国側の対応にも正当性は大いにあります。

どこまで信頼できるかはともかく、イスラエルが公開したイランの核兵器開発の証拠が本当なら、合意違反をしたのはイランです。普通に考えれば制裁を再開しなければならないでしょう。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は4月30日、イランが過去に核兵器の開発計画を進めていたことを示す「極秘ファイル」だとする資料を公開した。

ネタニヤフ首相は、イスラエルの情報機関がイランの首都テヘランにある秘密施設から入手したとする資料の「正確なコピー」を公表した。「アマド計画」と呼ばれるイランの核兵器開発に関する5万5000ページの書類と、183枚のCDに入った5万5000のファイルが含まれる。

イランは密かに核兵器開発を推進=イスラエル首相

もちろんイラン側は嘘っぱちだと反発していますし、ちゃんとIAEAの査察も受け入れて合意したんだろう!と怒っています。

欧州はイラン寄りですが、もしイスラエルや米国が仮にイランの核開発継続の証拠を提示したりすれば、米国側に転ぶ以外にないでしょう。

そうなったらイラン情勢は混迷を極めることになりそうです。

米朝会談への影響も大きい。

 

仮に、米朝会談で妥協し、あいまいな非核化交渉で経済制裁を解除すれば、イランは核武装させしてしまえばなんとでもなると判断するでしょう。

イランは核兵器開発に邁進し、北朝鮮からミサイルや核技術をゲットするでしょう。そうなったら宿敵であるサウジも核武装に走ります。めでたく中東の核ドミノが発生。「敵の敵もみんな敵」という状態の中東に核兵器がバラまかれれば、本当に使う奴が出てくるかもしれません。

そこまで最悪のケースを考慮すれば、イスラエルの「イランが密かに核兵器を開発している」という発表は無視できません。

反米感情やトランプ憎しに凝り固まっている人は脊髄反射で米国側を批判しますが、こればっかりはイランが証明して信頼を得ないとどうにもならない。

イランも北朝鮮同様、「核兵器開発などしていない!」と言いながら、実際は密かにやっていたわけです。

さすがにそういう過去があるとなかなか信頼されません。

イランへの態度を見る限り、北朝鮮に対して安易に米国が妥協する可能性も低くなりました。

北朝鮮は、査察団を受け入れ、自由に移動させ、見られたなくないところも全部公開して見せないと非核化したことを信用させられなさそうです。

それができるかと言えばかなり厳しい。

政治犯収容所があるところに「核物質を隠していないか?」と疑われて踏み込まれでもしたら北朝鮮はおしまいです。

経済制裁解除後、イランへロシアや欧州の企業が進出して、石油関連技術を輸入して設備を刷新し、イランの原油輸出がこれから伸びようとしているところにこの事態。せっかくの投資が無駄になりますからヨーロッパ各国が米国を止めようとするのも分かります。

「経済と平和」をアピールしてイラン擁護に回って米国を必死に説得する欧州。

「経済と平和」をアピールして北朝鮮擁護に回って米国を必死に説得する韓国。

なんか似てますね、構図が。

「経済と平和」という看板に対して、米国は「非核化」というこれまた説得力のある看板を掲げる。

どちらも間違っていると言えないのが悩ましい。

イランの核兵器もCIAやイスラエルが、それなりに説得力のあるイラン核兵器秘密開発の証拠(疑わしいというレベルでも十分)を出し、セカンダリーボイコットするぞ!と言えば、結局は欧州もイラン経済制裁へと舵を切るでしょう。

イランのライバル、サウジは喜びますし、イスラエルも願ったりかなったり。

石油価格も上がってサウジもロシアも助かりますし、米国のシェールガス企業もウハウハです。

困ったことに、米国のイラン核合意離脱を止める要因があまり見当たらない。

イランが戦後の日本のようにどうぞ好きにしてくださいとまな板の鯉になって、米軍を駐留させて、イラン国内を自由に捜索させるくらいの譲歩をすれば、経済制裁も完全に解除されて、力強い経済成長が始まるでしょうが政治的にそこまでの譲歩はかなり厳しい。そんなことになればイラン国内の強硬派が黙ってません。

行きつくところは米国支援の元、イスラエルやサウジがイランに限定戦争(核施設空爆)か、米国がやる気なくしてイランの核武装容認しかない気がします。

一番良いのは、イランが「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び」という精神で国家機密も全部さらして、核兵器開発放棄の信頼を得ることでしょうが、かなり厳しい。

イランの保守強硬派がミサイル発射を繰り返していますし、「アメリカに死を!」というデモがバンバン行われています。

米国から見たらイランも北朝鮮も同じに見えることでしょう。

どうやら金正恩も米国の本気を感じ取って、中国を頻繁に訪問しているようです。

米国が核兵器だけでなく、化学兵器の破棄も追加してハードルを上げています。そのうちソウルを射程に入れた長射程砲台群の撤去の加わるかもしれません。まぁ本来そこまでやらないと同盟国に対する軍事的脅威の除去にはなりえません。

これに人権問題も加われば、金正恩はかなり苦しい判断を迫られるでしょう。

 

対話の場に引き出したのは文在寅無大統領の功績でしょうが、文大統領の狙い通りになるかは怪しくなってきました。

戦争は避けるべきでしょうが、非核化、化学兵器放棄、人権蹂躙の停止が行われない限り、経済制裁は継続すべきだろうと思います。平気で自国の人間を虐殺する、あの体制の性格が変わらない限り、脅威はなくならないわけですから。