米朝会談が延期されました。
アメリカ中間選挙の裏で米朝間の不協和音が拡大中です。
「信頼できる核リスト出して廃棄プロセスを進めろ、それまでは制裁を維持する」という強い決意を繰り返し表明する米国。
「ミサイル実験場閉鎖、核実験場閉鎖、寧辺核施設閉鎖、それらを査察付きで認めるから経済制裁解除を約束してくれ」という北朝鮮。
この両者の溝がどう頑張っても埋まらない模様です。
色んな非核化措置を実施したのにそっちは何もしてくれないじゃないかと訴える北朝鮮。
その通りだと同調する日韓の親北さんたち。
さらには韓国政府までその論調に同調し出す始末。
それとは逆に米国と国際社会は、専門家による査察も受け入れないミサイル・核関連施設の閉鎖には何の意味もないと当然の反応。
「じゃあ査察受け入れるよ!その代わり制裁緩和してよ!」と北朝鮮が外交カードとして提示するも、「そんなもんは当然だ」という感覚で、代わりに制裁緩和をやる気など微塵もなし。
安易な妥協をしそうだと心配してましたが、信頼できる核リストの提出と、それらの廃棄プロセスの第一歩くらいは踏み出さない限り、制裁緩和はありえなさそうです。
事態がどう動くかは、制裁を完全に履行できるかにかかってくるでしょう。
中国やロシアが制裁に穴を空けていますが、それも米国が本気でセカンダリーボイコットをやれば、北朝鮮と心中する気はないよと中露も手を引く可能性が高い。
今は海上での密輸取り締まりを強化していますが、この手の締め付けをどんどん進める以外ありません。
時間が北朝鮮にとって不利になるような構図を作り出せるかが肝です。
もし現状維持が北朝鮮にとって都合の良いものになれば、永遠に溝が埋まらない米朝交渉をやり続ければ良いだけです。
北朝鮮が改革開放のための部署を作って中国へ支援を求めに行っていますが、この手の事業を徹底して潰していくことが大事です。
それはそれとして、今までの米朝協議や南北協議の結果を見る限り、非核化する気はなさそうですね。
非核化しなければ空爆される!くらいの危機感がない限り、北朝鮮が本気で非核化する気はないでしょう。
本当にいるのかすこぶる怪しい北朝鮮の強硬派も、米国の軍事攻撃を回避するには核ミサイルを放棄する以外ない、となればあきらめるはず。
北朝鮮とは良好な関係を維持しているとトランプ大統領は言っていますが、あんなもんは強硬なことを言って、北朝鮮に「交渉決裂は米国のせい」と言わせないためのポーズでしかありません。
「制裁解除してくれなきゃ経済と核武装の両方を追い求める並進路線に戻るぞ!」と北朝鮮が威嚇してますが、米国は完全にスルー。
強固な経済制裁で時間とともに北朝鮮が不利になるという自信があるのでしょうね。
もししびれを切らした北朝鮮がミサイル発射でもしようもんなら、米国は喜々として「対話を破壊したのは北朝鮮だ!」とさらなる圧迫を加えるだけ。
だからこそ、米朝交渉に時間がかかっても構わないと言っているわけです。
北朝鮮は、その「時間とともに苦しくなる」体制を打破しようと中国やロシアと頻繁に接触しています。
海が抑えられたら陸しかありませんから。
中露だけでなく、韓国も制裁に穴を空けるためのツールとして利用しようとせっせと対南工作を実施中です。
ソウルで親北・反米団体がデモを繰り広げてます。(参考記事:韓国の親北・左派団体、ソウル都心で金正恩氏をたたえる集会)
脱北者に対する脅迫も横行しています。(参考記事:韓国の反米団体、脱北公使の講演会を妨害「統一の邪魔」)
こういう連中の支持を背景に政治家になったらそりゃ北朝鮮に甘くなります。
それにしてもこの狂った団体の常軌を逸した行動に対して、非難の声が巻き起こらない。
「慰安婦ハルモニは嘘をついている」「慰安婦はただの売春婦」と言った瞬間社会的に抹殺されるのに、脱北者への脅迫には怒りの声が巻き起こらない。
こやつらが韓国社会からボッコボコに批判されずに堂々と活動できているのが凄い。
ビビるわ、マジで。
こんな国、韓国くらいでしょうね。困ったもんです。
急速に停滞ムードが出てきた米朝交渉。
当初の期待は急速にしぼみ、やっぱダメじゃないの?という印象が濃厚になってきました。
まぁまだ1年ですし、判断は時期尚早でしょうけど、驚きや期待はもはやなくなってきました。
サプライズ的なことがありえるとすれば、金正恩のソウル訪問や、金正恩のワシントン訪問、トランプの平壌訪問くらいでしょうか。
それも一回やったら終了です。
その結果、非核化も進まず、経済制裁解除もなければ「何だったのあの祭りは?」状態になってガッカリさせられるだけ。
今回米朝会談延期も、何の結果も出せそうもなく、お互いがお互いの主張をぶつけて終了になりそうだったからでしょう。
そりゃ延期しますよね。
会議のための会議をやっても仕方がない。
昔は会って話すのが大事、天気の話でもすればいい、とか言っていましたが、いざ接触と対話が始まったらそんな能天気な意見はどこかへ消えてしまいました(笑)
今回の会談延期に悲観も楽観もしていませんが、米朝間の隔たりが埋まる気配がない、ということはひしひしと感じました。
ここからは我慢比べ。
「平和的に対話を維持している」というポーズを国際社会に見せつつ、完璧な経済制裁を維持・発展させようとする米国と、どうにかして核を持ったまま制裁に穴を空けて切り抜けようとする北朝鮮のせめぎあいが続きそうです。