進撃の文在寅:過去の事例から外交アマチュアっぷりを再確認

もはや遠い昔のことのようですが、文在寅大統領が訪中した時に「一人飯」で冷遇されたという外交惨事がありました。

「あれってそういうことだったんだね」と納得させられる予想を室谷克実氏が著書に書いていたので紹介しておきます。

 

南京サプライズを企図

一国を総攬(そうらん)する実権元首は、目が回るほど忙しい。一日を無為に過ごすことはあり得まい。そうした視点からすると、韓国の文在寅大統領の中国訪問(17年12月13~16日)は、とても不思議だ。

韓国の保守系紙、朝鮮日報(17年12月16日、以下、17年は省略)が「どう考えてもおかしすぎる文大統領の国賓訪中」と題する社説で取り上げているが、13日午前、北京に到着してから翌日夜の公式晩餐会まで、中国要人との会食がなく、側近とだけで食事をして過ごしたのだから。

韓国各紙は、「国賓」の出迎えが次官補クラスだったことを問題視している。体面重視の国らしい。ところが、13日は南京事件の記念日だ。中国の要人はこぞって南京の式典に行っていた。むしろ韓国側か、そんな日をわざわざ訪中のスタートにしたことこそ、「どう考えてもおかしすぎる」。

しかし、以下のように考えれば、少しもおかしくなくなる。その後の不可解さも合点がいく。もちろん、私の想像に過ぎないが、述べてみる。

文大統領一行は当初、南京の式典に飛び入り参加することを企図していたのだ。

式典の司会者が「予定にはありませんでしたが、韓国の文在寅大統領閣下がお見えになりました」と言い、万雷の拍手のなかを登壇。そして、〝抗日連帯〟を呼びかける激烈な演説を行う。万雷の拍手は止まず。

翌日の夕、習近平主席との首脳会談では、〝抗日連帯〟の具体策が話し合われ、中国側が撤去を要求している高高度ミサイル防衛網(THAAD)のことなど話にも出ない……というシナリオだ。

17年は南京事件80周年であり、首脳陣が大挙して出席した。しかし、習近平主席は式辞を述べなかった。

兪正声政協主席が述べた式辞は「中日両国人民の根本利益から出発して、平和・友好・協力の大きな方向を正確に把握し、歴史を鑑として未来に進まなければならない」と、日中関係改善に期待する内容だった。

これが中国共産党の意思なのだ。そこに、呼んでもいない〝東夷の酋長〟が飛び込んできて、方向違いの演説をしようとしている。

韓国の企図を察知した中国側が、「南京入り」を拒絶したのは当然だ。しかし、韓国国内では「13日から国賓として訪中」と大々的にアナウンス済みだ。1日ずらすことなどできない。

かくして韓国大統領は、中国要人が出払っている北京に降り立たざるを得なかった。

おそらく、北京の韓国大使館は慌てて「在中韓国人との昼食懇談会」を繰り上げて開催したのだろう。そうでもしなければ、午前10時すぎに北京に着いた大統領が、何もしないで7、8時間を過ごさなくてはならなかった。

韓国の大統領が外遊した場合は、現地の韓国人と懇談するのが恒例になっている。その時の報道は、主要な出席者の名前、出席者数を書き、賑やかな会場で出席者に取り囲まれる大統領の写真がセットになるのも恒例だ。

ところが、昼食懇談会を報じた韓国紙は、名の知れぬ独立運動家の子孫が出席したことは伝えたが、出席者数はない。そして、大人数がいる気配をまったく感じさせない乾杯場面の写真だった。

それでも大統領は演説した。南京事件を採り上げ、「韓国人は中国人が経験したこのつらい事件に深い同質感を持っている」「両国は帝国主義による苦難もともに経験し、ともに抗日闘争を繰り広げ、厳しい時期を一緒に乗り切ってきた」と。

きっと、南京の式典で述べるつもりで練習してきた内容なのだろう。

しかし、日本の中国派遣軍にいた朝鮮人兵士は「俺は日本人だ」と言って中国人に威張り散らし、中国に「高麗棒子」という軽蔑語を残した。そして、朝鮮人亡命者がつくった上海臨時政府はエロ写真を売って糊口を凌ぐような存在で、日本軍と交戦したことはなかった。韓国の大統領は、そんなことも知らないのだろうか。

その日の夕は「韓中ビジネスフォーラム」があった。これは、南京に行っていたとしても出席できる日程だ。出席者は500人だったという。

韓国の大統領外遊は、財閥総帥ら経済人を大勢引き連れて行くのが慣例だ。今回の訪中でも、財閥総帥をはじめ300人もの経済ミッションが仕立てられた。大手企業なら、北京に支店や事務所がある。そこの代表者らもフォーラムには集まってくるだろう。となると、中国側の参加者はどれほどいたのか。

これを報じた中央日報(12月14日)の見出しが面白い。

「韓国財界人が揃って出席 韓中ビジネスフォーラムに500人」

こうした記事は「中国側からは○○、○○氏らが……」とあり、彼らの発言が紹介されるのが定型だ。が、載っていない。最後に「当初出席を予定していなかった張高麗中国国務院常務副総理の姿が見られ、目を引いた」とあったが、その発言は載っていない。

一帯一路政策の担当者として、顔だけ出したのだろう。

なぜ日本人は韓国に嫌悪感を覚えるのか (月刊Hanada双書)』 P240-244

 

南京式典に飛び入り参加するつもりで訪中。

方向違いの演説をぶちかまされてはかなわないと中国側は拒否。

その結果、要人不在の首都に降り立ち、しゃーなしの在中韓国人との晩餐会。

式典に「予定にはありませんでしたが、韓国の文在寅大統領閣下がお見えになりました!」と紹介され、演説で「抗日連帯」を呼びかけ、万雷の拍手を受け、翌日の習近平との会談にはTHAADの話など一切出ず、抗日連帯の具体的な話しがなされ中韓和解ムードが盛り上がる。

室谷氏は「予想だが」と前置きした上で、こうしたかったんだろうと述べておられます。

私も同感です。

きっとそうしたかったんでしょう。

狙い通りにはなりませんでしたが。

文政権はこの手の惨事が多いですよね~。

G20に出席するためにアルゼンチンへ行く途中で、”大統領不在”のチェコに立ち寄って原発の売り込みをやったり、EU歴訪で制裁解除を訴えて「CVIDなくして制裁解除なしですよ」と逆にEU各国の首脳に逆のこと言われたり、色んな国に行って「包容国家」をアピールして理解を得られた!と自画自賛したり。

衝撃のアマチュアっぷりです。

そういう諸外国歴訪の際には、その国が喜びそうなこと、かつ自国にもメリットのあることを言うもんです。

EU諸国なら「保護主義の流れに反対する」という発言こそが喜ばれます。

それを言わず、自分に都合の良いことだけ発言して「理解を得られた!」と韓国国内向けのアピール材料にする。

もうどうしようもない。

そんな姿勢で外交やっているから上述した訪中惨事が起きるわけです。

南北交渉でも同じような失敗をしそうで不安で仕方ない。

韓国を亡国へ追いやった大統領として、その名を歴史に刻むようなことにならないことを祈るばかりです。