対北朝鮮外交:朝鮮半島不介入条約で日朝国交正常化

非核化の進展も停滞し、拉致被害者が帰っていくる可能性もほぼ皆無の日朝関係。

制裁が解除される可能性もほぼゼロで、いつでも元に戻せる例外措置が増えることはあっても、大々的な制裁解除は見込めません。ゆえに日本が金を出して拉致被害者を取り返すこともほぼ不可能。

そんな中、日韓関係が徹底的に悪化し、精神的断交にまで進むこととで実行可能になる、対北朝鮮外交があります。

韓国との「半島唯一の合法政府は大韓民国のみ」という約束を反故にし、韓国の安全保障を徹底的に売っ払うことで北朝鮮との交渉が可能になる外交カードです。

ある意味先日書いた韓国への効果的な対抗措置の一つともなります。

 

名付けて「朝鮮半島不介入条約」。

これで北朝鮮と国交を正常化します。

要旨はこちら。

  1. 在日米軍基地を拠点にした北朝鮮への先制攻撃を認めない。ただし、次の3つが確認できた場合にはその限りではない。
    • 北朝鮮から日本への軍事攻撃。
    • 北朝鮮から日本への軍事攻撃の予兆や軍事力を使った脅迫など。
  2. 朝鮮半島でいかなる軍事的衝突が起きても日本は介入しない。ただし、次の3つが確認できた場合にはその限りではない。
    • 中国の朝鮮半島占領。
    • ロシアの朝鮮半島占領。
    • その他、韓国・朝鮮以外の外国が主体となる軍事占領。
  3. 日本は朝鮮半島有事には不介入を確約し、政情が安定した後に樹立された朝鮮半島の新政府と国交正常化交渉を行う。一つの政府が出来ればその政府と、二つできれば二つと、三つできれば三つ。とにかくどうなろうが紛争が終結した後の政治主体をそれぞれ国家承認する。
  4. ミサイル発射実験は48時間前に通告すること。通告なき場合は1~3の条約は喪失する。
  5. 核の製造・実験・拡散が確認された場合は、1~3の条約は喪失する。
  6. 日本に対する核・ミサイル・軍事力を使った威嚇を行った場合は、1~3の条約は喪失する。
  7. 日本は朝鮮半島に邦人救出以外の目的で、自衛隊を派遣しない。

以上が要旨です。

前文には「過去の植民地支配を反省し、決して朝鮮半島に侵攻せず、占領もしないと誓う」くらい入れると良さそうです。

簡単に言えば南北で戦争をしても、日本は関与しないということです。例外としては中国やロシアが関わっている場合ですが、それさえも条約での縛りがなくなるというだけであって、実際に介入するかどうかは日本の自由です。

よく「北朝鮮はもはや拝金主義でお金第一の国」という意見を目にします。

その通りではありますが、目的と手段が逆転しています。

北朝鮮の最優先事項は体制維持です。

体制維持のためにお金が必要なのであって、お金そのものが目的ではなりません。

そして体制維持のためにもう一つ重要なのは、お金ではなく軍事攻撃を阻止することです。

そのために、在日米軍基地発の朝鮮先制攻撃を禁止する条項を入れています。

そして日本の自衛隊による攻撃も北朝鮮から攻撃されない限り禁止しています。

これが北朝鮮と取引できる可能性のある外交カードです。

また、北朝鮮と韓国が戦争を始めても、たとえ北朝鮮が韓国に奇襲を仕掛けても、日本は介入せず、どちらかを支援することなく、戦争に勝った方と国交を結び、戦後復興に協力するという条約です。

北朝鮮の南侵武力統一が成功したら、日本はそれを認めるということです。

北朝鮮の最終目標は、南北統一です。

「北朝鮮が戦争で統一しても日本はその政府を認める」という約束は、北朝鮮にとっても魅力のはずです。

逆に、韓国主導の北進統一でも認めるわけですから、南北双方を平等に扱っています。

韓国から文句を言われる筋合いはありません。

この条約を北朝鮮と締結し、北朝鮮を国家承認し、国交を正常化し、平壌に大使館を置く。

その対価は「拉致被害者の全員送還」です。

ただし、経済支援も賠償もなしです。賠償金は日韓基本条約で、北朝鮮分のお金も韓国に渡していますから、請求は韓国にしてくださいと突っぱねます。

国連制裁も守ります。

「植民地支配してすみません」くらいの謝罪はしても良いでしょうが、お金は一銭も渡しませんし、制裁違反になるのでそんなことはできません。(もしやるとしたらお金をプールしておいて、完全非核化後に渡すと約束するくらいか)

その代わり、在日米軍基地から爆撃機が北朝鮮へ押し寄せ、爆撃するようなことはさせないと保障し、北朝鮮が延坪島を砲撃しようが、ソウルを火の海にしようが、侵略しようが日本は中立を維持すると約束します。

韓国を見捨てるのか!と言われそうですが、国力の差は圧倒的です。北朝鮮に韓国が負けることはないでしょう。

ただしそれも、「今のところは」という但し書き付きです

ここがミソで、将来国力が逆転した時に韓国を軍事占領できるよう今のうちに日本とこの条約を締結した方が得だ、と北朝鮮側が判断すればこの取り引きに応じる可能性があります。

そうすれば拉致被害者が全員帰ってきます。

もはや北朝鮮にとっては何の価値もない日本人拉致被害者を返すことで、国家間条約として日本の朝鮮半島介入を約束させれるわけです。

北朝鮮は喜びます。

いまだに日本が韓国を侵略する気だ!と反日感情満載の一部の韓国人も喜ぶでしょう。

日朝国交正常化で公式的な対話チャネルも生まれます。

拉致被害者が帰ってくれば、対北朝鮮感情は急改善します。もしくは無関心になります。

国連制裁がある限りは、国交正常化したところで経済制裁は維持されますから、制裁に穴があくわけではありません。

国際社会から日本が孤立することもありません。

国連制裁を誠実に履行すると繰り返し表明すれば良いでしょう。

個人的に興味があるのは国交正常化による特定永住権者の国籍選択。

”朝鮮籍”が喪失し、”韓国籍”か”北朝鮮籍”の二択になって、果たして何人が”北朝鮮籍”を選ぶか見ものです。

ルポ 思想としての朝鮮籍』のような本にシンパシーを感じる人たちあたりが「二択を迫るのは人権侵害だ!」とか言い出しそうですね(笑)

そんなに嫌なら韓国籍を選べって話です。

これらの結果、日本は朝鮮半島情勢への興味を急速に失うことでしょう。

さらには、良いことではないですが北朝鮮の核保有についてもかなり興味を失います。

核実験でもしない限り、日本国民の「北の核保有はけしからん!」という意識はなくなります。

日本への軍事的を威嚇を行った瞬間、日本の中立・半島不介入の約束が喪失するわけですから、北朝鮮としても日本には何もしてこなくなるでしょう。

むしろ韓国併合のために良好な関係を築こうとしてくるはずです。

そうなればいくら北は核を隠し持っていると訴えたところで票にもならず、ゆえに日本政府の政治課題にもなりません。

拉致被害者なき北朝鮮は、日本にとって存在感ゼロです。

さらには中国に飲み込まれないためには核があった方が良い、という意見も出てくるはずです。(個人的にその意見には一理あると思っています)

日本にとっては中国の台頭の方が死活的な問題です。

それに比べたら北の核は日本とって、死活的とは言ません。

日本の朝鮮半島への対処は「韓国に任せて関与せず」となるでしょう。

韓国切り捨てだと言うかもしれませんが、嫌韓感情だけではこの案は実行できません。むしろ韓国が北朝鮮に負けることはないという信頼が土台にあります。

拉致被害者を取り返し、日本国民全体から朝鮮半島への興味が薄れることで、北朝鮮と結び付けた排外右翼は力を失い、ヘイトスピーチは減ります。

喜ばしいことです。

制裁違反はできませんが、制裁対象になっていない観光は増えるはずです。

「日朝国交正常化」で渡航制限の解除くらいはやっても良いと思います。

物資やお金は運べませんが、万景峰号での観光ツアーくらいはアリです。

北朝鮮も観光客誘致に力を入れているようですから、それに協力するのも良いでしょう。

金正恩の実績作りにプラスにるはずです。

テレビや新聞でも、「朝鮮民主主義人民共和国」と正式名称を使い、略称も「共和国」と呼ぶようにしても良いです。

とにかくその手の実害がないことや、制裁違反で日本がセカンダリーボイコットを受けないようなことを色々やっても良いと思います。

悩ましいのは朝鮮学校の扱いです。

教育内容を母国に合わせるのであれば、学校の運営費を北朝鮮からもらうべきでしょう。駐在官の子供が通う外国の学校は、母国が金をだして運営するのが国際的にも普通です。

日本としては思いっきり北朝鮮側に押し付けてしまって良いと思います。

北朝鮮が運営する海外の学校ですから、当然肖像画も飾り、金一族賛美の歴史も堂々と教えるでしょう。先生も平壌から派遣してもらって良いでしょう。

在日同胞の民族学校から、将軍様のウリハッキョへと一気に赤く染まります。

今まで半々くらいだったのが100%将軍様印の学校です。

もはや「北朝鮮の学校なんかなじゃない!」という言い訳も使えなくなります。

国籍選択と同様、日朝国交正常化によって北朝鮮の学校に通うか、日本の学校に通うか二択を迫られることになります。

北に親族がいて子供を通わせるしかない人たちには気の毒ですが、あまり関係のない人は一挙にいなくなるはずです。日本で生まれた人たちが、完全に北朝鮮の学校へと赤化した場所に、子供を通わせたいとも思えません。

果たしてどこまで耐えれるか見ものです。

最後に核の扱いです。

EU各国や中国も、北朝鮮と国交があっても非核化を求めています。国連制裁に参加しています。日本もそれと同じ位置づけになるだけです。

中国に本気を出させるためにも、「中国が北朝鮮への核武装放棄の働きかけを行わないなら、日本も核武装を検討するぞ」「台湾に核武装を勧めるぞ」と言うのも良さそうです。

特に台湾の核武装など、中国にとっては悪夢でしょう。

北朝鮮の非核化は、米国と結託して「台湾核武装カード」をチラつかせながら中国に本気で経済制裁をやらせて進める以外ないと思います。

以上が日本ができる北朝鮮外交です。

こんなことは夢物語だ、日本が独走して国交正常化することを米国が許すわけない、と思うかもしれませんが、おそらく今後の米朝協議で、韓国の安全保障を売る形での米朝合意が進むはずです。

同じことを日本がして何が問題なのか?

米国が韓国を守る気もなく、韓国も北朝鮮への警戒を解除する中で、「第二次朝鮮戦争勃発⇒米国の防衛義務発生⇒在日米軍出動⇒日本が戦争に巻き込まれる」なんて事態はまっぴらごめんである。そう主張して米国を説得すれば良いだけです。

それが嫌なら韓国が在韓米軍を引き留め、合同訓練も拡充すべきはずです。

しかし、現実はそうなっていないわけです。

南北の軍事合意で38度線付近の偵察が不可能になり、軍事的緊張緩和(=韓国の自主的武装解除)も進んでいます。

このままいけば在韓米軍は縮小・撤退するのは間違いない。

ある意味、早めにこの枠組みで日朝国交正常化ができれば、逆に在韓米軍は残るかもしれません。何せ在日米軍には頼れないわけですから、不安になった韓国政府が必死に引き留めるでしょう。

きっと韓国は「在日米軍の出撃を止める権利は日本にない!」と言うでしょうが、電気・ガス・上下水道を止め、物資の補給も止め、日本人エンジニアに米軍機の整備をさせなければ、在日米軍は機能しません。

韓国が「在日米軍の出撃を止める権利は日本にない!」と言ったところで、日本が協力しなければ何もできないわけです。

文政権のダメなところはその現実を理解していないことでしょうね。分かってれば日韓関係を良好に維持しようと思うはずですから。

もしかしたら韓国のためにもこの条件で日朝国交正常化を早くしてあげた方が良いかもしれませんね。

そもそも在韓米軍が撤退したところで、米国が北朝鮮を攻撃をしたいのであれば、グアムや空母から飛行機を飛ばせば良いだけです。韓国を守るために駐留しているだけであって、北朝鮮を潰すだけなら韓国にいなくても問題ありません。

日本が「朝鮮半島不介入条約」を締結する理由は、「韓国を守るために在日米軍基地から米軍機が出撃するせいで、日本が攻撃されるのは嫌だ」ということです。

日本のリベラルたちは「アメリカの戦争に巻き込まれるな!」と、よく言っていますよね。それが朝鮮半島に適用されるだけです。まさか反対はしないでしょう。

右も左も反対する理由はないはずですから「朝鮮半島不介入条約」で日朝国交正常化も問題ないはずです。

個人的には朝鮮有事が起きた場合には韓国を支援すべきと思っていますが、対中包囲網にも参加せず、在韓米軍駐留に努力もせず、日米韓の連携も拒否し、日本に様々な嫌がらせをしてくる韓国を、日本が戦争に巻き込まれるリスクを冒して助ける必要性は薄いでしょう。

韓国から文句が来たら、「もし尖閣有事で日中戦争が勃発したら、韓国は日本の側に立って中国と戦争してくるんですか?」と言えば黙るはずです。

第二次朝鮮戦争が起きても日本は不介入。

日中戦争が起きても韓国は不介入。

それで文句ある?ってなもんです。

日韓基本条約の「朝鮮半島唯一の合法政府は大韓民国のみ」も、朝鮮人募集工(徴用工)判決で韓国がこの基本条約の精神を無視するような行動を繰り返しているわけです。さらにはどう考えても北の金一族に不当占領された北半部を解放する気概も喪失しているわけです。

韓国を唯一の合法政府と認め、米国と共に多額の資金と技術を使って後押ししたのも、韓国主導の朝鮮半島統一を成し遂げてほしかったからです。

もはやその気概を失っている相手に、「朝鮮半島唯一の合法政府は大韓民国のみ」という約束を守る義務もありません。

そう言えば韓国は何も言えないはずです。

日本の理想を言えば、韓国主導による北進自由化統一なわけですよ。

それでこそ、核の完全な破棄が可能ですし、拉致被害者を”確信をもって”全員取り返したと判断できますし、人質に取られた在日朝鮮人家族の苦しみも終わりますし、奴隷状態になっている北朝鮮国民も解放されます。

しかし、韓国にヤル気がない状態ではいかんともしがたい。

米国ももはや軍事攻撃を行う気も失せています。トランプにとっては北朝鮮の核よりメキシコとの国境の壁の方がよほど重要ですから。

米国は、北朝鮮がICBMを破棄し、核実験もミサイル発射もせず、周辺国を威嚇しなければ現状維持で放置するはずです。

そもそも北朝鮮を攻撃しようとしても、韓国が必死に止めるわけですから、どうにもできません。

この状態でいくら日本が強硬論を訴えてもむなしいだけです。

奴隷になっている隣人を助けるもともできず(北朝鮮住民の独裁体制からの解放)、友人の家族を助けることもできず(帰国事業で北送された在日朝鮮人の解放)、できることは我が子を取り返すことだけ(拉致被害者奪還)。

残念ながら今の国際情勢で、日本にできることはここまでが限界のようです。

今動かなければ、その我が子さえも取り返せません。そのためにも今が日朝交渉に動く好機かもしれません。

その時の取引材料として使えるのがこの「朝鮮半島不介入条約」です。

前からこういう案は考え付いてはいましたが、①米国が朝鮮半島から手を引き、②日本の対韓感情が精神的断交まで進み、③韓国の徹底した親北姿勢が止まらない、という前提条件が揃わないと無理だと思っていたので、出番のない案だと思っていました。

が、昨今のとどまることを知らない日韓関係の悪化と、まったく妥結が見えてこない在韓米軍の費用負担交渉、縮小の一途を辿る韓米合同軍事演習、核からICBM放棄に重点が変わったポンペオ発言、韓国の国防白書から「主敵は北朝鮮」の文言が消え、金正恩のソウル訪問を毎日のように乞い願う姿勢から、前提条件が全てクリアされたと判断しました。

こうなっては今のうちに得られるものを得るために、動くしかありません。

「先進国へと成長した韓国は、北朝鮮に戦争で負けたりしないはず!」と信じて、日本は「朝鮮半島不介入条約」を外交カードにして北朝鮮と交渉を始めるべきだろうと思います。

「対北朝鮮外交:朝鮮半島不介入条約で日朝国交正常化」への1件のフィードバック

コメントは受け付けていません。