太永浩氏の正論 金正恩体制である限り核兵器は絶対放棄しない

元イギリス北朝鮮大使館公使の太永浩(テ・ヨンホ)氏が、米朝交渉について正論を述べておられました。

一言で言えばこれ。

「金氏体制である限り核放棄はありえない」

ぐぅの音も出ない正論です。

いくら米国が「体制転覆を求めない」と言ったところで、独裁大嫌いで自由・民主主義が絶対善の価値観になっているのが米国の言うことなど北朝鮮は信じません。

選挙で指導者が変われば、体制保障の口約束などあっさり反故にされるでしょう。

イラン核合意破棄、TPP離脱、パリ協定離脱と次々と前政権の約束を覆していったトランプの実績を見れば、米国の約束を北朝鮮が信じるなどありえません。

そういう点で「米朝の信頼醸成」など無意味です。

では交渉を続ける北朝鮮の狙いは何か?

 

北朝鮮の狙いは太永浩(テ・ヨンホ)氏いわく、「狙いは制裁緩和」とのこと。特に急減している中国との貿易再開が重要だそうです。

あとは軍事攻撃を防ぐために交渉を続けている、ということも大きな理由の一つでしょう。

核放棄をちらつかせ、一部の施設を放棄するくらいの歩みよりを見せて、その代りに制裁緩和を勝ち取る。

今回の交渉の狙いはこれでしょう。

やっていることは金正日時代と同じです。

結局、金一族の個人崇拝式独裁体制が変わらない限り、核放棄など未来永劫無理です。

いくら現在の体制を認めると米国や韓国が言ったところで、いざ反体制運動が北朝鮮で起きたら、自由主義諸国は反体制側を支援するでしょう。

ベネズエラでやっていることと同じことが起きます。

それをさせないためにも核は必要です。

もし北朝鮮で反体制運動が起きれば、鎮圧するためにリーダーを公開銃殺にし、その親族を政治犯収容所送りにするはずです。

明確なリーダーがいなくとも、デモ隊を機関銃一斉掃射で虐殺するくらいは余裕でやります。

生き残った人間は親族含めて全員収容所送りです。

その時に海外メディアがいて、弾圧の様子を報道されては外国の軍事介入を招きます。

それを阻止するためにも、核兵器は必須ですし、海外メディアに北朝鮮国内を自由に移動して報道させない閉鎖的な国家体制も必須です。

もしベネズエラのマドゥーロ大統領がICBMと核弾頭を持っていれば、今のようなぬるい対応はしていないでしょう。

軍隊を使って無慈悲に鎮圧できないのは、下手に大量虐殺をするとその様子が世界中に報道され、外国の軍事介入を招くからです。

核があれば、それを防げます。

外国の軍事介入を心配しなければ、いくらでも武力でもって反体制運動を鎮圧できます。

民衆も無駄死にするだけと悟れば、反政府運動などしません。

太永浩氏の「金正恩体制である限り、核を絶対放棄しない」という意見は、その国家体制の下で長年暮らしてきたからこその発言です。

私も同意見ですが、なぜか「北朝鮮を信じてみよう」という意見が隣国の韓国で一番多いのが困ったところ。

第二回米朝首脳会談で、中身のある非核化措置が取られないようなら、やっぱり北朝鮮は核を放棄する気はまったくないと理解する以外なさそうです。

そうなったら交渉はあきらめて、完全な非核化のためには北の独裁体制を変革する以外ないと悟り、圧力路線に戻るしかなさそうです。