統一日報 帰国事業の本質をえぐる記事

統一日報で帰国事業の特集記事があるのですが、「北送」となっているので検索に引っかからないかもしれないので、アップのために紹介しておきます。

この記事の中で、人質ビジネスと帰国事業の本質をえぐる内容がありました。

 

【「身代金」を脅し取られて】

坂中 日本人妻も3年すれば里帰りできると朝鮮総連に言われたから北朝鮮に渡った。北朝鮮主導の統一が近いことも盛んに言われていた。そうなれば韓国と自由に往来できると。

 実は今日、帰国運動を金日成による「壮大な拉致・監禁」と看破されたうえ、脱北帰国者の定住支援や活動をされる坂中代表に感謝を申し上げたかった。また、代表は近く新潟港において帰国運動の犠牲者を慰霊する追悼法要を営まれる。われわれ在日韓国人がすべきことであるのに。

坂中 私が行っている支援の原点は、75年の「坂中論文」にある。その中で帰国者問題について「在日朝鮮人は特別な理由がない限り地縁・血縁関係が希薄で社会・経済体制が異なる本国に帰る可能性は少ない」と指摘した。それから今日まで関心を持ち続けてきた。

姜 当時は「在日コリアンの同化政策だ」と憤った一人だった。今になると、その内容はことごとく当たっていた。

坂中 1980年代後半には、在日コリアンも帰国運動の被害者であると認識していた。家族や友人が強制収容所に入れられたり、処刑されたりしたばかりか、肉親を人質にとられ、北朝鮮政府から多額の賄賂を要求された。工作員の手先になるように脅迫されたりもした。法的地位や表面的な生活レベルが向上しても、帰国者問題を解決しなければ在日コリアンが心から幸せになることはない。そのように考えていた。13日のフォーラムと14日の「『あの日を忘れない』新潟港追悼集会」は、これまで北朝鮮帰国者問題に取り組んできた私の集大成だ。

 北に渡った帰国者の実態が明らかになった今でも、総連は祖国が犯した大きな過ちを総括していないし、本国との関係も正していない。自由に物が言える日本に住んでいながら、在日コリアンは帰国運動を糾弾する声を上げていない。恥ずかしいかぎりだ。

坂中 70年代後半になると、北朝鮮当局の指示で帰国者から50万~100万円単位の現金を送ってほしいという手紙が日本の家族に届くようになる。金を送ればいいところに住まわせてやるが、送らなければ収容所行きだと。そのときに家族が団結して「そんな理不尽な金は送らない」という態度を示さなかったから、在日コリアンは北朝鮮政府に「身代金」を脅し取られる存在に変わり果てた。

 総連の支部単位で○○支部はいくら、○○支部はいくらという割り当てがあった。

坂中 金正日に「人質政策はカネになる」と印象づけることになった。政府首脳に億単位の金を送る人まで現れた。

 今も北朝鮮の人質政策に唯々諾々と従って巨額の身代金を送っている商工人がいる。

【同胞を人質にする北】

坂中 在日朝鮮人を厄介者と見ていた日本政府も「北朝鮮に帰りたければどうぞ」と、帰国を容認した。在日コリアンの中には生活保護受給者や共産主義者が多かったから渡りに船だった。もっとも国際法上、帰国を止めようとしても止められなかったのだが。

姜 とにかく、在日コリアンから身代金に反対する動きは出なかった。その点、日本人拉致被害者家族は違う。

坂中 拉致被害者家族は全員の救出を目指し、団結して問題の解決に当たっている。一部の人は帰ってきたが、全員の帰国まで活動を続けることで一致している。

 在日社会でも当初は民団の有志による反対運動があった。しかし、肝心の総連側からは、帰国運動の悲劇を知っていても何の動きもない。身内の帰国者だけがよければいいという考えで、黙って送金を続けている。

― 在日韓国・朝鮮人の運動で大きなものとして指紋押捺反対運動と地方参政権獲得運動がある。

 それらとは比較にならないほど、北送の総括と北朝鮮の責任追及は重要な問題だ。自らの親類・縁者が拉致され、帰ってこられないのだから。地球上にこんな国がほかにあるのか。民族の恥だ。

坂中 祖国に帰って迫害され、かつて差別を受けた国に帰ってくる。このような国際人口移動の例は現代史にない。同胞を人質にして、海外の家族から身代金を取るような政府も聞いたことがない。

【一致して帰国者の解放を】

坂中 脅迫すれば大金が転がり込むことを知った北朝鮮は、国民の福祉に何ら関心を示さず、産業基盤の整備にも輸出の振興にもつとめようとはしなかった。国家主義まで不法行為をエスカレートさせて国際社会から援助を取り付ける対外政策と、「脅し」を駆使して海外から金品を調達する政策の基本は今も変わっていない。

 金日成指示の帰国運動から北朝鮮のとんでもない国家体質が形成されたのだが、総連系の同胞はその事実を知りながら陰では反対の声はあったが、北朝鮮の言いなりになってきた。

―北朝鮮の全体主義体制を糾弾しなかったマスコミや、北送を後押しした日本政府の責任は。

坂中 日本政府や日本のマスコミの責任は小さなものだ。金日成に騙されたのだ。朝鮮総連すら本国政府に騙されていた。子供を「帰国」という形で金日成に差し出すよう強要された朝総連幹部たちは被害者の一面もある。問題の本質は、北朝鮮に渡った人たちに対して北朝鮮政府が行った残酷きわまる仕打ちだ。貧しくても平等に扱い、ある程度の自由が与えられていれば、日本に戻ってくる人はいなかったはずだ。

 同感だ。北送されるまでのプロセスも指摘すべきだが、一番の問題は入国後に北朝鮮政府がやったことだ。

坂中 姜社長は「地上の楽園」の話に騙されて北に渡った人が7割ほどだったというが、彼らにも責任がなかったわけではない。将来のこととかいろいろな思惑があって帰国を決めたのだから。

 そう。自己責任はある。

坂中 しかし、責任論をいくら言っても問題の本質は明らかにされない。帰国者が北朝鮮で受けた前代未聞の処遇、世界に例のない迫害を加えた北朝鮮政府の所業を直視するべきだ。北朝鮮の現住民も帰国者を眼の敵にして排斥した。それも問題だ。

 最も悪いのは金日成・金正日政権だ。北送50年の節目を期して、心ある在日コリアンは帰国者全員の解放を目指して立ち上がらなければならない。また、帰国者問題の本質を日本の内外に知らせることも課題だ。

【特集】北送から50年―対談 坂中英徳・姜昌萬 (下)

帰国事業の本質をえぐる指摘がてんこ盛りです。

  • 帰国運動は金日成による「壮大な拉致・監禁」。
  • 帰国事業の一番の問題は入国後に北朝鮮政府がやったこと。
  • 帰国者問題を解決しなければ在日コリアンが心から幸せになることはない。
  • 総連は祖国が犯した大きな過ちを総括していないし、本国との関係も正していない。
  • 総連側からは、帰国運動の悲劇を知っていても何の動きもない。身内の帰国者だけがよければいいという考えで、黙って送金を続けている。

「帰国者問題を解決しなければ在日コリアンが心から幸せになることはない」という指摘はまさにその通りです。

ここを断固直視しようとしないのが、総連と朝鮮学校支援者でしょう。

どれだけ凄まじい被害を受けてきたのかを知っていれば、朝鮮学校の教科書に帰国事業が「愛国愛族の礎となった!」と自画自賛していることに耐えられないはずです。

結局子供を政治使って、政府批判のネタや自分の言論の正しさを証明するために利用したい人たちが、子供の未来を踏みにじっているわけです。

こういう人たちには、辛い決断を下さざる得ない、朝鮮学校に子供を通わせる保護者の声にもっと真摯に耳を傾けてほしいですね。

国連は北朝鮮には経済制裁を科し、朝鮮学校の無償化除外には差別と指摘した。人類史上最悪といえる暴力と人権侵害が蔓延る北朝鮮政権と、日本中の朝鮮学校が直結しているという点を見逃しているとしか思えない。

「歴史の負債である朝鮮学校の教育を4世、5世の在日の子どもたちに背負わせることが、本当に子どもたちのためだろうか。2世、3世のエゴに過ぎないのではないか。いい加減ここらで一旦解体した方が良いのではないか」。

長い葛藤の後、最近3人の子どもを朝鮮学校から日本学校へ転向させた友人の言葉である。(朝鮮学校卒業生 リ・ナナ)

拉致と真実 第10号

こういう苦しい本音を、無条件で朝鮮学校を支援している人たちは知ろうとしません。

いい加減、朝鮮学校の子どもに寄生しているリベラルたちは、本当の弱者の声を取り上げて、まじめにマイノリティのために活動をすべきでしょう。