統一日報の連載、朝鮮総連衰亡史が面白いです。
朝鮮総連の一番の被害者が在日韓国人ですから、その人たちの総連非難には容赦がない。
思わず笑ってしまった箇所や、色々と考えさせられる部分を紹介します。
20世紀、韓半島の住民の中には暗黒期にあたる苦難の時代を生きた世代もあり、繁栄と栄光の世代を生きる世代もあった。南韓国民は恥辱の時代を乗り越えて成就と栄光の時代を生きてきたといえ、北韓住民は今、全体主義神政体制の下で彼らがいう「苦難の行軍」を強いられている。
『朝総連衰亡史(1) 』
「南韓国民は恥辱の時代を乗り越えて成就と栄光の時代を生きてきた」
これ、意外と世の中でそういう認識をしている人が少ないのですが、この辺は北朝鮮と朝鮮総連による「韓国を貶める嫌韓情緒を醸成するネット書きこみ」が功を奏していると言えます。
北朝鮮にとって、韓国は羨望の対象であり、自分の無能さを突きつけられている憎い存在であることを分かっていない人が多い。
この辺を理解しているのはロシア人の北朝鮮専門家アンドレイ・ランコフ氏でしょう。著書『北朝鮮の核心――そのロジックと国際社会の課題』で、「北朝鮮が特異な存在になったのは、もうひとつの朝鮮国家、大韓民国が経済において目もくらむような成功を収めたためだ。指導部が道を踏み外し、悲劇への進路をとってしまったのも、そのことが多分に影響している。」(P3)と述べています。
韓国からしたら「知らんがな、人のせいにするな!」と言いたいところでしょうが、そういう己の無能を棚に上げて何でもかんでも人のせいにするのがチュチェ国(北朝鮮)の特徴なのでどうしようもありません。
相手を見習って自分を変えようとするのではなく、相手を自分と同じレベルにまで落とそうとするのが北朝鮮のやっかいな特徴です。
韓国を貶めるネット上の言論ですが、よくよく考えると、「それ、北朝鮮のこと言ってるんじゃないの?」、と思えるものばかりです。
事大主義なんて、はっきり言って北朝鮮こそがふさわしいでしょう。脅して強奪するという手法だから分かりづらいだけであって、結局は恵んでもらっているわけですよ。
こういう情緒を理解すれば、匿名のネット上で盛大に嫌韓情緒をまき散らしているネトウヨの仮面かぶった従北さんたちが、自己投影を韓国にして、自己反省と自己改善というまっとうな人間の道を歩まず、韓国をスケープゴートにして攻撃し、留飲を下げているのが良く分かります。
ま、もちろんそれに乗っかって愛国ビジネスをやっている日本人もかなり問題ですが。
お次はこれ。
南北の体制競争は、在日コリアン社会にもそのまま投影された。朝総連は「わが民族同士」という「仮想現実」の中に民団を引き込もうとする。だが、朝総連組織の正体は、朝鮮労働党の在日支部として平壌に盲従する存在である。そのことことを自ら認めるのが「主体」年号の使用だ。
『朝総連衰亡史(1) 』
「わが民族同士」という「仮想現実」
何度読んでも笑ってしまう。
まぁありえませんよね。朝鮮民族の最大の敵が金一族なのに、「わが民族同士」などありえません。まさに「仮想現実」です。
「平壌に盲従する存在」をやめない限り、「わが民族同士」にはなれないでしょう。
「朝連」は暴力革命を叫んでいた日本共産党の前衛隊となった。やがて、前近代的な封建制度と軍国主義に慣れていた在日朝鮮人の心と頭の中に、全体主義独裁体制を植え付けた。この体制による支配を完成させるため、「朝連」はスターリンが作りだした金日成という操り人形を偶像として導入した。
朝総連の失敗と衰亡は、金日成という偶像を受容したためだ。つまり、朝総連の衰亡は歴史的必然だ。それは新しい時代、国を建設する段階で偽の種、空の種、悪の種をまいたからだ。収穫は蒔いた種によって決まる。偽の種をまいて良い収穫はできない。悪の種を植えればその結果は破滅であるしかない。
『朝総連衰亡史(2) 』
う~ん、容赦がない。
お前らは最初っから失敗が約束されとるんだ、と一刀両断です。
理由も明確です。「金日成という偶像を受容したため」。
ぐうの音も出ない正論でしょう。
それにしても「悪の種を植えればその結果は破滅しかない」という一言は、もうちょっとお手柔らかに、、、と思わず朝鮮総連を擁護してしまいそうになります。
もちろん朝鮮総連だって良い部分はありますが、ダメなところはその良い部分を全て吹き飛ばすマイナス部分が凄まじい点でしょう。帰国事業で同胞から財産を強奪して北の暴君と山分けした手腕など本当に最悪です。
その負の部分を指摘されると「差別」の大合唱と、「おまえは右翼だ!」というレッテル貼りで言論弾圧を加えるところがさらに最悪なところです。
別に昔のことをあげつらって責めているわけではないです。まったく「反省していない」ことを責めているだけです。
結局、こういう自己反省をせず、他人を責めることで自己の良心と向き合うのを断固拒否する輩がトップだと何をやってもすべて台無しにされるんですよね。
朝総連は、初期から議長の韓徳銖一派を中心に金日成神話の捏造に加担した。それが在日同胞を破滅の淵に追い込んだ。神話を捏造し、憎悪に依存して敵を作らなければ維持できない体制は、文明的体制でなく世界を不幸にする。
『朝総連衰亡史(2) 』
「捏造に加担」、「在日同胞を破滅の淵に追い込んだ」
これこそが朝鮮総連が反省すべき点でしょう。今も「反差別市民デモ闘争」の神格化のために神話をせっせと創造してますからね。この神話のやっかいなところは、街頭出て暴れたら言うこと聞いてくれた=話の通じる政府=良い政府、とならないのが残念な点でしょう。
北でやったらあっという間に公開銃殺と親族丸ごと収容所送りです。そちらを愛するように教育して、話の通じる日本政府を憎悪する教育は歪んでいるでしょう。
「神話を捏造し、憎悪に依存して敵を作らなければ維持できない体制は、文明的体制ではなく世界を不幸にする」
名言ですね。おっしゃる通りでございます、としか言えない。日本の左翼もこれに加担しているところが最悪と言えます。ちなみに昨今の愛国馬鹿を量産している手法もこれですね。
韓国が悪い、中国が悪い、米国が悪い、日本は素晴らしい。みんな仲良く自慰史観で気持ちよくなってカルト化です。害がないレベルならともかく、日韓合意を破綻させようと国益毀損行為をするようでは韓国の最凶の従北団体「挺対協」と同じでしょう。
諸悪の根源は金日成神話だ。金日成の革命の歴史という捏造された虚構の体制は、虚構の結末を生む。朝総連の民族教育は、偽善と虚構の歴史を教えるものだ。
飲み水に1%でも毒を入れれば、それは飲み水ではなく、毒になるのと同じだ。これから朝総連組織が発行した便覧などを通じて、朝総連の偽りを明らかにし、愚かさと罪状を並べてみたいと思う。
『朝総連衰亡史(2) 』
「1%でも毒が混じったら毒」
その辺で勘弁してあげて、、、と思わず言ってしまいそうになります。
さっさと解毒せずにズルズルとここまで来てしまったのが朝鮮総連や朝鮮学校が衰退してしまった最大の原因でしょう。
朝総連の公的行事には首領たち(金日成・金正日)の写真が飾られる。いかなる宗教よりも「宗教的」だ。朝鮮総連は、捏造された金日成神話に自分たちの神話を結合させてきた。
『朝総連衰亡史(3) 』
「必ず両首領たちの写真が飾られる」、「いかなる宗教よりも「宗教的」」
朝大や朝鮮学校について、こういう指摘をする人って皆無ですよね?
日本会議が宗教結社だ~!と非難するのも結構なのですが、なぜかそういう人たちって朝鮮学校に肖像画を下ろせと言ったら「民族差別」で「子供に対する人権侵害だ!」になります。本当に不思議です。
ちなみに天皇陛下の肖像画を飾ろうとか言いだしたら断固反対します。別に嫌いだとかではなく、そういうのは個人の趣味の範囲でやってくれ、と思うだけです。子供に特定の情緒を植え付けるような教育は慎むべきでしょう。
一番最悪なのがこれ。
朝総連組織の最大の罪は、神話の捏造に積極的に加担した反逆行為ではなく、捏造のために「金日成」の実体を伝えるすべての記録を破壊したことだ。
『朝総連衰亡史(3) 』
「実体を伝えるすべての記録を破壊」
今でもこれをやっているから困ります。
直接手を下すような真似をすると嘘つきだとバレてしまうので、反論が難しい昔のことを持ち出し、盛りに盛って神話化し、憎悪を煽るという手法で、「実体を伝えるすべての記録」に目を向けさせないようにしてきます。
物量で圧殺する、というやり口ですね。
関東大震災や、秀吉の出兵なんかが良い例です。
正直、そんな昔のことより北送された同胞が金日成と金正日にどういう目にあわされたかちゃんと教えた方が民族教育として正しい道だと思えますが、図書館に乱舞するのは「関東大震災 朝鮮人虐殺」です。
まさに「神話の創造」→「憎悪の扇動」→「敵を作って体制維持」という周りに不幸をまき散らす三点セットをこれでもかと頑張っておられます。この辺が朝鮮総連の最悪なところでしょう。
教育機関は、朝連(後の朝総連)が在日同胞社会を掌握するための最も強力な武器となる。あらゆる宣伝と洗脳が、「民族教育」という美名・名分の下で行われた。母国語が学べるという素朴な期待を抱いて「朝鮮学校」に入学した瞬間、生徒は洗脳と扇動から抜け出られなくなる。しかしそのすべてが「民族」の名で正当化された。
朝総連は朝鮮学校の教育目的を、「全在日同胞の子供たちを主体の世界観が立ち、智・徳・体を兼ね備えた真の朝鮮人として、自分の祖国と民族の隆盛発展のために貢献ができる有能な人材に育成すること」、言い換えれば、個人の生を「自分の祖国と民族の運命と結びつけること」と定義している。朝総連は結成10周年の記念行事の際、学生8000人を動員して「祖国に捧げる歌」の公演を行ったと記録に残っている。こうした伝統は今も続いている。
『朝総連衰亡史(4) 』
全体主義の危険なところは、おきれいな看板を掲げていることでしょう。こういうのに人間は騙されてしまうわけです。
朝鮮学校を批判すると、「洗脳なんかされてない!デタラメだ!!」が、彼らの鉄板の言い訳ですが、そもそも「洗脳されている」と思っていたら洗脳失敗してますからね。
朝鮮学校を作った在日一世と朝鮮学校の先輩を数万人虐殺した相手を愛する教育は狂っている、という常識的な判断ができない時点で洗脳が成功している証左だと言えます。
「個人の生を祖国と民族の運命に結び付けること」という言い換えは、実に的確な表現だと言えます。朝鮮学校ではこういうのを「集団主義」と表現していますね。いつまで子供の人生をおもちゃにすれば気が済むのか、本当にやっかいな連中です。
朝総連の人事は、すべて平壌の指示に従う。特に朝鮮大学校は朝鮮労働党が指導する「国立大学」であるため、労働党の規範と指示に従わねばならない。朝鮮大学校は全校生が寮生活をせねばならず、義務的に朝青に加入する。複数の証言によれば、政経学部と教育学部は全員が授業料無料で、卒業前の北韓修学旅行も義務だ。
朝鮮大学校卒業生の強制職場配置は、労働党の制度をこの自由社会の日本にそのまま移植したものだということがわかる。
この政経学部と教育学部が、朝鮮総連の頭脳になる人たちですね。
まぁ言い換えれば北の暴君に操縦される人たちです。
人事権=支配力、です。
北朝鮮労働党が朝鮮総連の人事を決めるということは、総連は将軍様の私物、ということです。
朝鮮学校の人事を朝鮮総連が決めるということは、朝鮮学校も将軍様の私物、ということです。
だいたい、朝鮮学校を作った在日一世や、朝鮮学校の先輩数万人を虐殺した相手の肖像画を下ろしなさい、という指示をぐだぐだ御託を並べて拒否する時点で、将軍様に支配されていることを証明しているようなものでしょう。
朝総連はなぜ朝青に朝大卒業生を優先的に配置するのか。それは朝青が朝総連の組織を維持する核心支持体であるからだ。朝鮮大学校が全校生に寮生活を義務づけるのは、朝青生活を通じて組織の後継者、つまり労働党員を補充するためだ。そのため、朝青の活動は基本的に外部へ公開せず、ホームページも閉鎖的に運営されている。
朝総連の大規模な組織動員は、傘下団体を全部稼働すれば可能だが、普段緊急動員できる組織は限定的だ。ここで最も便利な存在が各級学校、特に朝鮮大学校と朝青である。
朝青は文部科学省や外務省などへの抗議活動によく動員される。日本当局への抗議活動の様子を見れば、これらのデモは学校生活の一部、事実上の授業の一環であるとみられる。
最近、平壌から金正恩の「聖戦指令」によって、組織動員に腐心している様子が見られる。もちろん、その先鋒、前衛隊は朝青だ。
大学時代なんてまさに青春の絶頂期なわけです。
自由を謳歌し、多少ハメを外しながら青春を楽しむのが若い世代の特権です。
それを北の将軍様の指令に従ってデモに動員されちゃあたまったもんじゃありません。
ダルい嫌なことを強要される⇒だから生徒が減る
ということを分かっていないようです。何でもかんでも日本社会の差別のせいにするのではなく、己の欠点を直視して、改善してもらいたいものです。
朝総連が最近、平壌から教育援助金がたくさん来たと宣伝するのは、政治活動資金が増えたという意味だ。もっとも、日本の地方自治体などが朝鮮学校への補助金を減らしたため、自らの負担は増えている。それでも平壌からのお金より日本の自治体などの補助金の方が多い。朝総連は、首領からの「教育援助金」には感謝しても、自治体には感謝したことがない。
朝鮮学校の学生たちは、平壌へ修学旅行に行けば北での滞在費は無料だという。だが、世の中にタダはない。人民を食べさせられない金正恩が、北韓住民と比べられないほど裕福な暮らしをしている朝総連に奨学金を送るのはタダではない。見返りを求めているのだ。
「首領からの「教育援助金」には感謝しても、自治体には感謝したことがない」
確かに(笑)
税金を払っているから当然、というのが彼らの言い分です。
だったら帰国同胞を人質にした収奪で、大金をせしめられた件についてどう思っているのか聞いてみたいものです。
さらには数万人の在日同胞の命を奪われているわけです。
雀の涙程度の教育援助金で、その暴挙を水に流せるのだとしたら、在日の命はなんと安いものかと軽蔑の念しかおきません。そういう常識で考えれば激怒しなければいけないことを隠して、都合の良いことだけ教え込み、北の暴君に感謝の言葉を言わせることこそが、洗脳教育と批判されるゆえんでしょう。
「世の中にタダはない」
修学旅行や滞在費が無料なくらいで感謝しているようじゃあ洗脳だと非難されても文句は言えないでしょう。どれだけのものを強奪されてきたのかを知れば、この程度で感謝するなど本当にありえません。
留学同は第2の朝青
数多くの留学同出身が「労働党在日支部」の秘密党員になり、対南「革命事業」に身を投じた。朝鮮大学校出身をはじめ、朝総連の核心幹部たちが自分たちの後継として留学同出身者を獲得・養成することに人生を消耗した。
『朝総連衰亡史(7) 』
「数多くの留学同出身が「労働党在日支部」の秘密党員になり、対南「革命事業」に身を投じた」
留学同。在特会お抱えの在日コリアン映画監督の出身団体ですね。
本気の工作員か、脳内が従北汚染された残念な人なのかは不明ですが、まぁこのあたりを知ると在特会がひたすら街頭に出て「日韓断交!」を叫ぶ理由も分かります。
在特会など、しょせん保守の仮面をかぶった親北団体ですから。差別があるから朝鮮学校が維持できる、ということをよく分かっています。当然裏で右翼に金回して排外デモやらすくらいの工作はやるでしょう。
朝総連の本分は対南工作
平壌の指示に従って対南工作に従事した朝総連幹部や知識人の一部は、自分の経験を告白した。彼らは朝総連や平壌の3号庁舎から裏切り者と非難はされても、公開した内容がウソだと責められたことはない。元朝連中央本部の財政局副局長だった韓光熙が書いた『わが朝鮮総連の罪と罰』が捏造だと主張する朝総連幹部を見たこともない。
『朝総連衰亡史(7) 』
笑ってしまう。
裏切り者と罵られても、書いてる内容が嘘だと責められたことはない。捏造だと主張する総連幹部を見たこともない。
統一日報さんは容赦ないな~。
最も悲劇的ケースがまさに留学同だった。せっかく朝鮮学校に関わらなかった若者たちが、ジャングルの中で網を張って餌がかかるのを待っていた毒蜘蛛に捕らえられた昆虫のように、朝総連はあらゆる状況に罠を仕掛けて餌を狙っていたのだ。
『朝総連衰亡史(7) 』
これですよ、これ。
ありとあらゆる状況に罠を仕掛けて待っているんですわ。
過去にとらわれることなく自由に生きてきた在日コリアンの子孫が、ちょっと自分のルーツを調べてみようと思い立ったら図書館や本屋には、従北汚染まみれの本ばっかりなわけです。
ネットで調べて勉強会があるな~、と思って行ってみたりしたらオルグを受けることになります。
その辺の話しを元総連工作員の人の証言から引用します。
これは自分でやったから言うが、我々の組織に、日本で生まれて、日本の大学に在学している朝鮮人、しかし帰化して、国籍は日本というやつがいたんだよ。血は韓国・朝鮮人だから朝鮮語を勉強したいということで、よく知らないまま、我々の組織に来た。こういう奴にいろいろ教えていくと、だんだん覚醒して、民族的に燃えてくる。それも普通以上に燃える人がいる。
そういう奴を密室に閉じ込めて教育してから、どこかに連れていって、後は行方不明になる。実は北朝鮮に連れていかれた。そういう話は聞いていた。それで、そいつをヨーロッパに行かせるという話が出た時、『ああ、これだな』と思った。
『朝鮮総聯の大罪!』 P120
これです、これ。
こういう洗脳の人身売買をやっていたのに、なぜか取り締まられていない。なぜ朝鮮総連が合法団体として存続できているのか本当になぞです。
今は穏健になっていますがやっていることは変わりません。
何も知らずに自分のルーツを知ろうと思って表看板は総連とは関係なさそうな在日の歴史を教えてくれる団体に行くと、北朝鮮が書いた在日の歴史をこれでもかと教える団体だったりするわけです。
朝鮮総連が在日同胞に対してありえない弾圧を加えてきたことや、北朝鮮に行った在日同胞が収容所でどれだけ残酷に殺されたかほとんど知らない人は、在日の歴史を語る資格はないでしょう。
一九七〇年代のことであろう、大阪を中心に総連で働いた元活動家の梁永厚は、当時、総連組織から突然抜け出て消息不明になる者が少なくなかったという。周囲では対南工作のために地下に潜ったと暗黙の了解をする雰囲気であったというが、なかには韓国で捕まった者もいたという(聞き書き、二〇一四・一〇・二五)。
いきなり消える。でも周囲はそれについて騒いではいけない、という雰囲気。
本当に危険極まりない。
こういうことを指摘すると「もう昔の話しですよ」と言う輩がいますが、こういう危険なことを繰り返さないように教えるのが歴史教育でしょう。
さらに言えば、中国コミンテルンの工作の歴史をせっせと啓蒙している輩が、戦後最も日本で好き勝手工作をやってきた北朝鮮コミンテルンについてスルーしているのがありえない。
拉致被害者奪還を叫ぶ連中こそ、北朝鮮の工作には敏感でなければいけないはずです。それなのにやっていることは日本共産党叩きや左翼叩き、中国&韓国叩きです。こいつらは馬鹿なのかわざとやっているのか本当に理解に苦しみます。
本当に理解し難いことは、自分は決して工作員(共産主義革命家)でないと主張する者の多くが、朝総連など反国家団体からの「支援」を断らず、むしろ連帯して韓国に立ち向かい、戦ったという事実だ。
平壌や朝総連がどれほど嘘つきなのかは常識人なら誰でもわかっているのに、北側が主張する、韓国当局による「拷問による政治犯捏造説」宣伝は疑わない。不可思議なことだ。
『朝総連衰亡史(9) 』
これが不思議なところです。
左翼史観だと「政府=悪い奴」、という情緒になるので、韓国政府が宣伝することは全て嘘だと決めつけてしまうのかもしれません。
こういうところが朴正煕をイラつかせた最大の原因ですね。
自分の妻を銃殺されたのに、犯人をオルグした朝鮮総連を取り締まれと要求したらKCIAの捏造だの、自作自演だのと文句を言われたわけです。
本当にありえない暴挙と言えます。
このときに、「どうもすみません、ちゃんと取り締まります」、と朝鮮総連を締め上げておけば、日本人拉致も起きなかったでしょうし、朝鮮学校もちゃんとした民族教育に戻すことができたと思えます。
もし朴正煕が生きていたら、金正日が拉致を認めた時に、「ほらっ!だから取り締まれって俺が言っただろ!?はぁ~、やれやれ」、と盛大に嫌味を言われていたでしょう。
妻が暗殺され、それを朴正煕の陰謀のように言われたわけです。盛大に激高するでしょう。国交断絶しようかと考えたのをぐっと堪え、個人の怒りを捨てて、国民のために耐えたわけです。この当時の日本の対応は本当に理解に苦しみます。まぁそれだけ朝鮮総連の力が強かったのでしょう。
今も多くの人々が社会主義圏が作った韓国の「野蛮な軍事独裁体制」とこれに抵抗した「民主化運動」という俗説を信じているが、このような大衆的イメージ作りには、少なからぬ在日作家たちの「作品」が寄与した。
『朝総連衰亡史(10) 』
これは本当に根強い。
韓国での歴史見直しとは、この点でしょう。
もちろん今と比べたらそりゃ抑圧的でしょうが、北朝鮮に比べたら「地上の楽園」状態だったわけです。公開銃殺や収容所での拷問と飢餓を使った思考改造もしていません。
だいたい李承晩を追い出すような市民デモが出来ること自体、韓国が民主的だという証左でしょう。北でやったら速攻公開銃殺で親族丸ごと収容所送りですから。
そういう危険な相手がすぐ隣にいて、隙あらば侵略してやろうと虎視眈々と狙っているわけです。そりゃ準戦時体制になって抑圧的にもなるでしょう。
そういう外部条件や、当時の市民デモは火炎瓶投げるような暴力的なもの、という常識を理解した上で歴史評価をしなければいけないのに、左翼のありえない点は現代の価値基準を過去に持ち込んで断罪し、現在を生きる人に罪をあがなわせようとする点です。
韓国の李榮薫教授は著書『大韓民国の物語』の中で、近代と前近代を分けるのは、死者に縛られているかどうか、だと述べています。
まさに今の朝鮮学校の教育や、北朝鮮に言えることです。金日成に縛られまくってますからね。いい加減、この負の鎖を断ち切り、本当の民族教育を取り戻すべきでしょう。
朝鮮学校を支持する人は、そういう行動をすべきです。断じて無条件に擁護することが子供の未来を守ることにはなりません。
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